頭皮にニキビができる原因は?悪化させない対策とニキビへの注意点も解説

頭皮に触れていたら、ニキビができていたという経験をお持ちではありませんでしょうか。気が付かずに潰してしまい、痛い思いをした方もいらっしゃるかもしれません。

あまりにも頻繁に頭皮のニキビができる場合、何らかの皮膚疾患を発症しているのか心配になるだけでなく、薄毛に繋がるのではないかと不安に思われることもあるでしょう。

こちらのページでは、頭皮にニキビができる原因や病気の可能性、ニキビがある時にやってはいけないこと、およびニキビの予防法などについて詳しく解説しています。

— 目次 —

頭皮にニキビができて痛い…その原因は?

顔にできたニキビは鏡で見つけやすいのですが、頭皮のニキビは触ってみるまで気づかないこともあります。それでは、なぜ頭皮にニキビができるのでしょうか。

アクネ菌の増加

ニキビはアクネ菌が増加することでできやすくなります。アクネ菌は正式名称をプロピオニバクテリウム・アクネスといい、もとから私たちの皮膚に棲んでいる常在菌の1種です。

菌と言った場合、不潔な印象を持たれる方もいらっしゃるでしょうが、常在菌には皮膚の表面を弱酸性に保ったり、病気の原因となる細菌の繁殖を抑止したりする重要な働きがあります。

アクネ菌も本来は善玉の細菌であり、肌を守るために必要な細菌の1つです。常在菌は身体に40兆から100兆いるとされており、それぞれがバランスを取り合って共存しています。

ところが、何らかの原因によって常在菌のバランスが崩れ、アクネ菌が増殖すると、ニキビの原因となる遊離脂肪酸が産生されやすくなるのです。

ストレスやホルモンバランスの乱れによる皮脂の増加

アクネ菌は本来善玉の細菌なのですが、皮脂をエサとして増殖する特徴があるため、皮脂が過剰に分泌された場合、アクネ菌の増殖に伴ってニキビができやすくなります。

皮脂が増加する原因としては、ホルモンバランスの乱れや、ストレスが挙げられます。思春期の男性にニキビが多く見られるのは、男性ホルモンの1種であるジヒドロテストステロン(DHT)が産生されやすくなるからです。

ストレスも皮脂の分泌量を増加させる原因とされています。大手化粧品メーカーの調査によると、ストレス状態が継続した場合、皮脂の分泌量を増大させることが分かっています。

ターンオーバーの乱れによる毛穴のつまり

ニキビができるには、アクネ菌の増殖と皮脂の増加に加えて、毛穴の詰まりも必要条件です。

毛穴が詰まると、毛穴の内部に皮脂が溜まり、アクネ菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。毛穴が詰まる原因としては、ターンオーバー(皮膚の新陳代謝)の乱れや、誤ったスキンケアなどが挙げられます。

頭皮のニキビを防ぐためには

頭皮のニキビは、皮脂の過剰な分布や毛穴の詰まりに伴い、アクネ菌が異常繁殖することで起こります。では、頭皮のニキビを防ぐため、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。

生活習慣を改善し、食事・睡眠をとる

頭皮のニキビを防ぐためには、生活習慣を改善して、食事や睡眠をとることが重要です。頭皮のニキビは、ターンオーバーの乱れに伴う、毛穴の詰まりによってできやすくなります。

ターンオーバーとは、皮膚の新陳代謝を意味します。個人差はありますが、ターンオーバーは年齢×1. 5日周期で起こるとされています。

私たちが単に皮膚といった場合、表皮を指すケースがほとんどですが、表皮は角層、顆粒層、有棘層、基底層の4層構造となっており、基底層で作られた角層が上方へと押し上げられ、十数層からなる角層を構成しています。

皮膚の表面にまで押し上げられた角層はやがて剥がれ落ち、下から新しい角層が顔を出します。剥がれ落ちた角層のことを垢やフケと呼んでいる訳です。

ところが、ターンオーバーの乱れによって、本来剥がれ落ちるべき角層が表皮に留まると、表皮が分厚くなり、皮脂や汚れが毛穴に詰まりやすくなるのです。

ターンオーバーの乱れは睡眠不足や栄養不足で起こりやすくなるため、普段から食事や睡眠をとることが求められるのです。

弱酸性のシャンプーを使い、適切なヘアケアをする

頭皮のニキビを防ぐためには、弱酸性のシャンプーを使い、適切なヘアケアをすることも重要です。

市販のシャンプーには洗浄力が強すぎる商品も少なくありません。洗浄力が高いのは良いことのように思われがちですが、頭皮環境を悪化させる原因ともなるため注意が必要です。

皮脂には頭皮を外部の刺激から守る働きもあるのですが、洗浄力が強すぎるシャンプーで洗髪すると、頭皮を守るべき皮脂まで洗い流してしまいます。

頭皮を守るべき皮脂がなくなり、頭皮の表面が乾燥しすぎると、かえって皮脂の分泌量が増大して、ニキビのリスクが高くなるのです。

また、シャンプーをした後、自然乾燥させていると、頭皮や髪の毛が湿っている時間が長くなり、細菌繁殖の温床になってしまいます。普段から弱酸性のシャンプーで洗髪して、髪の毛を洗った後はドライヤーで乾かすよう意識しましょう。

枕カバーを清潔に保つ

枕カバーを清潔に保つことも、頭皮のニキビを防ぐためのポイントです。枕カバーは頭皮に直接触れる場所なので、定期的に洗っておかないと、アクネ菌のエサとなる皮脂が付着してしまいます。

紫外線から頭皮を防ぐ

頭皮のニキビを防ぐためには、紫外線から頭皮を守ることも重要です。頭皮が紫外線にさらされると表皮が乾燥し、かえって皮脂の分泌量が増大します。

また、紫外線には物質を破壊する強い力があるため、頭皮が紫外線にさらされると頭皮環境が悪化し、ターンオーバーにも悪影響を及ぼします。

早めにニキビ用の薬を使う

ニキビはある日突然できるものではなく、毛穴の奥で徐々にでき始めるものです。このため、発生し始めたタイミングで早めにニキビ用の薬を使うと、頭皮のニキビを防ぐことが可能です。

頭皮のニキビが悪化するNG行動

頭皮のニキビができた場合、不用意な対応をすると、かえってニキビが悪化したり、痛みが増したりする結果となる恐れもあります。そこで、頭皮のニキビが悪化するNG行動について紹介します。

頭皮ニキビを潰す、触る

頭皮のニキビに限ったお話ではありませんが、皮膚にできものができると、ついつい気になって触ってしまう方が少なくありません。

ただ、私たちの手には無数の雑菌が付着しているため、不用意にニキビを触ってしまうと、かえって雑菌が繁殖し、炎症状態を悪化させる可能性があります。

また、ニキビを潰してしまうと痛みが強くなるだけでなく、頭皮に傷をつけてしまい、治るまでに時間が掛かってしまいます。

髪の毛を1日に2回以上洗う

頭皮にニキビができると、頭皮を清潔に保つため髪の毛を必要以上に洗うケースがあります。頭皮を清潔に保つのは確かに重要なのですが、髪の毛を1日に2回以上洗うと、頭皮を守るべき皮脂まで洗い流してしまいます。

頭皮を守るべき皮脂が奪われると、頭皮の表面が乾燥するため、かえって皮脂の分泌量が増大します。皮脂の量が増えると、皮脂をエサとして繁殖するアクネ菌が増殖し、さらなるニキビのリスクを高めてしまうのです。

夏場の汗がどうしても気になるような場合は、シャンプーを使わず、お湯だけで洗髪すると良いでしょう。髪の毛や頭皮の汚れの大半は、お湯で洗うだけで落ちるものです。

ドライヤーで髪を乾かさない

頭皮のニキビができやすい方の中には、ドライヤーで髪の毛や頭皮を乾かさず、自然乾燥させている方もいらっしゃいます。

髪の毛や頭皮が濡れた状態を続けると、湿気を好む雑菌が繁殖し、炎症性の皮膚疾患を発症する可能性を高めます。

また、濡れた髪の毛はキューティクルが開いた状態となっており、外力に弱くなっています。このため、切れ毛や抜け毛のリスクを高める結果にも繋がりかねません。

通気性の悪い帽子をかぶる

通気性の悪い帽子を被ることも、ニキビが悪化するNG行動です。洗髪後にドライヤーを掛けない場合と同様、通気性の悪い帽子を被ることも、雑菌が繁殖しやすい環境を整えることになります。

紫外線から頭皮を守りたいのであれば、帽子ではなく日傘を利用すると言った方法があります。どうしても帽子を被らなければならない場合、通気性の良い帽子を選ぶか、定期的に帽子を脱ぎ、頭皮を湿気から守るようにしましょう。

頭皮のニキビが治らない…病気の可能性も

適切なスキンケアや正しい洗髪を行っても頭皮のニキビが治らない場合、何らかの病気を発症している可能性も疑われます。そこで、頭皮のニキビを生じる可能性がある皮膚の病気を4つ紹介します。

脂漏性皮膚炎

頭皮のニキビが治らない場合、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)を発症している可能性が疑われます。脂漏性皮膚炎は、アクネ菌と同様、常在菌の1種であるマラセチアが繁殖することで起こります。

マラセチアも皮脂をエサとして増殖するため、皮脂の分泌量が増えると、脂漏性皮膚炎の発症リスクが高くなるのです。

脂漏性皮膚炎は皮脂の分泌量が多い箇所であればどこでも起こりうるのですが、頭皮は身体の中でも特に皮脂の分泌量が多い箇所であるため、脂漏性皮膚炎を発症しやすいのです。

脂漏性皮膚炎の発症初期には痒みがないことも多く、発症に気づくのが遅れることも珍しくありません。また、脂漏性皮膚炎は自然には治りにくい皮膚疾患でもあります。

乾癬

乾癬(かんせん)もニキビが治らない時に疑われる皮膚疾患の1つです。乾癬は外部からの刺激を受けやすい場所にできる傾向にあり、肘や膝以外に、頭皮にできることも少なくありません。

乾癬を発症した場合、皮膚が赤く腫れて盛り上がり、鱗屑(りんせつ)と呼ばれる、銀白色のフケのようなものができやすくなります。

乾癬ができるような頭皮環境を続けているとニキビもできやすくなるだけでなく、乾癬の治療薬の副作用でニキビができることもあります。

毛嚢炎

毛嚢炎(もうのうえん)は毛包炎と呼ばれることもある皮膚疾患で、細菌感染によって毛穴の奥(毛包)に炎症を起こして、膿を持った発疹が見られやすくなります。

脂漏性皮膚炎の原因菌であるマラセチアが毛穴の奥で繁殖した場合、マラセチア毛包炎を発症して、膿を持った発疹ができやすくなります。ニキビもある意味では毛嚢炎の1種と言えます。

毛嚢炎の原因菌としては、黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌ですが、管理されていない入浴施設では、緑膿菌によって感染するケースもあります。

化膿性汗腺炎

化膿性汗腺炎(かのうせいかんせんえん)は慢性膿皮症とも呼ばれており、皮膚が赤く腫れたり、膿を持って腫れたりするのが特徴です。

化膿性汗腺炎を引き起こす原因については、ハッキリとしたことがよく分かっていません。一説ではターンオーバーの乱れにより毛穴が詰まることで、化膿性汗腺炎の発症リスクが高くなると考えられています。

頭皮のニキビが原因で抜け毛が増える??

頭皮のニキビに悩まされている方の中には、ニキビが原因で抜け毛が増えるのではないか、心配な方もいらっしゃるかもしれません。

結論から申し上げますと、ニキビが直接的な原因となって抜け毛が増えることはありません。しかし、ニキビができるような頭皮環境を続けていると、抜け毛を引き起こす皮膚疾患を発症する可能性はあります。

また、ニキビを引っ掻くなどして頭皮が傷ついた場合、髪の毛の成長に悪影響を及ぼす可能性も考えられます。このため、ニキビができるような頭皮環境を改善することが重要です。

まとめ

頭皮のニキビは、皮脂の分泌量増加と毛穴の詰まりといった条件に、アクネ菌の増殖が加わることで、発症リスクが高くなります。
このため、ニキビを予防するためには生活習慣を改善して、食事・睡眠をとることが重要です。また、正しいヘアケア法を理解して、頭皮を清潔に保つことが求められます。
ニキビができるような頭皮環境を続けていると、皮膚疾患に伴って抜け毛を引き起こす可能性もあります。ニキビがなかなか治らないようであれば、専門家に相談することも忘れないようにしましょう。
薄毛・抜毛などの髪の毛や頭皮に関するトラブルは、駅前AGAクリニックにご相談ください。

監修者
田坂 洋介

駅前AGAクリニック【全国13院 東京新宿院東京北千住院京都烏丸院大阪梅田院岡山院鹿児島院 など】

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