円形脱毛症で死ぬことってあるの!?これは恐い病気なの?
円形脱毛症はある日、突然、発症します。
駅前AGAクリニックを受診される患者さんの多くは慌てて来院されます。
毛髪が急に抜けるというと抗がん剤の副作用のようなものを連想されるのかもしれません。
しかし、円形脱毛症という診断であればそれほど心配することはありません。
命に関わることはないからです。
円形脱毛症は毛髪の疾患です。
膠原病や消耗性疾患による脱毛症のように全身状態に影響を与えることはありません。
では、円形脱毛症によって死んでしまうことは本当にないのでしょうか。
今回も駅前AGAクリニックの医師が解説します。
— 目次 —
- 円形脱毛症って何なのでしょうか??
- 円形脱毛症にも種類がある…
- 毛髪治療のクリニック選びは難しい!
- 本当に円形脱毛症が原因で死んでしまうことはないのでしょうか??
- 円形脱毛症の治療方法の大きな考え方とは??
円形脱毛症って何なのでしょうか??
円形脱毛症は毛髪の疾患です。
毛髪の根元にある毛包と呼ばれる組織に対して、患者さんの免疫が誤って攻撃している状態なのです。
具体的にはT細胞という細胞が攻撃に関わっていることが分かっています。
攻撃されているのは毛包なので、それ以外のところでダメージを受けるところはないです。
このように自分の免疫が自分を攻撃してしまう疾患を自己免疫疾患といいます。
このような疾患にはSLEや関節リウマチ、尋常性白斑、甲状腺疾患などがあります。
これらの自己免疫疾患は攻撃されている部位が違うのです。
そのため円形脱毛症と似た疾患だと考えることもできます。
円形脱毛症の場合、これらの疾患を合併していることがあります。
特に甲状腺疾患は円形脱毛症の患者さんの8%に合併しているので注意が必要です。
円形脱毛症にも種類がある…
円形脱毛症といっても実は多くの種類があります。
脱毛斑の面積や数からの分類や活動性などを考慮してどのタイプなのか診断しています。
こうして詳しく診断することで、その患者さんの円形脱毛症の予後や治療方法を個別に検討していく必要があるのです。
一般的に合併症がなく円形脱毛症が一つで発症から間もない場合は予後がいいことが多いです。
しかし、円形脱毛症が数個できる多発型円形脱毛症や急速に進行するタイプ、面積が大きいタイプは予後が悪いことが多いです。
そして、最近注目を浴びていることが治療による予後の変化です。
やはり発症してすぐに治療をしっかり行った場合は、円形脱毛症が悪化しにくく治りやすいということが分かって来ています。
そして無治療の場合の予後の悪さも注目されるようになって来ています。
円形脱毛症の各種タイプ
単発型円形脱毛症・・・脱毛斑が一つの最も予後のいいタイプ、慢性型に移行すると予後が悪くなる
多発型円形脱毛症・・・脱毛斑が数個あるタイプ、3人に1人は慢性型に移行する
蛇行性円形脱毛症・・・側頭部や後頭部でうねっているような脱毛斑、予後が悪いタイプ
全頭型円形脱毛症・・・頭部全体で抜けるタイプで非常に予後が悪い
汎発型円形脱毛症・・・頭部以外に眉や体毛など全身で脱毛症状が起きるタイプ、最も重症化しやすい
急性、慢性円形脱毛症・・・経過が1年以上のものを慢性型という、慢性型の内約45%は全頭型や反発型に移行する
急速進行性円形脱毛症・・・急速に発症し広がって行くタイプ、全頭型や反発型の多くはこのような発症の仕方をする
薄毛治療のクリニック選びは難しい!
ここで大きな問題があります。
日本では残念ながら積極的に円形脱毛症の治療を行っているクリニックは限定されているのです。
通常のAGA専門クリニックではまず円形脱毛症は治療をすることが出来ません。
また、皮膚科でも積極的には治療を行わないクリニックがほとんどです。
その点、駅前AGAクリニックは毛髪総合クリニックとして、どのような毛髪疾患でも積極的に治療を行っていますのでご安心して頂けると思います。
AGAやFAGAと円形脱毛症の治療を同時に行うことが可能なのも駅前AGAクリニックの特筆すべき大きな特徴です。
本当に円形脱毛症が原因で死んでしまうことはないのでしょうか??
円形脱毛症の患者さんとそうでない方との死亡率を比較した研究が最近発表されました。
韓国人の調査なので日本人にも当てはまるかは議論のあるところですが、信頼性は高い研究だと思われます。
『All-Cause and Cause-Specific Mortality Risks Associated With Alopecia Areata』
これは2019年5月にJAMA NetworkでSolam Lee, MD達が発表したものです。
約7万3千人の円形脱毛症の患者さんと約73万人の円形脱毛症ではない方とを韓国の人口統計を元に比較したのです。
確かに2つのグループには全体の死亡率として違いはありませんでした。
しかし、年齢や性別を分けて詳しく比較してみると違いがあったのです。
円形脱毛症の患者さんは自傷行為や精神疾患による死亡が多いのです。
また、喫煙による肺がんなどの疾患による死亡率も高いのです。
この結果だけでは円形脱毛症が原因となって自傷行為を行ったり、精神疾患になり死んでしまったのかどうかは分かりません。
その逆の可能性もあります。
自傷行為を行う患者さんや精神疾患の患者さんが円形脱毛症になりやすかったのかもしれません。
それでも、もし円形脱毛症が原因で死んでしまうとすれば、このように精神的に追い詰められて死んでしまう可能性があるということです。
また、喫煙に逃げるのも肺がんなどの良くない結果になってしまう可能性が高いです。
この結果を見ると円形脱毛症が原因でこれ以外の悪い病気になって死んでしまうことはないようです。
反対に糖尿病に関しては円形脱毛症の患者さんの方が死亡率は低かったようです。
これに関してはどう考えていいのかは分かりません。
円形脱毛症の治療方法の大きな考え方とは??
円形脱毛症は精神的にダメージが大きく、そのために死んでしまうことはあるのかもしれません。
特に若い方ほど精神的なダメージが大きく死亡率が大きいようです。
しかし、それ以外の理由で円形脱毛症が原因になって死んでしまうことはなさそうです。
これで一安心は出来るのですが、治療を遅らせてよい理由にはなりません。
円形脱毛症の治療で大切なのは早期の治療です。
自己免疫が確立する前に早めに治療を開始するのが最も効果的です。
治療のアプローチとしては以下の3つがあります。
①攻撃を止めさせる
ステロイド外用薬、ステロイド皮下注射、ステロイド内服など
これにはステロイドが効果的です。
行いやすいのはステロイド外用薬です。
外用薬ですと副作用も少なく安心して治療できます。
ステロイドには皮下注射という方法もあります。
これは効果的ですが、痛みを伴い皮膚の萎縮などの合併症もあります。
また、治療面積が大きくなるとステロイドが全身に効いてしまうため限界もあります。
②防御力を上げる
セファランチン内服、ミノタブ内服、超高濃度ミノキシジル外用薬など
毛包に何かしらの異常があるために自己免疫によって攻撃されている可能性があります。
そのために毛包組織をしっかりと育て上げる必要があります。
この方法としては古くからセファランチンの内服が行われてきました。
セファランチンはタマサキツヅラフジ抽出アルカロイドです。
つまり植物から抽出した有機化合物です。
これは血流を良くして毛包を育てているのでしょう。
最近ではAGAに使用されているミノキシジルも使われます。
これはミノタブと呼ばれる内服薬を使う方法とクリニック処方の超高濃度ミノキシジル外用薬を使う方法があります。
ミノキシジルの毛包の肥大化の力は圧倒的です。
このようにして毛包の防御力を高め免疫を抑えていくのが円形脱毛症の基本的な治療の考え方となります。
③攻撃を抑え防御力を高める
局所的免疫療法、メソセラピー局所免疫療法など
円形脱毛症には局所免疫療法という非常に効果的な治療方法があります。
これは試薬を用いて、かぶれさせることによって毛包に対する攻撃を忘れさせる方法だと説明されることが多いです。
実際のところはどのように作用して効果を発揮しているのかは分かっておりません。
この説明のように攻撃側だけに作用しているとは限りません。
つまり攻撃と防御の両方に作用している可能性が高いのです。
駅前AGAクリニックが独自に発見したメソセラピー局所免疫療法はその進化系と考えてよいでしょう。
攻撃を局所で抑え込み、毛包を正常化させるのです。
攻撃と防御のバランスを一新するこの治療方法は従来のステロイド主体の攻撃を抑えこむような治療方法では治せなかった難治性の円形脱毛症をも治すことが出来る可能性を秘めているのです。
これはステロイドによる副作用がほとんどない画期的なバランス型の治療方法です。
そのため、非常に安全に円形脱毛症の治療を行うことができます。
メソセラピー局所免疫療法を行うことが出来るのは駅前AGAクリニックのみです。
他院で治療が困難だった患者さまも是非、一度メソセラピー局所免疫療法をお試しになられて下さい。