フィナステリドの初期脱毛はどのくらい続く?止まらない場合はあるのか
薄毛治療を開始してしばらくすると、一時的に抜け毛の量が増える「初期脱毛」を起こすことがあります。一般的にはミノキシジルを利用した際に多く見られる現象ですが、AGA治療薬の一種であるフィナステリドの場合はどのくらいの確率で起こるのでしょうか。
こちらの記事では、フィナステリドを使用した際に起こる初期脱毛の可能性や、抜け毛が起きたときの対処法について解説します。
記事の後半ではフィナステリドに関してよくある質問も紹介しているので、抜け毛に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
— 目次 —
- フィナステリドとは?
- フィナステリドの初期脱毛とは?
- フィナステリドの初期脱毛はどのくらい続くのか?
- フィナステリドの初期脱毛が起きた時はどうすれば良いのか?
- フィナステリドの初期脱毛に関するQ&A
- AGA治療に関するご相談なら駅前AGAクリニックへ
フィナステリドとは?
フィナステリドは男性に見られるAGAの治療薬に含まれる代表的な成分です。フィナステリドの効果を知るためには、AGA発症のメカニズムについて理解しておくことがおすすめです。
- 男性ホルモンの一種であるテストステロンが、活性の高いジヒドロテストステロンへと変化する
- ジヒドロテストステロンがアンドロゲン受容体に結合して、サイトカインの一種であるTGF-βを産生する
- TGF-βによってヘアサイクルの成長期が短縮され抜け毛を引き起こす
テストステロンがジヒドロテストステロンへと変化する際に触媒としてはたらくのが、体内の酵素の一種である5α-リダクターゼです。
フィナステリドには5α-リダクターゼのはたらきを阻害する作用があるため、抜け毛を予防する効果があると期待されています。
また、フィナステリドには男性機能の低下や初期脱毛といった副作用を起こす可能性があることでも知られています。
フィナステリドで副作用を引き起こす確率はどのくらい?
フィナステリドを配合した代表的なAGA治療薬がプロペシアですが、添付文書によるとフィナステリド錠の服用によって男性機能低下の副作用を起こす可能性は1%~5%未満となっており、それほど高い訳ではありません。
国内で行われた24歳から50歳までの男性を対象とした比較試験ではリビドー減退が1.1%に、勃起機能不全が0.7%に見られたとの報告があります。
フィナステリドの初期脱毛とは?
フィナステリドの初期脱毛について理解するためには、髪の毛が生えてから抜け落ちるまでの周期=ヘアサイクルについて知っておく必要があります。ヘアサイクルは大きく以下の3期に分類されます。
成長期 | 毛母細胞の分裂が活発に起こり、髪の毛が太く・強く成長する時期。ヘアサイクル全体のおよそ85%~90%を占める |
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退行期 | 毛母細胞の分裂が鈍くなり、髪の毛の成長が緩やかになる時期。ヘアサイクル全体のおよそ1%を占める |
休止期 | 髪の毛の成長が完全に止まり抜け落ちる時期。ヘアサイクル全体のおよそ10%~15%を占める |
AGAを発症するとジヒドロテストステロンとアンドロゲン受容体が結合し、TGF-βが生成されます。TGF-βは、退行期誘発因子とも呼ばれており、正常なヘアサイクルの成長期を短縮し、髪の毛が十分に成長しないうちに抜け落ちさせる点が特徴です。
フィナステリドなどのAGA治療薬を使用すると、休止期を迎えた毛穴の奥で正常なヘアサイクルを持つ髪の毛が生えてくるため、十分に成長しきらなかった髪の毛が押し出されるように抜け落ちます。
この一連の流れが、フィナステリドによって初期脱毛が起こるメカニズムです。
初期脱毛が起こらない場合はあるのか?
フィナステリドの初期脱毛が起こるかどうかについては個人差があり、一時的な抜け毛が2回にわたって起こる方もいれば、まったく初期脱毛が起こらない人もいます。
ただ、初期脱毛は医薬品の効果があらわれている証拠でもあるため、過度に心配する必要はありません。
フィナステリドの初期脱毛はどのくらい続くのか?
フィナステリドの初期脱毛は、服用開始からおよそ10日から2週間程度であらわれることが一般的です。その後、1ヶ月から2ヶ月ほどすれば徐々に抜け毛の量が減ってくる傾向にあります。
しかし、人によっては3ヶ月から半年ほど初期脱毛が続くケースもあります。
ただ、AGA治療薬の効果は半年から1年かけてあらわれるケースも少なくないため、抜け毛が見られるからといって自分の判断で治療を中断することは避けましょう。
フィナステリドの初期脱毛が起きた時はどうすれば良いのか?
フィナステリドはミノキシジルに比べると初期脱毛のリスクが低い治療薬ですが、仮に服用にともない抜け毛の量が増えるようであれば、落ち着いて以下のように対処することがおすすめです。
- 睡眠や食事など生活習慣を整える
- 髪の毛や頭皮を触らないようにする
- フィナステリドの服用を途中で中止しない
- 初期脱毛が止まらない場合はクリニックを受診する
ここでは、フィナステリドの初期脱毛が起きた時の対処法について解説します。
睡眠や食事など生活習慣を整える
AGAは主に遺伝が原因となって起こる脱毛症ですが、抜け毛は遺伝以外にも睡眠不足や栄養バランスの悪い食事など、乱れた生活習慣によって増加する可能性があります。
そもそもフィナステリドはそれほど初期脱毛のリスクが高くない治療薬のため、抜け毛が見られる場合には生活習慣を整えることが先決です。
適切な睡眠時間については専門家の間でも意見が分かれていますが、成人の方は一般的に6時間〜7時間の睡眠をとることが推奨されています。
また、髪の毛は日常の食事から摂取する栄養素によって作られるため、バランスの取れた食事を意識する点も重要なポイントです。
特に髪の毛の原料となるタンパク質や、アミノ酸の再合成に必要な亜鉛、良好な頭皮環境を維持するはたらきが期待できるビタミン類などを積極的に摂取しましょう。
髪の毛や頭皮を触らないようにする
抜け毛の量が増えるとつい気になって髪の毛を触ったり、頭皮の状態を確認したりしたくなりますが、摩擦は頭皮にとって大きなダメージとなるため、なるべく触らないように意識しましょう。
初期脱毛自体は治療薬の効果があらわれている裏返しのため、半年ほどの間は焦らずに経過を見守ることも重要です。
フィナステリドの服用を途中で中止しない
フィナステリドの服用を開始してから抜け毛が増えたとしても、自分の判断で治療を中止することはNGです。前述の通り、フィナステリドの服用にともなう初期脱毛は、医薬品の効果があらわれている裏返しでもあります。
また、AGA治療の効果は半年から1年ほどかけて実感できるケースが多いため、初期脱毛があるからといって治療を中断することは時間と費用の無駄につながります。
AGAは進行型の脱毛症のため、初期脱毛にともない治療をやめると再び薄毛が進行しはじめるだけでなく、再度治療を開始するとまた初期脱毛が起こる可能性があるため注意が必要です。
初期脱毛が止まらない場合はクリニックを受診する
初期脱毛は医薬品の効果があらわれている裏返しであり、そのうちに抜け毛の量が減り、新たに髪が生えてくることが期待できます。
しかし、あまりにも抜け毛の量が多い方や、初期脱毛の期間が長い方は、AGA治療専門のクリニックを受診するのがおすすめです。
フィナステリドの初期脱毛に関するQ&A
フィナステリドの初期脱毛に関しては、以下4つの質問が多く寄せられています。
- フィナステリドで前髪の脱毛を予防できる?
- 初期脱毛が終わらないことはあるのか?
- フィナステリド以外のAGAの治療薬でも初期脱毛は起きるのか?
- 海外製のフィナステリドは安全なのか?
ここでは、フィナステリドの初期脱毛に関する4つの質問にお答えします。
フィナステリドで前髪の脱毛を予防できる?
AGAのメカニズムについて解説した際に、男性ホルモンの一種であるテストステロンが活性の高いジヒドロテストステロンへと変化する際、酵素の一種である5α-リダクターゼが触媒としてはたらくと述べました。
5α-リダクターゼは頭頂部や前頭部の毛包に多く分布しているため、フィナステリドによってはたらきを阻害すると、前髪の脱毛を予防する効果が期待できます。
初期脱毛が終わらないことはあるのか?
初期脱毛はヘアサイクルの正常化にともなって起こる治療薬の効果の裏返しであるため、いつまでたっても初期脱毛が終わらないということはありません。
仮に初期脱毛があまりにも長く続くようであれば、睡眠不足や栄養バランスの取れていない食事など、生活習慣に原因があるのではないかと思われます。
また、フィナステリドはAGAの治療に用いられる有効成分のため、円形脱毛症や牽引(けんいん)性脱毛症など、AGA以外の脱毛症が原因で起こっている抜け毛に対しては効果が期待できません。
フィナステリド以外のAGAの治療薬でも初期脱毛は起きるのか?
厚生労働省が認可しているAGA治療薬に含まれる成分としては、フィナステリド以外にデュタステリドやミノキシジルが挙げられます。
フィナステリドとデュタステリドはともに5α-リダクターゼのはたらきを阻害し、抜け毛を予防する効果が期待できることから、AGA治療においては守りの治療薬に位置付けられています。そのため、デュタステリドの服用によって初期脱毛が起こる確率は、フィナステリドと同様にそれほど高くありません。
一方、ミノキシジルには毛母細胞の死滅を抑制し、発毛を促進する作用が期待できることから、AGA治療においては攻めの治療薬に位置付けられています。
フィナステリドやデュタステリドに比べて高い発毛効果が期待できるミノキシジルは、その分だけ初期脱毛が起こる可能性も高くなっています。
海外製のフィナステリドは安全なのか?
海外製のフィナステリドのジェネリックは、国内正規品に比べて安価で購入できる点がメリットですが、粗悪品や偽造薬剤が混じっている可能性もあるため注意が必要です。
海外製フィナステリドでも、国内のクリニックによる処方の場合は成分の調査、保障などクリニックが担保してくれていますので安心と言えます。副作用が起こった場合も処方をおこなったクリニックが対応してくれます。
また、自分の判断で海外製の医薬品を個人輸入を行い服用した場合、仮に副作用が起こった場合は誰も責任を取ってはくれません。
AGA治療は長期にわたり継続する必要があるため、副作用による心身の不調を避ける上でも医師の診察を受け、治療薬を処方してもらうのがおすすめです。
AGA治療に関するご相談なら駅前AGAクリニックへ
フィナステリドはAGA治療に用いられる有効成分の1つで、代表的な治療薬であるプロペシアは、世界初のAGA治療薬としても知られています。
どちらかと言うと抜け毛予防や現状維持目的で用いられるフィナステリド錠は、初期脱毛のリスクがそれほど高くありません。
仮にフィナステリド錠の服用にともない抜け毛が増えるようであれば、AGA以外の脱毛症を発症している可能性や、生活習慣が乱れている可能性が疑われます。
フィナステリド錠の服用にともない抜け毛が増えた方や、抜け毛がなかなか治まらない方は、駅前AGAクリニックまでご相談ください。
駅前AGAクリニックでは600パターン以上の治療法から、一人ひとりに最適のプランを提案しています。カウンセリングは無料で受けられるので、AGA治療に関する不安や相談など、カウンセラーまでお気軽にご相談ください。