抗がん剤による脱毛症

抗がん剤による脱毛症は成長期の毛髪がダメージを受けて抜けてしまう成長期脱毛と休止期がしばらく続く事による休止期脱毛の2つのパターンがあると考えられます。

成長期脱毛は抗がん剤投与後2週間程度で起こることが多いです。

休止期脱毛はしばらく発毛が止まるという症状です。

抗がん剤は細胞分裂が活発な細胞を攻撃します。

癌細胞と共に毛母細胞のような細胞分裂が活発な正常な細胞も同時に攻撃してしまいます。

通常、毛母細胞に対するダメージは一時的で3~6カ月程でまた毛髪は再生して来ます。

ダメージの具合によっては毛髪の質が変わったりする事もありますが、時間と共に元に戻ったりもします。

薬剤の種類によって脱毛症の程度も大きく変わります。

抗がん剤の脱毛症を防ぐ!

日本ではあまり積極的ではありませんが、世界に目を向けると抗がん剤による脱毛症を防ぐ努力が行われ続けています。

例えばPAXMANのSCALP COOLINGという頭皮冷却装置があります。

抗がん剤投与の際に装着し冷却するという単純なものですが効果はかなりあるようです。

日本では保険適用外になるので特別に理解のある病院でなければ行う事が出来ませんが扱いは簡単です。

センチュリーメディカル株式会社が日本でも販売しています。

PAXMANのホームページから引用。https://paxmanscalpcooling.com/

頭皮冷却装置での抗がん剤による脱毛症予防の作用機序

頭皮を冷却すると毛細血管が収縮し血流が少なくなります。

その為、頭皮に抗がん剤が取り込まれなくなります。

脱毛症は予防できたとして頭皮における癌の再発はどうなのでしょうか。

実は乳がんでは頭皮冷却を行っても頭皮での再発率は変わりません。

また、頭皮での再発率は低く、頭皮で再発してしまう場合はその他の部位でも再発がある事が多くそちらの方が問題になる事が多いようです。

頭部冷却は生存率には影響しませんでした。

この装置での脱毛予防効果は約50%程度ですがクーリングするだけでこれ程の効果があるのならかなり有用と考えられます。

1973年~2003年の間で56件もの試験が行われ頭皮冷却システムの検証がされて来ました。

昔は性能が悪かったようですが、現在ではかなり高性能になっています。

ただし、日本人は欧米人とは頭部の形状が違う為、装置のフィッティングを合わせる必要があると思われます。

FDAも2015年に頭皮冷却装置を認可し、現在では世界で広く扱われるようになって来ています。

その後は乳がん以外の癌にも適応が広がっています。

日本も乳がんの再建術が保険適用になっています。

2006年に自家組織(皮弁法)による乳房再建が保険認可されました。

2013年にはラウンド型シリコンインプラントとティッシュ・エキスパンダー(皮膚拡張器)、

2014年にはより自然な形状のアナトミカル型シリコンインプラントも適用となっています。

この流れに乗り、毛髪に関しても保険での対応が出来るようになるのが望ましいところです。

少し文献を見てみましょう。

2017年にJAMAでJulie Nangiaらが発表した

Effect of a Scalp Cooling Device on Alopecia in Women Undergoing Chemotherapy for Breast Cancer.というものです。

これは2013年~2016年の米国の7施設で乳がん患者さんに対し抗がん剤使用時に頭皮クーリングを行った試験です

142例と症例数は少ないですが、クーリングを行った患者さんの脱毛症予防率はなんと50%近くになっています。

抗がん剤の種類や頭皮に対するフィッティングなどによって効果の程度も変わると考えられます。

抗がん剤による脱毛症の効果的な治療は?

抗がん剤による脱毛症が起きてしまった場合の治療はどうすればいいのでしょうか。

残念ながら現在はっきりと発毛に効果的だと証明されている方法はありません。

しかし、ミノキシジルが一番治療に相応しいと思います。

内服や外用が考えられるかと思います。

実はミノキシジルに効果があるのかないのかこれまで殆ど検証されて来ていません。

ミノキシジル外用2%が効果的だと言われていますが、その検証も古いもので

1996年まで遡ってしまいます。

A randomized trial of minoxidil in chemotherapy-induced alopecia. というもので

J Am Acad DermatolでDuvic Mらが発表した研究です。

22人の患者さんで検証した結果、ミノキシジル外用2%を使うことで使わない場合に比べて50.2日も早く発毛するということです。

それからかなり時間が経過していますが、残念ながらその他の検証は行われておりません。

また、ミノキシジルの内服に関しても効果について検証は行われていないようです。

今後の調査が待たれるところです。

話は変わりますが、予防としてミノキシジルを使った実験がありますが、予防効果はなかったようです。

ミノキシジルは毛乳頭の血流を増やしますので、これに関しては逆に毛母細胞にダメージを与えてしまいそうですね。

その他、新しい治療方法のメソセラピーだとどうでしょう。

これについてもまだまだ検証はこれからになるかと思います。

成分にミノキシジルや成長因子が入りますので抗がん剤による休止期脱毛にも効果的に作用しそうだと期待は出来そうです。

幸いなことに抗がん剤による脱毛症は一過性なことが多いので、それが救いになります。

ドセタキセルは永久脱毛を起こすことも多いので薬剤により問題になることもありますがやはり多くは一過性です。

駅前AGAクリニックでは全国4院、東京新宿、大阪梅田、京都烏丸、岡山のすべてのクリニックで一貫した最新の薄毛治療を行っております。抗がん剤による薄毛の治療も積極的に受け入れております。