脱毛症とは?原因や種類ごとの特徴を知って今後の治療を考えよう


抜け毛はだれにでもある程度は毎日のように見られるものです。しかし、排水溝に詰まる髪の毛の量が多くなってきたり、ドライヤーの後に床に散らばっている髪の毛が増えたりすると、なにかの病気ではないかと心配になる方もいらっしゃることでしょう。


こちらの記事では、脱毛症の種類や原因およびその特徴について詳しく解説しています。脱毛症が気になる方や、脱毛症を改善したいと考えている方はぜひ参考にしてみて下さい。

— 目次 —

脱毛症とは


脱毛症と言った場合、頭皮に起こる抜け毛をイメージされる方も多いのではないでしょうか。実際には身体のあらゆる部分に起こる抜け毛を脱毛症(もしくは脱毛)と呼んでおり、必ずしも病気が原因という訳ではありません。


ただ美容上のお悩みとされる脱毛症は、頭皮に起こる脱毛症(専門的に禿頭と呼んでいます)であることが多いため、こちらの記事でも頭皮に起こる脱毛症を取り上げています。


人間の髪の毛はヘアサイクルと呼ばれる周期で、抜けたり生え替わったりを繰り返しています。脱毛症とは、髪の毛が生えてくる本数と比べて、抜け落ちる髪の毛の本数が増えている状態を意味します。


脱毛病ではなく脱毛症という字が当てられていることからも分かるように、脱毛症は病名ではなく症状名です。そのため、抜け毛が起こっている原因を突き止め、適切に対処することが重要です。

脱毛症のセルフチェック


日本人の毛髪はおよそ10万本あるとされますが、そのうちの50本から100本はヘアサイクルにともなって毎日のように抜け落ちるものです。では、どのようなときに脱毛症の発症が疑われるのでしょうか。以下のチェックリストを確認してみましょう。

  • 排水溝に詰まる髪の毛の量が増えてきた
  • ブラッシングのときに抜ける髪の毛が多い
  • 髪の毛全体のボリュームが減少してきた
  • シャンプーをしたときに地肌が透けて見えるようになってきた
  • 前髪をかき上げてみるとおでこが以前よりも広くなった気がする
  • 額の両サイドが剃りこみを入れたようになっている
  • 生え際部分の産毛が目立つようになってきた
  • 手櫛をしただけで髪の毛が抜けることがある
  • 髪の毛が細く弱弱しくなってきた
  • つむじまわりの地肌が広範囲で見えるようになってきた
  • 頭からの汗が顔に垂れやすくなってきた
  • 気が付くと頭皮をよく掻いている
  • 頭皮のベタつき(もしくは乾燥)が気になる


以上の点に当てはまる項目が多ければ多いほど、脱毛症を発症している可能性が高いと考えられます。

脱毛症の原因


冒頭でもお話したように、脱毛症は抜け毛の量が増えている状態を意味します。では、なぜ抜け毛の量が増えてしまうのでしょうか。脱毛症の主な原因としては、以下のような例が挙げられます。

  • ホルモンバランスの乱れ
  • 頭皮にダメージを与える生活習慣や髪型
  • 病気の治療に用いている医薬品
  • ストレス
  • 免疫系の異常


脱毛症が起こる主要な原因の1つとして、ホルモンバランスの乱れが挙げられます。男性に見られる代表的な薄毛であるAGA(男性型脱毛症)も、ホルモンバランスの乱れが原因となって起こります。


最近は女性でも薄毛に悩まされる方が増えていますが、更年期などにホルモンバランスが乱れると、FAGA(女性男性型脱毛症)を発症しやすくなることが分かっています。


また頭皮にダメージを与える生活習慣(誤ったヘアケアなど)や、髪型(いつも同じ場所で髪の毛を結ぶ)を続けていると、髪の毛の成長を阻害し抜け毛の量が増える傾向にあります。その他、ストレスや病気、医薬品などが原因で、抜け毛の量が増えるケースもあります。

脱毛症の主な種類


脱毛症には様々な種類があるのですが、ここでは男性や女性に多く見られる主な脱毛症をご紹介しています。思い当たる節のある方は、なるべく早めに専門家に相談しましょう。

円形型脱毛症


円形脱毛症は、免疫系の異常によって起こる脱毛症の一種です。円形脱毛症には次のような種類があります。


単発型

コイン大の脱毛斑が1つ見られる

多発型

コイン大の脱毛症が複数個見られる

蛇行型

後頭部から耳の横にかけ、蛇が這ったような脱毛斑が見られる

全頭型

頭部全体に抜け毛が見られる

汎発型

髪の毛だけでなく全身の体毛が抜け落ちる


単発型の円形脱毛症の場合、特に治療をしなくてもおよそ8割が自然回復するといったデータもあります。脱毛範囲が広がれば広がるほど、治療に時間が掛かり、完治が難しくなる傾向にあります。

男性型脱毛症(AGA)


男性型脱毛症(AGA)は、男性に見られる薄毛の大半を占める脱毛症です。男性型脱毛症は大きく分けると、次の3タイプに分類されます。


M字型

額の生え際が両サイドから後退し、アルファベットのMのような見た目になる

O字型

つむじまわりの抜け毛が増え、地肌がアルファベットのOのように見える

U字型

額の生え際が全体的に後退し、アルファベットのUのような見た目になる


AGAには進行型という特徴があるため、発症が疑われる場合、なるべく早めに対処する必要があります。

びまん性脱毛症(女性型)


びまん性脱毛症は、女性に見られる代表的な脱毛症の1つです。びまん(瀰漫)には、広がるとか蔓延るとかいった意味があります。男性のように額の生え際が後退したり、頭頂部が禿げ上がったりすることはほとんどありません。


どちらかと言うと、髪の毛全体のボリュームが減少したり、1本1本の髪の毛が細くなったりといった様相を呈します。びまん性脱毛症は主にホルモンバランスの乱れが原因で起こります。中高年以降に多く見られるのも特徴です。

全身脱毛症


汎発型の円形脱毛症と似た症状に全身脱毛症があります。全身脱毛症を発症した場合、髪の毛はもちろんのこと、眉毛やまつげ、ヒゲを始めとする体毛がすべて抜け落ちてしまいます。


全身脱毛症のハッキリとした原因は分かっていないのですが、免疫系の異常によって自分の毛包が攻撃されるからではないかと考えられています。円形脱毛症の治療薬があまり効かないことから、汎発型の円形脱毛症と区別されています。

分娩後脱毛症


分娩後脱毛症はその名の通り、出産後の女性に多く見られる脱毛症です。分娩後脱毛症には次のような特徴があります。


発症時期

出産後2~3ヶ月頃がピーク

好発部位

全体的に髪の毛が抜け落ちて、地肌が目立ちやすくなる

回復期間

出産後半年から1年ほどすると自然に治るケースが多い

発症割合

出産経験がある女性のおよそ8割


分娩後脱毛症は出産経験がある女性のおよそ8割に見られる脱毛症で、それほど珍しい症状ではありません。半年から1年ほどすると自然に治る傾向にありますが、あまりにも抜け毛の量が多いときは、専門医に相談すると良いでしょう。

薬剤の脱毛


脱毛症は、何らかの病気を治療するための薬剤が原因となって発症するケースもあります。脱毛症をもたらす代表的な治療薬としてはガンの治療薬がよく知られています。


癲癇や痛風、リウマチ、高血圧、不整脈、脂質異常症などの治療目的で用いられる薬剤が脱毛症を引き起こすケースもあります。ただし、抜け毛が見られるからと言って自己判断で薬の量を減らしたり、服用をやめたりすることは厳禁です。医師に必ず相談するよう心がけましょう。

感染症の脱毛


何らかの感染症に罹患することが原因で、脱毛が起こるケースもあります。代表的な感染症としては、白癬性脱毛(水虫を引き起こす細菌に頭皮が感染する)や、梅毒性脱毛などが挙げられます。


中でも白癬性脱毛を発症した場合、円形脱毛症と似たような脱毛斑を生じるため、自己判断で放置しないようにしましょう。早めに治療を行わないと、抜け毛の範囲が広がったり、頭皮が化膿したりする恐れもあります。

膠原病の脱毛


脱毛症の原因としては膠原病も挙げられます。抜け毛をもたらす代表的な膠原病としては、全身性エリテマトーデス(SLE)や全身性(および限局性)強皮症、皮膚筋炎、シェーグレン症候群などが挙げられます。


抜け毛以外にも全身の倦怠感や関節の痛み、慢性的な微熱体重の減少、筋肉痛といった症状があらわれます。特に思い当たる節もないのに上記のような症状が見られる場合、できるだけ早く専門医に見てもらうことが重要です。

抜毛症(トリコチロマニア)


脱毛症を引き起こす原因の1つとして、抜毛症(トリコチロマニア)も挙げられます。抜毛症は簡単にいうと、自分で自分の髪の毛や体毛を引き抜いてしまう症状のことです。人口のおよそ1〜2%に見られる精神障害の一種で、発症する方の大半を女性が占めています。


抜毛行為に至る直前までストレスや不安を抱えており、毛を抜くことで精神的な安静を得られる点が特徴です。抜毛を止めようとしてもやめられない場合、抜毛症を発症している可能性が高いと考えられます。

AGA治療に関するご相談なら


脱毛症は必ずしも病気が原因で起こるとは限りません。脱毛症の原因としては、ホルモンバランスの乱れや頭皮にダメージを与える生活習慣および髪型、ストレス、何らかの医薬品、免疫系の異常など様々な原因が挙げられます。


そのため自分の抜け毛や薄毛がなぜ起こっているのか、原因を特定することが極めて重要です。原因を特定せずに自己判断で育毛剤を使用していても、薄毛が改善しないどころか、かえって悪化してしまう恐れもあります。


脱毛症が心配な方は、まず専門医に相談するよう心がけましょう。新宿AGAクリニックでは、男性の薄毛はもちろんのこと、女性の薄毛や円形脱毛症の治療にも取り組んでいます。


カウンセリングは無料で行っていますので、髪の毛や頭皮に関するお悩みや、治療方法や費用に関する質問など、カウンセラーまで何でもご相談下さい。早期の治療開始が早期回復に繋がります。

監修者
大藪 顕

駅前AGAクリニック【全国13院 東京新宿院東京北千住院京都烏丸院大阪梅田院岡山院鹿児島院 など】

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