亜鉛不足でAGAや円形脱毛症に!?薄毛改善に亜鉛は効果的なのか
亜鉛は毛髪とのかかわりが非常に強いです。
亜鉛は酵素に多く含まれています。
酵素があることでタンパク質の合成を上手く行うことができるのです。
しかし、亜鉛がないとこれができません。
つまり、亜鉛がないと毛髪を上手く作ることができなくなるのです。
今回は亜鉛にテーマを絞って薄毛との関係を駅前AGAクリニックの医師が解説します。
— 目次 —
そもそも髪の毛の主成分って?
亜鉛と薄毛の関係性を知る前に、髪の毛の主成分について知る必要があります。
髪の毛の成分を知ることで、亜鉛が髪の毛に及ぼす効果を詳細に理解できるためです。
さて、髪の毛の主成分がタンパク質であるという話は有名なので、聞いたことがあるかと思います。
そのタンパク質はケラチンと呼ばれています。
また、このケラチンは18種類のアミノ酸で構成されています。
なぜ亜鉛は薄毛に効果的なのか
亜鉛は男性のミネラルとも言われています。
不足すると性機能障害や男性不妊の原因にもなったりします。
そのため亜鉛を多く含む牡蛎は男性の機能回復のシンボル的存在になっています。
当然、亜鉛は男性だけでなく女性にとっても非常に重要なミネラルです。
タンパク質の合成に必要なミネラルだからです。
さて、なぜ亜鉛は薄毛改善に効果的なのでしょうか。
理由は大きく分けて2つです。
1つは、亜鉛にはタンパク質を合成する働きがあるためです。
亜鉛のタンパク質を合成する働きにより、髪の毛の主成分であるケラチンが合成されます。
また、亜鉛が不足してしまうと、ケラチンが合成されなくなってしまうため、髪の毛が生えてこなくなってしまいます。
また、体内にある亜鉛の総量のうち約8%相当の亜鉛が皮膚や毛髪に存在しています。
2つ目は、5αリダクターゼを抑制する働きです。
5αリダクターゼを抑制することにより、DHTが合成されなくなるため、抜け毛を防ぐことができます。
亜鉛は円形脱毛症の原因の免疫とも関連があります。
亜鉛は毛髪に色々な形で深く関わっているのです。
亜鉛が不足するとどうなるのか
亜鉛は体内にある300種類以上の酵素の活性化に必要であり生理作用も多彩です。
では、亜鉛が不足してしまったらどうなるのでしょうか。
- 皮膚、毛髪障害
- 貧血
- 味覚障害
- 発達障害
- 性腺機能不全
- 食欲低下
- 慢性下痢
- 骨粗しょう症
- 創傷治癒遅延
- 易感染性
円形脱毛症やびまん性脱毛症との関連も指摘されていて亜鉛欠乏が疑われる症例も多くあります。
2012年のSharquieが行った二重盲検交差法では67例の円形脱毛症患者で3カ月間亜鉛投与したところ66.7%に効果があったとしています。
また、2009年のParkが行った円形脱毛症の治療でも15症例中9例(66.7%)で改善があったとしています。
円形脱毛症の原因は色々あります。
そのため多角的にアプローチして治療を行うことが重要です。
亜鉛もその数ある治療の中の一つだと考えられます。
亜鉛欠乏症が起こってしまった時の対処方法
亜鉛が不足するとどうなるか、だいたいわかったかと思います。
では、実際に体内の亜鉛が不足し、亜鉛欠乏症になってしまったらどうすればいいのでしょうか。
亜鉛の摂取基準について
まずは亜鉛の摂取基準について説明します。
日本人の食事摂取基準では男性一日当たり亜鉛を10mg摂取することが推奨されています。
現実は一日平均8mg程度の摂取量と推定されています。
女性の場合は一日当たり8mg摂取することが推奨されています。
これも現実は一日平均6mg程度の摂取量と推定されています。
このように亜鉛は通常の食事でそれほどは不足していません。
しかし、亜鉛は加工食品に含まれることの多いリン酸塩やアルコールの代謝にも使われるため、慢性的に亜鉛不足になりがちなのです。
亜鉛欠乏症の対策方法
サプリメントや、亜鉛が含まれている薬を服用しましょう。
当院では、亜鉛の補給には胃潰瘍治療薬として認可されているポラプレジンク(プロマックD錠75mg)を処方します。
胃潰瘍の治療としての1日量150mgの中に亜鉛が34mg含有されています。
摂取耐用上限が男性で1日40-45mg、女性で35mgです。
無理のない量での治療から始めるといいかと思われます。
この薬の過量摂取により、吐気、嘔吐、腹痛等の消化器障害、血清膵酵素の上昇、銅欠乏による貧血・神経障害、鉄欠乏による貧血が報告されています。
また、市販の亜鉛サプリの中にはその他のミネラルを多く含むものもあります。
その他のミネラルを無視していると、それを過量摂取してしまうことがありますので注意しましょう。
まずはクリニックに相談し、医師の適切な判断を仰ぎましょう。
【番外編】亜鉛摂取以外のAGA治療法について
AGA治療において、亜鉛の摂取はあくまで補助的な役割でもあります。
そこで、一般的なAGA治療方法について紹介します。
ここでは当院で行なっている治療を例に説明します。
投薬治療
AGA治療薬を用いた治療を紹介します。
ミノキシジル
ミノキシジルとは、発毛を促す成分です。
ミノキシジルを用いた治療方法としては、内服療法と外用療法があります。
まず内服療法ですが、ミノキシジルの内服薬である、「ミノキシジルタブレット」を服用します。
詳しくはこちらをご覧ください。
次に外用療法ですが、ミノキシジルの外用薬である、「外用ミノキシジル」と頭皮に塗布します。
詳しくはこちらをご覧ください。
プロペシア
プロペシアとは、フィナステリドという有効成分を含んだ内服薬です。
これは主に抜け毛を防ぐ働きがあります。
ミノキシジルと併用で用いられることが多いです。
詳しくはこちらをご覧ください。
ザガーロ
ザガーロとは、デュタステリドという有効成分を含んだ内服薬です。
これもプロペシアと同じく、抜け毛を防ぐ働きがあります。
ですが、ザガーロの方が、プロペシアよりも効果が1.5倍ほど高いと言われています。
詳しくはこちらをご覧ください。
注入治療
注入治療について説明します。
メソセラピー
メソセラピーとは、頭皮に直接有効成分を注入する治療です。
投薬治療と異なり、直接注入するため、効果が出るまでの期間が早く、副作用も少ないというメリットがあります。
当院では亜鉛摂取以外にも、患者様に合わせた「オーダーメイド複合療法」を行なっているので、クリニックへの受診を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?
亜鉛不足が髪の毛に及ぼす影響についてよくわかったかと思います。
亜鉛不足以外にも薄毛になる要因は様々なので、まずは一度クリニックを受診し、医師の適切な判断を仰ぐことをお勧めします。
駅前AGAクリニックでは東京新宿、大阪、京都、岡山のすべてのクリニックにおいて亜鉛欠乏症による薄毛の患者様に対しても適切な処方を行っております。
また、毛髪診断士や毛髪専門カウンセラーによる食事指導も行っております。
亜鉛以外でも、薄毛に関して気になる事はなんでもお尋ねください。