遅発性円形脱毛症とは。円形脱毛症は発症年齢で予後が変わるのか!?

円形脱毛症の予後については様々な分析がなされて来ました。

しかし、円形脱毛症の病勢がその後どうなっていくのか予測は不可能とされています。

円形脱毛症の生涯発症率は約2%程度であり、50人に一人が経験することのあるメジャーな疾患です。

円形脱毛症は多くの場合は自然に治癒すると一般的に言われています。

これは本当なのでしょうか。

現実的には円形脱毛症の1/3は慢性化し、さらにその慢性型円形脱毛症の45%は悲劇的な型(全頭型/汎発型)へ移行します。

これでは多くの場合、円形脱毛症は自然治癒しているとは言えないでしょう。

円形脱毛症の実に15%もの患者さんが悲劇的なタイプに移行しているというのです。

このような円形脱毛症の予後の悪さは今まで積極的に語られる事はありませんでした。

最近では積極的に治療を行うことでその予後が変わって行くのではと注目されています。

今回は円形脱毛症の発症年齢に注目してみたいと思います。

円形脱毛症の予後の予測が難しいとしてもきっと参考になるはずだからです。

高齢で発症するとどうなのでしょうか。

逆に若いとどうなのでしょうか。

今回も駅前AGAクリニックの医師が解説します。

— 目次 —

  • 遅発性円形脱毛症とは??何歳からが遅発性なのか?
  • 遅発性円形脱毛症の特徴とは??どんなものなんだろう。
  • 遅発性円形脱毛症の治療方法は??

遅発性円形脱毛症とは??何歳からが遅発性なのか?


円形脱毛症の多くは比較的若い内に発症します。

典型的には40歳以下で発症すると言われています。

若い内に発症したものは予後が悪く6歳以下ではほぼ全てが難治性の円形脱毛症になってしまいます。

7歳以上12歳以下では40%以上が難治性になります。

このような若年性の円形脱毛症をEarly-Onset Alopecia Areata(若年性の円形脱毛症)と言いますが、その他の自己免疫疾患などを合併していることが多く非常に完治しにくい特徴があります。

発症年齢が若い方が予後が悪いようで、逆に高齢で発症すると重症化する割合は減るようです。

このことに注目してLate-Onset Alopecia Areata(遅発性円形脱毛症)という概念が生まれつつあります。

これはEarly-Onset(若年性)と逆の概念となります。

まだ、研究途中であり何歳から遅発性なのかという定義自体も決まっていません。

このような研究が数個存在しています。

今回は以下のイスラエルの研究に注目してみましょう。

2017年のDermatologyでAnna Lyakhovitsky達が発表した研究です。

遅発性円形脱毛症の定義を『50歳以上で発症した円形脱毛症』としています。

— ポイント —

遅発性円形脱毛症とは40歳、50歳以上で発症した円形脱毛症のことである

それに対して小児期に発症した円形脱毛症は若年性円形脱毛症といい予後が悪い

遅発性円形脱毛症の特徴とは??どんなものなんだろう。

『Late-Onset Alopecia Areata:A Retrospective Cohort Study』


2009年から2015年にイスラエルのSheba Medical Centerを受診した円形脱毛症の患者288人を解析しています。

50歳以上で発症した患者さんは31人(10.7%)でした。

この中の2人はその後の経過を追うことに失敗しています。

残りの29人の遅発性円形脱毛症の患者さんの経過や合併症を詳細に解析しています。

これで遅発性円形脱毛症の割合は約10%と分かりますが、他の文献でも大体同じような割合で遅発性円形脱毛症の患者さんが存在しています。

例えば40歳以上で14.5%や50歳以上で7.1%という数字の文献も存在しています。

— ポイント —

遅発性円形脱毛症の頻度は円形脱毛症全体の約10%

 

遅発性円形脱毛症の特徴は何なのでしょうか。

この研究では円形脱毛症の発症は年齢と共に少なくなっていくことが分かります。

理由ははっきりとは示せませんでしたが、高齢患者さんはほとんどの方が薄毛です。

AGAや加齢性脱毛症が進行して行くと患者さんが病院をそもそも受診しなくなった可能性があります。

また、別の研究では円形脱毛症の抗原はメラノサイト幹細胞にあり、加齢と共にメラノサイト幹細胞がいなくなることで円形脱毛症が発症しなくなるという説もあります。

つまり、白髪になると円形脱毛症を発症しにくくなるというのです。

円形脱毛症は毛包組織に対する自己免疫疾患ですが、SLEや甲状腺疾患などのその他の自己免疫疾患は加齢と共に増えていくのでこれは自己免疫疾患としては特徴的な現象だと思われます。

何かしら治療のヒントになる可能性もあります。

— ポイント —

加齢と共に円形脱毛症の発症頻度は下がって行く

 

円形脱毛症には男女差がないことが分かっていますが、遅発性円形脱毛症は女性に多いようです。

これは他の研究でも同じような結果となっています。

この原因は男性にはAGA患者が多く高齢になるとかなり進行してしまい円形脱毛症でも病院を受診しない可能性があることや、女性の方が毛髪がなくなることに精神的苦痛を感じやすいこと、閉経後の急激なエストロゲンの低下などと関係しているかもしれません。

— ポイント —

遅発性円形脱毛症は女性に多い

 

遅発性円形脱毛症とアトピー、甲状腺疾患、円形脱毛症の家族歴との関連性が示されました。

これは他の研究と違う部分もあり今後のさらなる研究が求められます。

この研究のみでは結論は出なさそうです。

発症のタイプは様々なタイプがありますが、爪の異常が少なく重症化しにくく寛解しやすいという特徴があります。

爪も毛髪もケラチンから出来ていますので円形脱毛症で同時に障害されることが多いのですが、遅発性円形脱毛症では少ないようです。

この研究だと遅発性円形脱毛症は6カ月以内に寛解するのが37.9%だったということです。

これは予後が良いとされている円形脱毛症の単発型のものと同じ程度の良好な成績です。

— ポイント —

遅発性円形脱毛症は比較的予後が良さそうである

遅発性円形脱毛症の治療方法は??

予後の良いとされる遅発性円形脱毛症ですが、基本的に治療方法は従来の円形脱毛症と大きくは変わりません。

最新のガイドラインでも遅発性円形脱毛症に対して治療方法を変えるというところまで至っていません。

円形脱毛症の基本的な治療はステロイド外用、ステロイド皮下注射、局所免疫療法の3つです。

これにミノキシジルやセファランチンなどの併用療法を行うことが多いです。

遅発性円形脱毛症でもさらに単発型、多発型、劇症型、全頭型、汎発型など細かい分類があります。

これに応じて全身療法など侵襲的な治療方法も考慮されます。

メソセラピー局所免疫療法


駅前AGAクリニックには侵襲が少ないメソセラピー局所免疫療法があります。

この治療方法は従来の3つの治療方法にとって代わる可能性が高いと感じています。

局所免疫療法のように感作させる必要がなく受診当日からの治療が可能です。

単発型であっても多発型であっても面積も関係なく頭皮全体を治療対象としてカバーすることが出来ます。

これは従来の方法と比較して革命的に治療のハードルが下がることを意味しています。

円形脱毛症の発症初期から積極的に治療が出来ることにより今後の円形脱毛症の予後が大きく変わって行くと考えられるのです。

遅発性円形脱毛症の予後が比較的良いのであればこの治療で完治することが出来る可能性は高いと考えられるでしょう。

駅前AGAクリニックは全国に12院あります。

どこのクリニックでもメソセラピー局所免疫療法を施術することが出来ます。

積極的に円形脱毛症を治したい方は一度ご来院ください。

最新の治療方法をご提供出来るように駅前AGAクリニックも日々進化し続けています。

執筆者
田坂洋介
2005年3月 昭和大学医学部卒業
2005年4月 昭和大学医学部付属初期臨床研修センタにて初期臨床研修開始
2007年4月 川崎市立川崎病院 麻酔科後期研修開始
2009年4月 麻酔科標榜医取得
2015年4月 大手毛髪専門クリニックで多数の症例を経験
2017年12月 駅前AGAクリニック大阪梅田院院長
資格:医師免許、麻酔科標榜医、麻酔科学会専門医、麻酔科学会指導医

駅前AGAクリニック【全国13院 東京新宿院東京北千住院京都烏丸院大阪梅田院岡山院鹿児島院 など】

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