円形脱毛症は遺伝するのか!?ついに原因遺伝子を同定!

円形脱毛症の遺伝子

実は円形脱毛症の原因はほとんど分かっておりません。

原因には色々な説があるものの何も証明されていないのです。

しかし、今年になって遺伝子解析と遺伝子編集技術を使うことで、原因となる遺伝子の存在の証明に成功しました。

今回は駅前AGAクリニックの医師が円形脱毛症の原因について解説します。

円形脱毛症の原因とは?

円形脱毛症は毛包組織に対する自己免疫疾患です。

これは毛の根元の組織を自分の免疫が攻撃しているということです。

円形脱毛症の毛髪を観察すると、ちぎれるようにして抜けていることが分かります。

あきらかにAGAとは違う抜け方であるため診断は簡単なのです。

拡大して観察すると毛髪が折れていたり、皮膚の中でちぎれて黒点として観察されます。

手で引っ張ると簡単に抜けてきます。

ひどい場合は診察室の机が毛だらけになってしまいます。

原因としてHLA(Human Leukocyte Antigen,ヒト白血球抗原)の対立遺伝子が怪しいとされていましたが、その発症リスクを高める遺伝子自体は見つかっていませんでした。

しかし、顕微鏡で詳しく観察すると毛包周囲にリンパ球を主体とした密な浸潤が観察されるのです。

つまり、免疫に関わる細胞が集まっているということなのです。

また、円形脱毛症は他の自己免疫疾患との合併が多いのです。

これらのことから円形脱毛症は自己免疫疾患だということまでは分かっていました。

本当に遺伝子が悪いのか?

順天堂大学大学院医学研究科皮膚科学・アレルギー学の池田志斈 教授と東海大学総合医学研究所の岡 晃 講師らの共同研究グループの研究によって、今年その遺伝子の一つが同定されました。

円形脱毛症の患者さんと健常者の方の血液からゲノム遺伝子を抽出して比較を行ったのです。

その結果、CCHCR1という遺伝子にアミノ酸置換があることが分かったのです。

(アミノ酸置換とは・・・塩基配列が変わったことにより、あるアミノ酸からほかのアミノ酸に置き換わる現象)

この研究はこれだけでは終わりません。

なんとこの遺伝子をマウスに導入したのです。

するとマウスで人と同じような円形脱毛症が起きることが確認されました。

長年期待されていた円形脱毛症の原因となる遺伝子を同定することに成功したのです。

この円形脱毛症のリスク遺伝子がある場合、毛髪のキューティクルに変化が現れるようです。

キューティクルが毛羽立ち、毛髪の表面がギザギザになるのです。

この異常な毛髪が何かの拍子に自己免疫に異物と認識されるのでしょう。

このようにして円形脱毛症は一気に悪化するのです。

キューティクル

世界初、円形脱毛症の原因遺伝子を同定|順天堂 (juntendo.ac.jp)より引用

円形脱毛症が遺伝子疾患なら脱毛は治ることはないのでしょうか?

このCCHCR1遺伝子を持つ患者さんでは円形脱毛症は治らないということなのでしょうか。

いいえ、そういう訳ではありません。

この遺伝子は円形脱毛症の重症な患者さんにある遺伝子です。

しかし、重症な患者さんでも円形脱毛症は急に治ることがあります。

全頭型や汎発型円形脱毛症のような最重症タイプであっても数パーセントの患者さんは自然に治ることが知られています。

つまり、あくまでこれは重症化しやすい遺伝子だということができます。

何かのきっかけで自己免疫が正常化することがあるのです。

重症型の円形脱毛症は素因ときっかけという二つの要因で成立しているのではないでしょうか。

最近では重症型円形脱毛症も早く治療を開始することで予後が改善することが分かって来ています。

自己免疫の暴走を治療で治すことが出来るのです。

円形脱毛症にはさまざまや薬剤が現在開発中ですので今後の成果が期待されています。

新しい円形脱毛症の治療方法、メソセラピー局所免疫療法とは?

全頭型全頭型

当院はメソセラピー局所免疫療法という治療方法を開発しました。

これは当院のオリジナルの治療方法です。

円形脱毛症の遺伝子に働きかけているというより、発症のきっかけを解除するような治療方法です。

ひょっとしたら、上記の異常なキューティクルが正常化しているのかもしれません。

これはステロイドに頼ることがなく、ステロイド以上の治療成績なのです。

メソセラピー局所免疫療法の治療メカニズムが詳細に分かっているわけではありませんが、劇的な治療効果があることが分かって来ました。

特に発症からの経過が短い方にはよく効く傾向が強いです。

全頭型や汎発型円形脱毛症のような最重症型に移行する多くの人は急激に進行していきます。

このような患者さんでもすぐに来院してくださった場合はほとんどの方で治療に成功しております。

発症から10年以上経過しているような患者さんの場合は時間が必要になります。

発症から半年以内に治療を開始するのが理想的と言えます。

いかに早く治療を始めるかがその後の予後に多大な影響をもたらすということが当院の症例の蓄積から分かってきているのです。

メソセラピー局所免疫療法を施術できるのは駅前AGAクリニックだけですので、他院で治療中で治療効果がない方はご検討いただければと思います。

治療内容 メソセラピー局所免疫療法
治療の説明 再生医療による毛髪再生療法。
治療の副作用 頭皮の赤み(数日)、軽度の痛み、ほてりなど。
治療費の概算 40,000円~70,000円/1回(税抜)※治療回数により変動。
治療内容 ミノキシジル、アンテベート
治療の説明 強い毛髪を育て、免疫の攻撃を抑える治療。
治療の副作用 むくみ、動悸、体毛、かぶれなどがみられる場合があります。
治療費の概算 3,000円~23,000円/1ヶ月(税抜)※処方内容により変動。
執筆者
田坂洋介
2005年3月 昭和大学医学部卒業
2005年4月 昭和大学医学部付属初期臨床研修センタにて初期臨床研修開始
2007年4月 川崎市立川崎病院 麻酔科後期研修開始
2009年4月 麻酔科標榜医取得
2015年4月 大手毛髪専門クリニックで多数の症例を経験
2017年12月 駅前AGAクリニック大阪梅田院院長
資格:医師免許、麻酔科標榜医、麻酔科学会専門医、麻酔科学会指導医

駅前AGAクリニック【全国13院 東京新宿院東京北千住院京都烏丸院大阪梅田院岡山院鹿児島院 など】

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