亜鉛の過剰摂取が髪に及ぼす影響とは?目安の摂取量や正しい摂取法も解説


インターネットで薄毛や抜け毛の予防法を調べていると、必ずといっていいほど目にする栄養素の1つが亜鉛です。亜鉛は体内で合成することができない必須ミネラルの一種で、髪の毛の健全な成長にも欠かせない栄養素とされています。


しかし、亜鉛を摂りすぎるとかえって薄毛のリスクを高めることをご存じだったでしょうか。こちらの記事では、亜鉛が髪の毛に与える影響や摂りすぎた場合のリスク、および正しい摂取法について解説しています。

— 目次 —

亜鉛が髪に与える影響とは?

亜鉛は16種類ある必須ミネラルの1つで、100種類を超える酵素の活性にかかわっています。亜鉛が髪の毛に与える影響としては、主に以下の3点が挙げられます。

  • 髪の毛を生成する手助けをする
  • ヘアサイクルを正常化する働きがある
  • AGAの進行を抑える働きがある

髪の毛を生成する手助けをする

亜鉛が髪の毛の成長に欠かせない理由の1つが、亜鉛に髪の毛の生成をサポートする働きがあるためです。髪の毛はタンパク質を原料として作られていますが、食事から摂取したタンパク質がすぐに髪の毛に作り替えられるわけではありません。


タンパク質は体内でいったんアミノ酸レベルにまで分解され、必要とされる身体の各所へと送られます。髪の毛はタンパク質の一種であるケラチンから作られ、アミノ酸をケラチンへと再合成する際に亜鉛が重要な働きをするのです。

2020年に感染が流行した新型コロナウイルスが重症化したり、味覚障害を引き起こしたりするのは、亜鉛が不足しているからではないかと考えられています。新型コロナウイルスの症状の1つとしては脱毛も知られていますが、亜鉛が髪の毛の成長をサポートしていることとも無縁ではないでしょう。

ヘアサイクルを正常化する働きがある


抜け毛や薄毛の方の多くに、ヘアサイクルの乱れが見られます。ヘアサイクルは髪の毛が生えてから抜け落ちるまでの周期で、髪の毛の成長期が大半を占めている点が特徴です。


髪の毛は毛母細胞が分裂することで成長しますが、細胞分裂の際に亜鉛が必要となるため、亜鉛不足に陥ると髪の毛の成長期が短縮されて抜け毛を引き起こしやすくなります。

AGAの進行を抑える効果がある


AGAは男性に見られる代表的な脱毛症の1つで、思春期以降に発症してゆっくりと進行する点が特徴です。AGAの原因の1つが5α-リダクターゼと呼ばれる酵素の一種で、テストステロンがジヒドロテストステロンへ変化する際に触媒として働き、結果として抜け毛リスクを高めてしまいます。


亜鉛には5α-リダクターゼの働きを阻害する働きがあるため、ジヒドロテストステロンの生成を抑制し、結果としてAGAの進行を抑えられるわけです。

亜鉛の過剰摂取が及ぼす影響とは


上記の解説で分かるように、亜鉛は髪の毛の成長にとって欠かすことができない栄養素の1つです。しかし、亜鉛を摂りすぎてしまった場合、以下の理由ではげるリスクを高めるため注意が必要です。

  • 銅欠乏症を引き起こす可能性がある
  • 必要な栄養素の吸収に影響が起こる


ここでは、亜鉛の摂りすぎによってはげるリスクが高くなる理由について解説します。

銅欠乏症を引き起こす可能性がある


銅は亜鉛と同じく身体の健康維持に欠かせない必須ミネラルの一種です。銅は体内でタンパク質と結合して銅酵素となり、エネルギーを生成したり、鉄を代謝したり、酸素を運搬したりする際にサポートとしての役目を果たす点が特徴です。


しかし、亜鉛を過剰に摂取すると銅の吸収が妨げられるため、貧血を起こして髪の毛の成長を妨げる可能性があります。また、銅は毛髪の色素形成にも関わる栄養素のため、銅が欠乏すると抜け毛を起こしたり、髪の毛の質が変化したりする恐れもあります。

必要な栄養素の吸収に影響が起こる


亜鉛を過剰に摂取した場合、必要な栄養素の吸収に悪影響をおよぼす可能性があります。代表的な例は前述の通り、銅の吸収が妨げられてしまう点です。


食品には多くの栄養素が含まれていますが、特定の栄養素だけを摂取したからといって、思ったような効果が得られるわけではありません。


例えば骨の原料としても知られるカルシウムは単体では吸収率が非常に悪く、食品から吸収されるのは全体のおよそ20%〜30%に過ぎません。


しかし、ビタミンDと一緒に摂取することで、カルシウムの吸収率が上がります。このように、栄養素はそれぞれ補完する関係にあるため、バランスよく摂取する必要があるのです。

どれくらい亜鉛を摂取すると摂りすぎになる?


亜鉛を過剰に摂取すると、銅の吸収を妨げるため貧血を起こしたり、骨や髪の毛の異常が生じたり、神経に異常をきたしたりする恐れがあるため注意が必要です。

どれくらいの亜鉛を摂取すると過剰になるのかに関しては、以下の表を参考にしてください。

年齢 推定平均必要量 推奨量 耐用上限量
18歳~29歳 男性:9㎎・女性:7㎎ 男性:10㎎・女性:8㎎ 男性:40㎎・女性:35㎎
30歳~49歳 男性:9㎎・女性:7㎎ 男性:10㎎・女性:8㎎ 男性:45㎎・女性:35㎎
50歳~64歳 男性:9㎎・女性:7㎎ 男性:10㎎・女性:8㎎ 男性:45㎎・女性:35㎎
65歳~74歳 男性:9㎎・女性:7㎎ 男性:10㎎・女性:8㎎ 男性:40㎎・女性:35㎎
75歳~ 男性:9㎎・女性:6㎎ 男性:11㎎・女性:8㎎ 男性:40㎎・女性:30㎎
妊婦 +1mg +2㎎
授乳婦 +3㎎ +4㎎

※推定平均必要量は半数の方が必要量を満たす量、推奨量はほとんどの方が必要量を満たす量を指します。耐用上限量は過剰摂取による健康被害を未然に防ぐ量の目安です。


成人男性の場合は1日あたり40㎎〜45㎎、成人女性の場合は1日あたり30㎎〜35㎎の亜鉛を摂取すると、過剰摂取になる恐れがあります。

髪の毛が増えたと感じる男性・女性は摂取量が適切


亜鉛はあくまでも髪の毛の成長をサポートするための栄養素であり、積極的に摂取したからといってみるみる髪の毛が生えてくるわけではありません。


しかし、日常的に亜鉛を多く含む食品を摂取したり、サプリメントを利用したりして髪の毛が増えたと感じる場合、摂取量が適切になった可能性があります。

日頃の食生活で亜鉛を摂りすぎてしまうことはあるのか?


亜鉛の過剰摂取は銅の吸収を妨げ、貧血や脱毛、白血球減少、神経異常などの健康被害を招く恐れがあります。また、子どもの場合は成長障害を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。


ただ、一般的な食生活で亜鉛を摂りすぎてしまうようなことはほとんどありません。例えば30代男性の1日あたりの耐用上限量は45㎎ですが、これは亜鉛を多く含む牡蠣(かき)でも40個は摂取する必要がある数字で、あまり現実的ではないといえるでしょう。

亜鉛を多く含む食材・食品

亜鉛を多く含む主な食材・食品の例は以下のとおりです。

食品名 可食部100gあたりの含有量
牡蠣(かき) 14.0mg
パルメザンチーズ 7.3mg
カタクチイワシの煮干し 7.2mg
豚レバー(生) 6.9mg
牛肩ロース(生) 6.4mg
松の実 6.0mg
ゴマ 5.9mg
するめいか 5.4mg
カシューナッツ 5.4mg
牛ひき肉(生) 5.2mg
レンズ豆 4.8mg
きな粉 4.1mg
チェダー 4.0mg
プロセスチーズ 3.2mg
焼きのり 3.0mg

ここでは亜鉛の含有量が多い代表的な食品を列挙しましたが、たとえば焼きのりを100g食べるのは現実的ではありません。

このため、亜鉛の含有量が多い複数の食品を毎日の食事に上手に取り入れることが大切です。

亜鉛を正しく摂取する方法とは?


亜鉛は必須微量ミネラルとも呼ばれているように、意識的に摂取を心がけないと不足する傾向にあるため、次のような方法で効果的に摂取するのがおすすめです。

  • ビタミンCなどと一緒に摂取する
  • サプリメントを飲む


ここでは、亜鉛を正しく摂取する方法やポイント、注意点などについて解説します。

ビタミンCなどと一緒に摂取する


食品などから摂取した亜鉛は小腸で吸収されますが、吸収率はわずか30%に過ぎません。先ほど亜鉛の過剰摂取について解説した際に、30代男性が耐用上限量の45㎎を超えるには、牡蠣を1日あたり40個程度食べる必要があると述べました。


しかし、その数字はあくまでも牡蠣に含まれている亜鉛の量から割り出した数値であり、吸収率を考えるとおよそ130個は食べなければならない計算です。


その点でも、食品から亜鉛が過剰摂取されてしまう可能性はほとんどないといえるわけです。むしろ、必須ミネラルである亜鉛に関しては、吸収率を高める方法を考えなけれなりません。


亜鉛を効率的に摂取する方法の1つが、ビタミンCやクエン酸と一緒に体内に取り入れることです。料理屋などで生牡蠣にレモンを絞って食べることがありますが、亜鉛を効率的に摂取するという観点では非常に理にかなっているといえます。


ビタミンCやクエン酸は頭皮環境を良好に保ち、髪の毛の成長をサポートする上でも必要な栄養素のため、亜鉛と一緒に積極的に摂取することがおすすめです。

サプリメントを飲む


食品に含まれる亜鉛の量は微々たるものなので、日常の食事で賄いきれない分は、サプリメントから摂取する方法もあります。


サプリメントなら手軽で簡単に亜鉛を摂取できるうえ、ビタミンCやクエン酸のサプリメントと一緒に摂取すれば、さらに吸収効率を高めることが期待できます。

Q:亜鉛サプリを毎日飲むとどうなる?


A:冒頭でもお話したように、亜鉛には体内のアミノ酸をケラチンへと再合成し、髪の毛の成長をサポートする働きがあります。


また、亜鉛が不足すると貧血や脱毛を引き起こしやすいことが分かっています。そのため、毎日の食事で不足する亜鉛をサプリメントで補うことで、脱毛を抑制する効果が期待できます。

Q:DHCなどの亜鉛サプリに含まれるセレンなどの成分ははげる?


A:国内で販売されている亜鉛のサプリメントには、セレンと呼ばれる微量元素が配合されているケースも少なくありません。
セレンは抗酸化反応や代謝に関係する酵素の構成要素であり、適切に摂取すれば健康にとって有益とされています。


しかし、日常の食事でセレンが不足することはほとんどないため、亜鉛のサプリメントを摂取すると、セレンを摂りすぎてしまう恐れがあります。


セレンを摂りすぎると爪の変形を引き起こしたり、胃腸障害を招いたりするほか、脱毛を促す可能性もあるとされており注意が必要です。


亜鉛のサプリメントの摂取を検討している、もしくは利用中で抜け毛が心配な方は、セレンが含まれていない商品を選ぶとよいでしょう。

亜鉛サプリは効果がでるまでどれくらいかかる?

亜鉛サプリで抜け毛の予防効果などが実感できるまでの期間には個人差があります。

髪の毛が生えてから抜け落ちるまでの周期をヘアサイクルと呼んでおり、男性はおよそ3〜5年で一周するとされています。

ヘアサイクルの大半を髪の毛の成長期が占めており、細胞分裂が停止して抜け落ちる休止期は全体のおよそ10〜15%です。

そのため、亜鉛のサプリメントでヘアサイクルが整い、抜け毛予防を実感できるまでにはおよそ3ヶ月半〜9ヶ月が必要と考えられます。

亜鉛の摂りすぎと合わせて見直すべき習慣とは?


普段の食事に含まれる亜鉛の量は微々たるものなので、過度に心配する必要はありません。抜け毛や薄毛が気になるのであれば、亜鉛の過剰摂取よりも以下のように生活習慣を見直す方が重要と言えるでしょう。

  • 睡眠時間を確保する
  • 正しい方法でヘアケアを行う
  • 日常的に身体を動かす
  • お風呂で身体を温める
  • アルコールやたばこを控える
  • ストレスを発散する


髪の毛の健全な成長のためには、身体を健康に保つことが欠かせません。思い当たる節がある方は、できるところから改善することがおすすめです。

亜鉛の摂取に関するQ&A


亜鉛の摂取に関して、以下3つの質問が多く寄せられています。

  • 亜鉛を摂りすぎると臭くなる?
  • 実際に亜鉛を摂って、抜け毛は増えた?減った?
  • 亜鉛の効果が出にくい場合はどうすれば良い?


亜鉛サプリの摂取を検討している方は、参考にしてください。

亜鉛を摂りすぎると臭くなる?


通常の食事で亜鉛を過剰摂取する可能性は低いですが、サプリメントを利用する方が亜鉛を摂りすぎると臭くなると言われるケースがあります。亜鉛の過剰摂取で臭くなる理由は、体内のミネラルバランスが崩れて老廃物が溜まりやすくなるためです。


亜鉛のサプリメントを服用する方は自分の年齢に応じた耐用上限量を知り、パッケージに書かれた用法・用量を守ることが大切です。

実際に亜鉛を摂って、抜け毛は増えた?減った?


サプリメントなどを利用して亜鉛を摂取した方のなかには、抜け毛が増えたと感じる方もいれば、減ったと感じる方もいます。


抜け毛の原因はさまざまなため、適切な対処を講じなければ抜け毛を減らす効果は期待できません。例えば抜け毛の原因がAGAであれば、亜鉛を積極的に摂取しても効果は期待できないでしょう。


また、亜鉛自体に発毛効果はありません。冒頭でもお話したように、亜鉛の働きはアミノ酸を再合成して髪の毛の元となるケラチンに作り替えることです。
そのため、日常の食事でタンパク質や亜鉛が不足している方は、亜鉛の摂取で抜け毛が減る可能性があると言えるでしょう。

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亜鉛の効果が出にくい場合はどうすれば良い?

亜鉛の効果が出にくい場合はどうすれば良い?

亜鉛の効果が出にくい場合は、吸収を妨げる食品や飲料を一緒に摂取していないか確認してみましょう。

亜鉛の吸収を妨げる栄養素および飲料としては以下の例が挙げられます。

  • フィチン酸
  • カルシウム
  • 乳製品
  • タンニン
  • 食物繊維
  • オレンジジュースなど

フィチン酸はイノシトール6リン酸とも呼ばれており、植物の成長には欠かせませんが、亜鉛や鉄などのミネラルの吸収を妨げると考えられています。

フィチン酸を多く含む食品としては玄米やナッツ類、ゴマ、種実類、豆類などが挙げられます。

また、アルコールの過剰摂取も亜鉛の吸収を阻害するため注意が必要です。

AGA治療に関するご相談なら駅前AGAクリニックへ


亜鉛は体内に取り入れられたアミノ酸をケラチンへと再合成し、髪の毛の成長をサポートする働きがあります。そのため、亜鉛が不足すると抜け毛のリスクを高める恐れがあります。


一方、亜鉛を摂りすぎると銅の吸収が妨げられるため、貧血を起こして髪の毛の成長に悪影響をおよぼす可能性があるため注意が必要です。


ただ、食品に含まれる亜鉛の量は微々たるものなので、基本的に過剰摂取を心配する必要はありません。サプリメントを利用する場合だけ、過剰摂取に気を付けるとよいでしょう。


亜鉛を摂取しても抜け毛や薄毛が治まらない場合は、駅前AGAクリニックまでご相談ください。抜け毛や薄毛の原因はさまざまなので、まずは無料カウンセリングで原因を突き止めることがおすすめです。

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