危ない!ミノキシジル外用薬を誤飲してしまった!!フランスからの報告
日本でもミノキシジル外用薬は薬局で簡単に手に入ります。
例えば大正製薬のリアップシリーズやアンファーのスカルプDのメディカルミノキ5などの製品です。
当院でもミノキシジル外用薬は低濃度の2%から高濃度の15%の製品まで用意しています。
これを間違って誤飲してしまうとどうなってしまうのでしょうか。
今回はフランスの7歳の女の子がミノキシジル外用薬を誤飲してしまった事件について駅前AGAクリニックの医師がお話しします。
『Minoxidil Topical Solution An Unsafe Product for Children』
これは2014年のpediatric emergency careにcludet達が発表した内容です。
AGAやFAGA(女性の薄毛)の治療薬は子供の手の届かない所に保管することとその管理をしっかりしなければならないと痛切する報告です。
— 目次 —
- ミノキシジル外用薬に含まれている薬剤の量って多いの??
- ミノキシジル外用薬が作られた理由とは??
- 7歳の女の子はどうなった!?ミノキシジルは危険な薬
ミノキシジル外用薬に含まれている薬剤の量って多いの??
日本ではミノキシジル外用薬として一般的な濃度は男性で5%、女性で1%です。
海外では2%から16%の製品があります。
初期に製造されたものは2%でしたが徐々に高濃度の製品が作れるようになって来ています。
高濃度の製品はM字の生え際など従来の5%では効果が出しにくかった部位でも効果を出せることや全体的な効果が強いために徐々に浸透してきています。
今回の事件は一般的な5%のミノキシジル外用薬で起きました。
頭皮に添付する量としては1ml程度を使いますが、5%製剤であればこの中に50mgのミノキシジルが含まれています。
成人の重症高血圧の時に使われる1日投与量が10mg~40mgなのでこれだけでもかなりの投与量となります。
ミノキシジル外用薬が作られた理由とは??
ミノキシジルは元々、重症高血圧の治療薬として合成されました。
血管平滑筋ATP感受性Kチャンネルを開放して血圧を下げます。
副作用も強く扱いにくい薬剤ですが血圧を下げる力が強いためコントロール出来ない高血圧症に使われています。
かなり強力な作用を持つ薬剤なのです。
通常は他の薬剤では血圧を下げることが出来ない時に使用されます。
このような薬剤ですが、副作用で毛髪が増えることが発見されました。
内服薬では副作用が心配だったので、その欠点を改良するために外用薬が作られたのです。
このような経緯で1988年にアップジョン社が開発した2%ミノキシジル外用薬がFDAに発毛薬として認可されたのです。
7歳の女の子はどうなった!?ミノキシジルは危険な薬
ある時、フランスの7歳の女の子が風邪を引いてしまったようです。
母親は咳止めのシロップを2日間与えていました。
その日も夜中に女の子の咳が酷くなったため母親はベッドの下に置いてある薬剤を手探りで取り、ティースプーンに乗せて飲ませてしまいました。
ティースプーンだと5ml程度になります。
全量とまでは行かなかったようですが1ml当たり50mgのミノキシジルです。
数mlは飲んでしまったようです。
これは成人の上限量をも超えてしまっています。
女の子は嘔吐し続けて病院へ搬送されました。
受診時の血圧は86/56mmHgで24時間後には79/33mmHgまで下がりました。
脈拍は149回/分とかなり早くなってしまいました。
血圧と脈拍はなかなか戻らずに40時間すぎてようやく落ち着いて来たようです。
ミノキシジルは血管を開く薬剤なのですが、これにより血圧が下がります。
血圧を保つために心臓がかなり頑張ったことになります。
例えるなら心臓にとっては強制的にずっと走らされた感じです。
疲れて止まることは死を意味します。
かなり危ない橋を渡ったことになります。
これが16%の製剤なら厳しかったのではないでしょうか。
ミノキシジルは発毛薬と同時に強力な降圧薬ということを患者さんも認識しなければなりません。
子供の手に届くところに置いてはいけませんし、使用にも細心の注意が必要です。
医師や薬剤師も患者さんにその情報を提供する義務があると感じます。
安易にネットで購入出来てしまう現状にも問題があると提起されています。
AGAやFAGA(女性の薄毛)に使うその他の薬剤のフィナステリドやデュタステリド、スピロノラクトンの管理も同様に両親がしっかり管理する必要があります。
駅前AGAクリニックではこのような注意事項も患者さんに定期的に情報提供出来ればと考えております。
駅前AGAクリニックは全国に12院あります。
東京新宿、東京北千住、新潟、金沢、三重四日市、大阪梅田、京都烏丸、岡山、広島、熊本、鹿児島の駅前となります。
全てのクリニックは通院しやすいようにアクセスも良好です。
薬剤の副作用情報など治療に関する情報を各院で共有できるように定期的に勉強会を開いて日々スキルアップできるように心がけております。
治療中の心配事もお気軽にご相談下さい。
ご質問がありましたら全力でお応えできるように頑張りたいと思います。