デルゴシチニブ(コレクチム軟膏®)は円形脱毛症に効く!?

コレクチム軟膏

重症の円形脱毛症の治療にヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬の内服薬を使用することがあります。

JAK阻害薬の内服薬は円形脱毛症にかなり効果的です。

しかし、その副作用の大きさから積極的におすすめできるものではありませんでした。

2020年6月に日本たばこ産業株式会社が開発したJAK阻害薬が鳥居薬品株式会社から発売されました。

これがコレクチム軟膏です。

従来からあるようなJAK阻害薬の内服薬ではなく軟膏という剤形の画期的な薬剤です。

軟膏であれば内服薬にあるような重大な副作用を回避できます。

そのためコレクチム軟膏は非常に安全に使用することができると想像できます。

このコレクチム軟膏は円形脱毛症のブレイクスルーとなり得るのでしょうか。

円形脱毛症の治療に携わる医師が解説します。

コレクチム軟膏はアトピー性皮膚炎の新しい外用治療薬です。

現在、コレクチム軟膏は16歳以上のアトピー性皮膚炎患者さんに使用が可能です。

この場合の使用方法は1日2回、適量を患部に塗布します。

1回あたりの塗布量は5 gまで(1日あたりの塗布量は10 gまで)となっています。

アトピー性皮膚炎は増悪と軽快を繰り返すそう痒のある湿疹を主病変とする疾患です。

アトピー性皮膚炎の治療も円形脱毛症と同じく基本的に長く行うことになり安全性の高い薬剤が求められていました。

そこにこのコレクチム軟膏が登場したことでアトピー性皮膚炎の治療が変わろうとしています。

しかし、残念ながら円形脱毛症の認可はまだされておりません。

円形脱毛症にもコレクチム軟膏が効くのどうかまだ分かっていないからです。

現在はコレクチム軟膏はアトピー性皮膚炎にも安全に使える軟膏だということまで分かっています。

JAK阻害薬って何だろう?

ヤヌスキナーゼ

以下、コレクチム軟膏のホームページからの引用です。

ヤヌスキナーゼ(JAK)は、サイトカイン受容体に会合するチロシンキナーゼで、JAK1、JAK2、JAK3、Tyk2の4種類があります。

通常、受容体に2分子のJAKが会合します。サイトカインが受容体に結合し、JAKがリン酸化され活性型になります。

活性化したJAKは近傍のSTATをリン酸化します。

リン酸化されたSTATは二量体を形成し、核に移動し、遺伝子発現を調節します。

JAK/STAT経路は、アトピー性皮膚炎の病態形成にかかわる種々のサイトカインと成長因子のシグナル伝達にかかわり、とくにTh2型炎症反応の促進、好酸球の活性化、制御性T細胞の抑制などの免疫調節、皮膚のバリア機能低下にかかわっています。

コレクチム軟膏ってなんだろう?

コレクチム軟膏

本剤は,ヤヌスキナーゼファミリー(JAK1,JAK2,JAK3及びTyk2)のキナーゼをすべて阻害することによりアトピー性皮膚炎に関連する種々のサイトカインシグナル伝達を阻害します。

本作用機序に基づき,サイトカインにより誘発される免疫細胞及び炎症細胞の活性化を抑制して皮膚の炎症を抑制します。

また,サイトカインにより誘発される掻破行動(そう痒)及び皮膚バリア機能関連分子の発現低下を抑制します。

コレクチム軟膏は円形脱毛症に効くのだろうか!?

JAK阻害薬が円形脱毛症に効くという文献は数多くあります。

トファシチニブ(ゼルヤンツ®)やバリシチニブ(オルミエント®)などでの治療成績が有名ですが、それ以外のJAK阻害薬も注目を集めています。

基本的にJAK阻害薬を内服すると薬剤が全身に作用してしまいます。

そのため副作用の問題が生じてしまいます。

一方、軟膏であるコレクチムはその心配がなさそうです。

ヤヌスキナーゼにも上で解説したように数種類が存在します。

面白いことにコレクチム軟膏(デルゴシチニブ)は全てのタイプのヤヌスキナーゼを阻害するJAK阻害薬です。

トファシチニブ(ゼルヤンツ®)やバリシチニブ(オルミエント®)のような作用を持つ可能性が高く、円形脱毛症を治療できる可能性があると私は想像します。

実際に頭部の円形脱毛症と眉毛の円形脱毛症に対しての臨床試験が現在行われています。

この結果がどうなるのか非常に興味深いですね。

効果があるかどうかはまだはっきりしていませんが安全性の高い軟膏ですし、フライングで円形脱毛症の治療に使っても良いのではないでしょうか。

駅前AGAクリニックでのコレクチム軟膏の立ち位置は・・・

治療メニューの中ではやはりメソセラピー局所免疫療法の治療成績が一番良いです。

発症から早い段階で治療を始められた患者さまはこれでほぼ治ってしまいます。

そのため治療の第一選択はメソセラピー局所免疫療法で間違いはありません。

しかし、治療難易度が最も高い患者さまではさらにコレクチム軟膏を使用する方法もあるのではないかと考えます。

例えば、発症から数十年経過されている方はメソセラピー局所免疫療法を行っても反応が悪いことが多いです。

このような症例にコレクチム軟膏を併用すると治療効果を上乗せできる可能性があります。

また、副作用が出ないのであれば、もっと早い段階で使うのもありなのかもしれません。

今回は医学の進歩が加速していると感じるJAK阻害薬のお話でした。

POINT
  • 円形脱毛症にコレクチム軟膏が効く可能性がある。
  • 駅前AGAクリニックではメソセラピー局所免疫療法も行っている。
  • 駅前AGAクリニックは重症の円形脱毛症の患者さまの治療も可能です。
執筆者
田坂洋介
2005年3月 昭和大学医学部卒業
2005年4月 昭和大学医学部付属初期臨床研修センタにて初期臨床研修開始
2007年4月 川崎市立川崎病院 麻酔科後期研修開始
2009年4月 麻酔科標榜医取得
2015年4月 大手毛髪専門クリニックで多数の症例を経験
2017年12月 駅前AGAクリニック大阪梅田院院長
資格:医師免許、麻酔科標榜医、麻酔科学会専門医、麻酔科学会指導医

駅前AGAクリニック【全国12院 東京新宿院東京北千住院京都烏丸院大阪梅田院岡山院鹿児島院 など】

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