円形脱毛症の最新の革命的ガイドラインが完成!!2018年11月オーストラリア版

『Treatment of alopecia areata: An Australian expert consensus statement

著者のメルボルン大学のRod Sinclair教授はこう言っています。

『これは円形脱毛症のちょっとした革命だ。円形脱毛症は自然経過でも70%の患者が治癒する。しかし、逆に言うと残りの30%の患者さんはどうだったのか。私達には…これは革命だった。』

医学は日々進歩しています。

日本皮膚科学会が作成した『円形脱毛症診療ガイドライン』は2017年のものです。

その後も医学は進歩して来ました。

2017年に京都で開かれた会議以降も議論が重ねられ続けていました。

そして、今回オーストラリアで新しい円形脱毛症のガイドラインが発表されました。

今回のガイドラインは円形脱毛症のタイプ別に行うべき治療をまとめ上げています。

そして、今までと大きく違うのは積極的な治療を勧めていることです。

積極的な治療を早くから行うことでその後の円形脱毛症の経過が良くなると結論付けたのです。

『悪化を防ぐために積極的に治療をする。』

これは私達、駅前AGAクリニックが以前より提唱し続けてきた内容と合致しています。

— 目次 —

  • オーストラリアの専門家による円形脱毛症のガイドライン
  • — 単発型の安定した円形脱毛症 —
  • — 多発型円形脱毛症 —
  • — 単発型の活動性の高い円形脱毛症 —
  • — 多発型円形脱毛症 —
  • — 蛇行型円形脱毛症 —
  • — 急速進行性、びまん性、劇症型、全頭型、汎発型円形脱毛症 —
  • — 小児の円形脱毛症—
  • ガイドラインを踏まえて新しい治療のあるべき姿とは??
  • 局所免疫療法の効果は??
  • 局所免疫療法の手順
  • 局所免疫療法の欠点
  • メソセラピー局所免疫療法が起こす革命!!

オーストラリアの専門家による円形脱毛症のガイドライン


限局したものから全身に及ぶものまで円形脱毛症には様々なタイプがあります。

円形脱毛症の40%の患者さんは6カ月以内に完治する単発型です。

27%の患者さんは1年以内に完治する多発型です。

そして、不幸にも33%の患者さんは1年以上治らない慢性型円形脱毛症となってしまいます。

実は33%もの患者さんが慢性型になってしまうと考えると意外と予後は悪いのです。

慢性型円形脱毛症のうち55%の患者さんは再発と寛解を繰り返していきます。

30%の患者さんは全頭型に移行し、15%の患者さんは汎発型に移行します。

つまり慢性型円形脱毛症のうち45%もの患者さんが予後が悪いタイプに移行していくのです。

この予後の悪いタイプ(全頭型・汎発型)の治癒率はわずか17%と言われています。

円形脱毛症の早期から積極的に治療を行うことでこの45%もいる患者さんを17.6%まで減らすことが出来ると考えられるのです。

今回のガイドラインでは各タイプ別に理想的な治療方法をまとめ上げています。

では各タイプの推奨される治療方法を見ていきましょう。

単発型の安定した円形脱毛症


精神的に辛い場合や不登校など社会的問題が起きる場合はすぐに治療を行います。

また、6カ月以上経過した場合も65%で慢性化すると予想されるので治療を行います。

小児では強い力価のステロイド外用を用います。

成人ではステロイドの皮下注射を4-6週ごとに行います。

12か月を超えた場合は局所免疫療法や全身治療を検討します。

単発型の活動性の高い円形脱毛症

脱毛面積が増えていく場合や毛髪を引っ張ると抜けるような場合は活動性が高いと考えられます。

そのような場合は小児では強い力価のステロイド外用を用います。

成人ではステロイドの皮下注射を4-6週ごとに行います。

多発型円形脱毛症


直ぐに治療すべきです。

円形脱毛症の53%は数カ月かけて多発型円形脱毛症になります。

そのうち2/3は1年以内に治りますが、1/3は慢性化してしまいます。

小児では強い力価のステロイド外用を用います。

また、局所免疫療法も第一選択となります。

成人ではステロイドの皮下注射を4-6週ごとに行います。

6カ月間のステロイド外用、皮下注射で軽快しない場合は局所免疫療法、全身治療を検討すべきです。

蛇行型円形脱毛症


直ぐに治療すべきです。

自然経過での予後のデータはありませんが、非常に悪いことは分かっています。

6カ月間のステロイド外用、皮下注射で軽快しない場合は局所免疫療法、全身治療を検討すべきです。

急速進行性、びまん性、劇症型、全頭型、汎発型円形脱毛症


全身治療の適用です。

全身治療にはステロイドやその代替薬のアザチオプリン、メトトレキサート、シクロスポリン、ヤヌスキナーゼ阻害薬(JAKインヒビター)があります。

JAKインヒビターはFDAでも試験を行っていてかなりの治療効果が見込めそうだと期待されています。

今後は外用薬の開発も期待したいです。

小児の円形脱毛症

池田先生の研究のデータが今でも使われています。

円形脱毛症の自然経過は今でもこれと大きく変わらないと考えられているからです。

それによると小児の円形脱毛症の予後は非常に悪いです。

特に6歳以下の発症は無治療だと絶望的です。

6歳以下の円形脱毛症の小児を53人観察したところ慢性化しなかった患者さんは一人もいなかったのです。

7歳から12歳の円形脱毛症の小児では83人を観察したところ47人(56.6%)は3年以内に完治していますが、36人は慢性化して重症化してしまいました。

その中の18人は急速に進行し残りの18人は一旦回復したが再発しています。

このように小児の円形脱毛症は無治療だと治る見込みがあまりありません。

そのため全ての円形脱毛症の小児は積極的な治療を検討すべきであると考えられています。

ステロイドの皮下注射は小児では痛みのため難しいです。

そのため第一選択として外用治療(ステロイド、ミノキシジル、局所免疫療法)を使います。

第二選択としてはこれらの治療を組み合わせます。

第三選択として全身治療を検討するとしています。

ガイドラインを踏まえて新しい治療のあるべき姿とは??


今回の新しいガイドラインではこのように治療を進めていくようにアドバイスしています。

重要なポイントは円形脱毛症の予後の悪さをしっかりと認識しているということと、初期から積極的に治療を行うことで重症化を防ぐことが出来ると主張していることです。

そのような考えで各タイプ別に治療方法を提案しています。

私達医師はこのガイドラインを踏まえて治療を進めていくことになります。

では駅前AGAクリニックの治療の立ち位置はどうなのでしょうか。

私達には局所免疫療法に代わるメソセラピー局所免疫療法があります。

これは局所免疫療法の弱点を克服した新しい治療方法です。

メソセラピー局所免疫療法はガイドラインの先を行く積極的な治療方法なのです。

これは将来作られるガイドラインの形を変えていく可能性を秘めています。

まずは局所免疫療法とはどのようなものか見てみましょう。

局所免疫療法の効果は??


局所免疫療法はどの程度の効果があるのでしょうか。

2010年に行われたメタアナリシスでは重症の円形脱毛症患者さんの50~60%に効果があったとされています。

2018年にイタリアで行われた大規模なコホート研究では汎発型で18.18%、全頭型で38.24%、多発型で55%でした。

局所免疫療法の手順


局所免疫療法は試薬(SADBEやDPCP)を脱毛症部位に外用します。

48時間後に洗い流します。

7~10日後に感作が成立し腫れます。

再度、脱毛部位に試薬を薄い濃度で塗ります。

試薬は半日程度付けたままにして洗い流します。

そして、瘙痒が数日続く程度に濃度を調整していきます。

治療頻度は1~2週間に1度程度のペースで半年~1年以上続けます。

発毛が認められてからも3~4週に1度は外用を継続します。

重度の接触性皮膚炎、自家感作性皮膚炎、蕁麻疹、リンパ節腫脹等が生じた場合は局所免疫療法を中止し、抗ヒスタミン薬の内服やステロイド軟膏の外用を行います。

局所免疫療法の欠点

局所免疫療法には欠点があります。

最初に試薬に感作させる必要性や、その後も試薬の濃度の調整が必要で、施術側も感作されるリスクもあります。

別名で『かぶれ療法』と呼ばれていますが、感作されますと毎回かぶれが起きます。

人によっては痒みがかなり強く出てしまいます。

感作に失敗したり、治療中にかぶれが起きなくなることもあります。

治療回数も非常に多くなりがちで合併症の為、治療が中断される事もあります。

すぐれた治療方法ですが実は患者さんの負担も大きいのです。

その為に重症の円形脱毛症に対してのみの適応となっていました。

メソセラピー局所免疫療法が起こす革命!!


メソセラピー局所免疫療法は感作させないやり方で、より自然な方法で免疫を賦活化しますのでかぶれは起きません。

痛みも少なく問題になることはなく小児でも治療可能だと思われます。

治療を受ける事に対するハードルが低いため、重症の円形脱毛症でなくとも全ての円形脱毛症に適応を広げることが可能です。

面積が広い円形脱毛症や多発型円形脱毛症にもストレスなく行うことが出来ます。

そのため新しいガイドラインの局所免疫療法の位置づけよりも早い段階で治療を始めることにより円形脱毛症の予後を改善できると期待出来ます。

これは円形脱毛症の予後を飛躍的に改善できる可能性を秘めているのです。

 

駅前AGAクリニックはこれからも積極的に円形脱毛症を治療して行きます。

『悪化を防ぐために積極的に治療をする。』

これを可能にする治療方法、メソセラピー局所免疫療法を試してみたい方は是非ご相談下さい。

常に時代の最先端の治療をご提供できるように駅前AGAクリニックは努力し続けております。

執筆者
田坂洋介
2005年3月 昭和大学医学部卒業
2005年4月 昭和大学医学部付属初期臨床研修センタにて初期臨床研修開始
2007年4月 川崎市立川崎病院 麻酔科後期研修開始
2009年4月 麻酔科標榜医取得
2015年4月 大手毛髪専門クリニックで多数の症例を経験
2017年12月 駅前AGAクリニック大阪梅田院院長
資格:医師免許、麻酔科標榜医、麻酔科学会専門医、麻酔科学会指導医

駅前AGAクリニック【全国13院 東京新宿院東京北千住院京都烏丸院大阪梅田院岡山院鹿児島院 など】

無料相談・ご予約(受付時間11:00-20:00)0120-722-969

カウンセリングWEB予約(無料)