ケトコナゾールとは?AGAとの関係や効能・副作用を解説


ケトコナゾール


薄毛の改善目的でさまざまな治療薬や有効成分が用いられますが、ケトコナゾールもそのうちの1つです。もともとは皮膚真菌症の治療に用いられていたケトコナゾールですが、頭皮に用いると脂漏性皮膚炎やAGAの発症にともなう抜け毛の改善効果が期待されています。


こちらの記事では、ケトコナゾールの効能や使い方、AGAや脂漏性皮膚炎との関係について解説しています。薄毛を改善する目的でケトコナゾールを使用する際の注意点も紹介しているので、ケトコナゾールについて詳しく知りたい方は参考にしてください。

— 目次 —

ケトコナゾールとは


ケトコナゾールはイミダゾール系の外用抗真菌薬の1つです。カビの仲間のことを専門的には真菌と呼んでいます。人間の皮膚には常在菌が存在していますが、癜風(でんぷう)や脂漏性皮膚炎の原因となるマラセチアも真菌の一種です。


人間の身体にカビが存在していると聞くと驚かれるかもしれませんが、マラセチアには雑菌や細菌から皮膚を守る重要な働きがあります。


ケトコナゾールはマラセチアに作用して脂漏性皮膚炎の症状を改善に導くほか、足白癬(あしはくせん・水虫)や癜風、体部白癬(ぜにたむし)、股部白癬(いんきんたむし)、カンジダ症に対しても有効です。


ケトコナゾールにはクリームタイプとローションタイプ、スプレータイプなどがあり、使用目的や塗布する箇所によって使い分けることが一般的です。

別名はニゾラール


ケトコナゾールの別名はニゾラールといいます。ニゾラールはケトコナゾールの先発医薬品です。先発医薬品の研究開発および製造には膨大な費用が必要となるため、一定の特許期間を設けて企業の利益の確保を図っています。


特許期間が過ぎると先発医薬品の主成分を配合して同等の効果が期待できる後発医薬品(ジェネリック)の製造・販売が可能です。ケトコナゾールはニゾラールの後発医薬品に位置付けられています。

ケトコナゾールの効能


ケトコナゾールは以下の皮膚真菌症の治療に用いられています。

  • 白癬
  • 皮膚カンジダ症
  • 癜風
  • 脂漏性皮膚炎


白癬は白癬菌に感染することで起こる皮膚真菌症で、有名な症例は足にできる水虫(足白癬)です。皮膚カンジダ症は常在菌の一種であるカンジダが、免疫力の低下などにともなって増殖することで発症します。


皮膚カンジダ症は股部や陰部、指の間、赤ちゃんのオムツが擦れる箇所など、間擦部に多く見られるのが特徴です。また、口のまわりなど湿った箇所にも多く見られます。


癜風は表皮に見られる真菌感染症で鱗屑(りんせつ)をともなう皮疹を認める点が特徴です。脂漏性皮膚炎はマラセチアによる真菌感染症で、かゆみが少なく発見が遅れることも少なくありません。

ケトコナゾールの使い方


ケトコナゾールは患部に対して用いることが基本です。ケトコナゾールの主なタイプや使い方は以下のとおりです。

  • クリームタイプ
  • ローションタイプ
  • シャンプーと混ぜる


ケトコナゾールの使い方について解説します。

クリームタイプ


ケトコナゾールは大きくクリームタイプとローションタイプ、スプレータイプの3種類に分けられます。クリームタイプのケトコナゾールを使用する際には、人差し指の第一関節までクリームを絞りだすのが目安です。


人差し指の第一関節まで絞り出すとおよそ0.5gとなり、両手のひらをカバーできる計算です。足白癬の治療に用いる場合は、人差し指の第一関節より少し多めに絞り出すと、片方の足をカバーできます。

ローションタイプ


皮膚カンジダ症や脂漏性皮膚炎など、皮膚真菌症の治療にはクリームタイプのケトコナゾールを使用するのが一般的ですが、症状があらわれている箇所によっては、ローションタイプやスプレータイプが適していることもあります。


ローションタイプやスプレータイプは、クリームタイプに比べて浸透力に優れているため、かかとなど皮膚が角質化して分厚くなっている箇所に適しています。ただし、ローションタイプやスプレータイプのケトコナゾールは刺激が強いため注意が必要です。

シャンプーと混ぜる


ケトコナゾールはシャンプーと混ぜて使うことも可能です。海外ではケトコナゾール入りのシャンプーが販売されていますが、日本では認可されていません。そのため、市販のシャンプーにローションタイプのケトコナゾールを混ぜて使うことが一般的です。


混ぜる割合はシャンプー100mlに対してローションタイプのケトコナゾールを1本です。ただし、シャンプーに混ぜて使うのに適していないケトコナゾールもあるため、事前に医師の確認を取っておきましょう

ケトコナゾールとAGAの関係


ケトコナゾールはAGAやその他の抜け毛をともなう疾患に有効と考えられています。ケトコナゾールが有効な抜け毛をともなう疾患は以下のとおりです。

  • 脂漏性皮膚炎
  • 頭部白癬
  • AGA(男性型脱毛症)


抜け毛をともなう疾患とケトコナゾールとの関係について解説します。

脂漏性皮膚炎


ケトコナゾールの使用によって改善が期待できる病気の1つが脂漏性皮膚炎です。脂漏性皮膚炎は先述の通り、真菌の一種であるマラセチアが異常繁殖し、皮膚に炎症を起こす疾患です。


脂漏性皮膚炎が慢性化した場合、抜け毛をともなう脂漏性脱毛症へと移行する可能性があります。ケトコナゾールには真菌を殺す働きがあるため、脂漏性皮膚炎の改善に効果的です。脂漏性皮膚炎は発症に気づくと、しばしば慢性的な経過をたどるため注意が必要です。

頭部白癬


感染症の一種である頭部白癬(しらくも)も、ケトコナゾールの使用によって改善が期待できる病気の1つです。髪の毛に皮膚糸状菌が寄生することで頭部白癬を発症すると、エンドウ豆もしくはクルミほどの大きさの発疹が見られ、髪の毛が抜け落ちる点が特徴です。


皮膚の表面にカサカサとしたフケのような鱗屑も見られますが、一般的にかゆみが出ることはありません。殺菌効果があるケトコナゾールで原因菌である皮膚糸状菌を除くことで徐々に快方へと向かいますが、2ヶ月から3ヶ月は治療を継続する必要があります。

AGA(男性型脱毛症)


AGA(男性型脱毛症)は思春期以降の男性に見られる代表的な脱毛症です。酵素の一種である5α-リダクターゼの働きにより、テストステロンが活性の高いジヒドロテストステロンへと変化することで、抜け毛のリスクを増加させる点が特徴です。


近年の研究により、ケトコナゾールが5α-リダクターゼの働きを阻害することが分かってきており、AGA治療薬や育毛剤との併用が試みられています。日本皮膚科学会ではガイドライン中でケトコナゾールのAGA治療について、推奨度C1の行ってもよい治療法に位置付けています。

ケトコナゾールの副作用


ケトコナゾールを水虫(足白癬)などの皮膚真菌症に対して用いる場合は、ローションタイプのケトコナゾールを患部に直接的に塗布することが一般的です。


しかし、AGAや脂漏性脱毛症など薄毛の改善を目的で頭皮に対して用いる場合、シャンプーと混ぜることが多いため、ケトコナゾールを直接塗布する場合に比べると副作用のリスクは低いとされています。ただ、肌質によっては以下のような副作用を生じる可能性があります。

  • 肌の赤みやかゆみが出る
  • ケトコナゾールを塗布した場所がヒリヒリする
  • 肌がかぶれる


ケトコナゾールを頭皮に使用して上記のような副作用が見られた場合には、専門医の診察を受けるようにしましょう。

ケトコナゾールを使えない人


ケトコナゾールは以下の4項目に該当する人の使用が禁止、もしくは制限されています。

  • ケトコナゾールを使用して副作用を起こした経験がある人
  • 妊婦・授乳婦
  • 乳児
  • 他の治療薬を使用している人


過去にケトコナゾールを使用して副作用が出た経験を持つ人は、原則としてケトコナゾールの使用が禁止されています。妊婦や授乳婦がケトコナゾールを使用すると、血液や母乳などを通して胎児や乳児に影響を与える恐れがあるため、治療の有益性がリスクを上回る場合にのみ使用が認められています。


ケトコナゾールの乳児に対する安全性は確認されていません。また、他の治療薬を使用している場合、副作用が強く出る可能性があるため医師に相談することが重要です。

ケトコナゾールの注意点


ケトコナゾールを使用する場合、以下4つの注意点を把握しておくことが重要です。

  • 副作用が出る可能性がある
  • ステロイド外用薬とは併用できない
  • 市販されていない
  • 発毛作用は基本的にない


ケトコナゾールの注意点について解説します。

副作用が出る可能性がある


ケトコナゾールを使用した場合、副作用が出る可能性があるため注意が必要です。副作用のリスクはケトコナゾールに限った話ではなく、およそ化学的に製造された医薬品であれば必ずメリットとデメリットをともなうことを覚えておきましょう。


ケトコナゾールの副作用は先述の通り塗布した部分の赤みやかゆみ、かぶれなどです。ただし、ケトコナゾールを使用した場合の副作用の現出率に関しては、現在のところエビデンスをともなうデータがありません

ステロイド外用薬と併用できない


ケトコナゾールは、ステロイド外用薬との併用が禁止されていることを覚えておきましょう。ステロイド外用薬とケトコナゾールを同じ箇所に塗布すると、かえって症状の悪化を招く恐れがあるため注意が必要です。


ステロイド外用薬には炎症を抑える強い働きがあるため、脂漏性皮膚炎などの皮膚疾患の症状がひどいときに用いられることがあります。ケトコナゾールを使用したい場合は症状が落ち着いてから切り替えるとよいでしょう。

市販されていない


ケトコナゾールは医療用医薬品に分類されており、原則として医師の診察を受けた上で処方してもらう必要があります。そのため、薬局やドラッグストアなどでは購入できません。


海外のサイトから個人輸入で取り寄せる方法はありますが、海外製の商品には粗悪品や偽物が混じっている可能性もあります。また、自己判断で海外製の商品を使用して重篤な副作用が起こった場合、国による救済措置が受けられないため注意が必要です。

発毛作用は基本的にない


ケトコナゾールは脂漏性脱毛症やAGA(男性型脱毛症)、頭部白癬などの改善目的で用いられることがありますが、基本的に


頭皮の炎症を改善したり、抜け毛を予防したりすることが目的であり、発毛作用はそれほど期待できません。


日本皮膚科学会が策定する男性型および女性型脱毛症でも、ケトコナゾールはAGAの改善目的で行ってもよい治療法に位置付けられており、積極的に推奨されているわけではありません。発毛を促進する場合はAGA治療薬を使用した方がよいでしょう。

AGA治療に関するご相談なら駅前AGAクリニックへ


ケトコナゾールは足白癬や皮膚カンジダ症、癜風など皮膚真菌症の治療に用いられる医薬品です。近年の研究によりAGAの原因の1つである、5α-リダクターゼの働きを阻害する作用があると分かったため、薄毛の改善目的で用いられることもあります。


ただし、ケトコナゾールに期待できるのはあくまでも抜け毛予防効果であり、発毛作用は基本的にありません。AGAは進行型の脱毛症のため、発症が疑われる場合には適切な治療を行うことが重要です。


駅前AGAクリニックでは600パターンもの治療法の組み合わせから、一人ひとりに最適の治療を提供しています。カウンセリングは無料で受けられるため、薄毛治療に関するどのようなお悩みでもお気軽にお問い合わせください。


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