亜鉛の摂取は育毛に逆効果?適切な摂取量や髪の毛への影響もご紹介

育毛 逆効果
髪の毛の成長にとって、重要とされる栄養素の1つが亜鉛です。亜鉛は体内に存在する多くの酵素を構成する成分であり、不足するとさまざまな健康上のトラブルをもたらします。

ただ、いくら髪の毛の成長にとって重要な栄養素だからといって、たくさん摂れば摂るほど髪の毛にとって良いというわけではありませんし、かえって健康上の被害につながる恐れもあります。

そもそも、亜鉛だけを摂取したからといって、髪の毛がみるみる生えてくるわけでもありません。そこで今回は、亜鉛の働きや髪の毛の成長に与える影響、亜鉛を摂りすぎた場合の弊害等をご紹介します。

— 目次 —

亜鉛とは

亜鉛は体内に存在する多くの酵素の構成成分となっており、身体にとって欠かすことのできない必須ミネラルの一種です。

亜鉛の働き

亜鉛は体内に取り込まれ、アミノ酸に分解されたタンパク質を、筋肉や骨、髪の毛、臓器などに再合成する働きがあります。

髪の毛はたんぱく質の一種であるケラチンから作られますが、タンパク質を摂取したところで、亜鉛が不足していれば、髪の毛が合成されません。このため、亜鉛不足が髪の毛の成長にとって悪影響を与えるとされています。

亜鉛が不足するとどうなる?

亜鉛が不足した場合、髪の毛の成長に悪影響を及ぼすほか、味覚障害が現れることもあります。また、成長障害を起こしたり、爪や皮膚に異常が現れたりします。

亜鉛が不足する原因

亜鉛が不足する最大の原因は、亜鉛を含む食品の摂取量が足りないということです。亜鉛は牡蠣やレバーなどに、特に多く含まれていますが、その他の多くの食品にも亜鉛が少量ながら含まれています。

亜鉛が不足する原因としては、アルコールの過剰摂取も挙げられます。アルコールを代謝するために酵素が用いられますが、その酵素を構成する亜鉛も消費されてしまうため、お酒をたくさん飲むことで、亜鉛不足に陥るケースもあります。

POINT
  • 亜鉛には体内のタンパク質を再合成し、髪の毛を作る働きがある。
  • 亜鉛が不足すると味覚障害や成長障害に繋がることもある。
  • 亜鉛が不足する原因としては偏った食習慣やアルコールの過剰摂取が挙げられる。

亜鉛の摂取は育毛に逆効果?

亜鉛は体内のアミノ酸を再合成し、髪の毛を作る働きを持っています。では、亜鉛をたくさん摂れば摂るほど、髪の毛が生えてくるのでしょうか。

適切な量を摂取するのは効果的

亜鉛を適切な量だけ摂取することは、髪の毛の健全な成長のサポートとなります。ただし、あくまでもサポートであって、亜鉛だけを摂取したからといって、魔法のように髪の毛が生えてくるわけではありません。

過剰摂取は逆効果

亜鉛を適量摂取することは育毛にとって必要ですが、過剰摂取は逆効果になりかねません。過剰に摂取することで、ミネラルを効率良く吸収できなくなります。このため、髪を生やす上で必要な栄養素を運ぶことができず、抜け毛を引き起こす可能性が高くなります。では、亜鉛を過剰に摂取した場合、どのような弊害の可能性があるのでしょうか。

・前立腺肥大のリスク

髪の毛に良いからといってサプリメントなどから亜鉛を過剰摂取した場合、良性の前立腺肥大を発症させる可能性があります。

・悪心のリスク

悪心(おしん)とは、胃がむかむかしたり、吐き気を催したりすることを意味します。亜鉛を過剰に摂取すると、吐き気や嘔吐、上腹部痛、消化管の過敏症などを発症することがあります。

・その他

亜鉛の過剰摂取に伴うその他の弊害としては、免疫障害や腎障害、下痢などが挙げられています。

POINT
  • 適量の亜鉛摂取は、髪の毛の健全な成長をサポートする。
  • 亜鉛を摂りすぎると前立腺肥大のリスクが増す。
  • 亜鉛の過剰摂取によって悪心や免疫機能低下といったリスクも増す。

亜鉛の適切な摂取量

亜鉛に限ったことではありませんが、ある栄養素が身体にとって有益だからといって、その栄養素だけをたくさん摂れば良いということはありません。

バランス良く栄養素を摂ることの意味

私たちは食事から三大栄養素と言われる炭水化物(糖質)、脂質、タンパク質のほか、ビタミン、ミネラル、食物繊維など様々な栄養素を摂取しています。

そのどれもが私たちの身体を作る重要な栄養素であり、欠かすことのできない成分でもあります。ビタミンやミネラル、食物繊維は三大栄養素ではありませんが、不足することによって様々な弊害がもたらされます。

バランスの良い食事というのは、こういった栄養素を満遍なく摂取できる食事を意味します。

このように、栄養素はバランス良く摂ることで、効率良く体内に吸収されるのです。

1日に必要となる亜鉛の摂取量

1日に必要とされる亜鉛の摂取量は、年齢や性別によって異なります。基本的に子どもより大人の方がたくさん亜鉛を摂取する必要がありますし、妊娠中や授乳中の女性は、通常よりも1㎎から3㎎多めに亜鉛を摂取することが推奨されています。

一般的に育毛を意識する年齢(壮年期から中年期以降)で考えた場合、1日に8㎎から10㎎の亜鉛を摂取することが推奨されています。

POINT
  • 亜鉛が髪の毛にとって必要だからといって、亜鉛だけたくさん摂れば良いわけではない。
  • 栄養素は木でできた板のようなもので、どれがかけても効率的に吸収できなくなる。
  • 育毛を意識する世代の場合、1日当たり8㎎から10㎎の亜鉛摂取が推奨されている。

亜鉛が与える髪の毛への影響

亜鉛には髪の毛の成長をサポートする働きがありますが、さらに詳しく髪の毛に与える影響や育毛効果について解説します。

髪の毛の生成を助ける

私たちが摂取したタンパク質は、体内の酵素によっていったんアミノ酸に分解されます。なぜなら、タンパク質のままでは体内へ吸収されないからです。そのため、酵素によってより小さな単位であるアミノ酸に分解されるのです。

分解されたアミノ酸は血液の流れに乗って身体の各部へと運ばれ、筋肉や内臓を作るための材料になったり、ホルモンや抗体などの構成成分になったりするのです。

髪の毛はタンパク質の一種であるケラチンから作られていますが、アミノ酸レベルに分解されたタンパク質を、ケラチンに再合成するのが亜鉛の働きという訳なのです。

ヘアサイクルを整える

髪の毛が生えてから抜け落ちるまでの周期をヘアサイクルと呼びますが、亜鉛にはヘアサイクルを整える効果も期待されています。

髪の毛は毛根にある毛母細胞が分裂することによって成長しますが、亜鉛は毛母細胞が分裂する際に、重要な役割を持つと考えられています。

また、ヘアサイクルを乱す原因として酵素の一種である5αリダクターゼの存在が挙げられていますが、亜鉛には5αリダクターゼの働きを阻害し、抜け毛のリスクを減らす役割があると考えられています。

POINT
  • 亜鉛にはアミノ酸をケラチンに再合成し、髪の毛の生成を助ける働きがある。
  • 亜鉛は毛母細胞が分裂する際に重要な役割を果たす。
  • 亜鉛には抜け毛の原因となる5αリダクターゼの働きを阻害する効果も期待されている。

育毛に関するお悩みを解決するためにはクリニックへの受診がおすすめ

亜鉛は必須ミネラルの一種であり、不足することで味覚障害や成長障害、免疫力の低下といったさまざまな身体上のトラブルを招くほか、髪の毛の健全な成長に悪影響を及ぼす恐れもあります。

ただ、髪の毛に良いからという理由だけで亜鉛を過剰に摂取してしまうと、前立腺肥大や前立腺がんのリスクを増すほか、免疫障害や腎障害に繋がることもあります。

そもそも栄養はバランス良く摂取することにより、体内で効率良く働くため、特定の栄養素を重点的に摂取しただけでは、効果が高まりません。

特に男性の薄毛という観点からすると、その多くが亜鉛不足というよりは、男性ホルモンのバランスによって発症リスクを高めているといえます。

そのため、男性ホルモンのバランスを整える治療が重要となります。薄毛が気になる場合は、まずその原因を突き止めることが重要です。

駅前AGAクリニックでは、男性だけでなく女性の薄毛や円形脱毛症など、薄毛全般の治療を行っています。まずは無料カウンセリングをご利用いただき、頭皮や髪の毛に関するお悩みをお聞かせください。

監修者
大藪 顕
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長
多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
資格:日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、日本レーザー医学会認定医

駅前AGAクリニック【全国13院 東京新宿院東京北千住院京都烏丸院大阪梅田院岡山院鹿児島院 など】

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