AGA治療は女性もできる?効果や保険適用について解説


薄毛は壮年期や中年期以降の男性に見られる悩みと思われがちですが、女性も30〜50代になると抜け毛量の増加に悩まされる方が増える傾向にあります。


女性に見られる代表的な薄毛がFAGAと呼ばれる脱毛症で、髪の毛全体のボリュームが減少したり、分け目部分が広がったり、地肌が透けて見えたりする点が特徴です。


こちらの記事では、FAGAが起こる主な原因や、治療を受けられる病院・クリニック、代表的な治療法などについて解説します。

— 目次 —

女性のAGAとは


AGAは英語の「Androgenetic Alopecia」の略で、直訳すると男性に見られる遺伝に起因する脱毛症となります。日本では単に男性型脱毛症と呼ばれています。


男性型脱毛症の主な原因は、遺伝的要因により男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンが増加し、アンドロゲン受容体と結合して抜け毛を引き起こすことです。


女性の体内でも少量ながら男性ホルモンが分泌されており、何らかの原因により女性ホルモンの分泌量が減少すると、女性男性型脱毛症(FAGA:Female Androgenetic Alopecia)を引き起こす可能性があります。


AGAの特徴はM字はげやO字はげといった局所に見られる広範囲の抜け毛ですが、女性の場合、局所がはげあがるようなケースは多くありません。


FAGAの特徴としては髪の毛全体のボリュームダウンや、分け目部分が広がって地肌が透けて見える点などが挙げられます。

FAGAが起こる原因


FAGAが起こる主な原因としては、以下の3点が挙げられています。

  • 遺伝
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 生活習慣の乱れ

遺伝


FAGAを発症する原因の1つが遺伝です。男性に見られるAGAの原因の1つが、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンです。


ジヒドロテストステロンがアンドロゲン受容体に結合すると、抜け毛を引き起こすサイトカインが生成されますが、アンドロゲン受容体の感受性は遺伝によって左右されます。


女性の体内でもわずかながら男性ホルモンが分泌されており、遺伝的にアンドロゲン受容体の感受性が高い女性の場合、FAGAを発症するリスクが高くなると考えられています。

ホルモンバランスの乱れ


ホルモンバランスの乱れも、FAGAの発症リスクを高める原因の1つです。女性の体内で分泌される代表的な女性ホルモンがエストロゲンとプロゲステロンで、それぞれ髪の毛に関して以下のような働きを持ちます。

  • エストロゲン…髪の毛のハリやコシを生み出す
  • プロゲステロン…ヘアサイクルの成長期を維持する


妊娠中の女性の体内では、妊娠状態の維持などを目的として女性ホルモンが盛んに分泌されます。妊娠中に髪の毛のボリュームアップを実感する女性が多いのはそのためです。


しかし、出産を終えると女性ホルモンの分泌量が急激に減少するため、一時的な抜け毛量の増加を引き起こしやすくなります。


また更年期に入ると女性の体内で分泌される女性ホルモンの分泌量が減少し、相対的に男性ホルモンの量が増えるため、FAGAの発症リスクが増加します。

生活習慣の乱れ


女性の抜け毛はさまざまな原因で起こりますが、生活習慣の乱れはFAGAにともなう抜け毛リスクを高める要因の1つです。


例えば睡眠不足や睡眠の質の低下が続くと、寝ている間に分泌される成長ホルモンの量が減少し、細胞分裂が鈍くなるため、髪の毛の成長に悪影響をおよぼします。


過度のダイエットにより栄養が不足すると、髪の毛を成長させるための栄養が不足し、抜け毛リスクを高めるため注意が必要です。


また、ストレスや喫煙、過度のアルコール、運動不足、冷え、肩こりなどが原因で血行不良を生じると、髪の毛の成長に必要な栄養素を頭皮に送り届けにくくなります。

FAGAの治療を行っている病院・クリニック


FAGAの治療を行っている病院・クリニックは以下の2つです。

  • 皮膚科
  • 専門クリニック

皮膚科


皮膚科では投薬治療によってFAGAの改善を図っています。FAGAを治療する際に皮膚科を受診するメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
全国に医院が多いため通院しやすい
どの皮膚科でも同じ治療が受けられる
肌トラブルが原因であれば保険が適用される
専用の待合室がないためプライバシーが守られない
投薬治療以外の選択肢がない
医師が抜け毛や薄毛の専門家とは限らない


皮膚科はどの地域にもある診療科なので通いやすい点がメリットです。基本的に投薬治療がメインとなるため、どの皮膚科を選んでも治療効果に大差はありません。


薄毛治療は基本的に全額自己負担ですが、肌トラブルの改善に関しては健康保険が適用されます。しかし、専門のクリニックのような個室の待合室がない医院が多く、プライバシーが守られない恐れがあります。


また、投薬治療以外の選択肢がなく、医師が抜け毛や薄毛の専門家とは限らない点も皮膚科を受診するデメリットの1つです。

専門クリニック


FAGAを改善する際には、専門のクリニックを受診する方法があります。専門のクリニックを受診するメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
投薬治療以外の選択肢が豊富
医師が抜け毛や薄毛治療に特化している
オンライン診療に対応しているクリニックが多い
プライバシーに配慮している
通いやすい場所にクリニックがあるとは限らない
費用が高額になるケースがある


AGA治療専門のクリニックでは、投薬治療以外にもさまざまな方法で薄毛の改善を図っています。専門クリニックの医師は抜け毛や薄毛治療に特化しているため、投薬治療だけ受ける場合よりも早期の改善が期待できます。


オンライン診療に対応しているクリニックが多く、完全予約制を採用しているなど、プライバシーに配慮している点も専門クリニックを受診するメリットの1つです。


ただし、皮膚科に比べると医院の数が少ないため、通院するのが難しいケースがあります。また、複数の治療を並行して行った場合、費用が高額になるケースがあります。

FAGAの治療とは


専門クリニックでは主に以下の方法でFAGAの改善を図っています。

  • 薬による治療
  • 薬以外の治療

薬による治療


FAGAの発症が疑われる場合、まずは投薬治療での改善が検討されます。FAGAの治療には主に以下の治療薬を用いるのが一般的です。

医薬品名 期待できる効果 起こり得る副作用
ミノキシジル外用薬 発毛を促進 頭皮のかゆみや赤み
ミノキシジル内服薬 発毛を強く促進 動悸・息切れ・手足のむくみ・多毛など
スピロノラクトン アンドロゲン受容体の活性を抑える めまい・ふらつき・生理不順など
パントガール 頭皮環境を整える 頭痛・胃の不快感・下痢など


次項以降でFAGAの治療薬についてさらに詳しく解説します。

ミノキシジル


ミノキシジルはFAGAだけでなく、AGAの治療にも用いられる代表的な有効成分です。外用薬と内服薬があり、厚生労働省では内服タイプのミノキシジルを認可しています。


ミノキシジルには血管を拡張して血行を促進し、髪の毛の成長をサポートする働きがあります。毛母細胞の死滅を抑制し、発毛シグナルを促進して積極的な発毛を促す点も特徴の1つです。


女性の場合はミノキシジル1%配合の外用薬を用いるのが一般的ですが、専門クリニックでは薄毛の程度や女性の体質などを考慮して配合量を調節しています。


また、内服タイプのミノキシジルには外用薬よりも高い効果が期待できるため、副作用のリスクを十分にコントロールしたうえで処方されるケースがあります。


ミノキシジル外用薬の主な副作用は肌トラブルですが、それほど重篤な副作用のリスクはありません。ミノキシジル内服薬は心臓にかかる負担が大きいため、血圧の病気を抱えている方は注意が必要です。

スピロノラクトン


スピロノラクトンには利尿作用があるため、本来は高血圧の治療薬として用いられています。しかし、アンドロゲン受容体の働きを抑える作用があるため、女性の薄毛治療にも用いられるケースも多いです。


利尿作用があるため服用の際には、十分に水分補給を行う必要があります。また、高血圧の治療薬のため、もともと血圧が低い方は注意が必要です。

パントガール


パントガールは、ドイツのメルツ社が製造・開発した世界で初めての女性用薄毛治療薬で、飲む育毛剤とも呼ばれています。


髪の毛を作る原料となるケラチンやアミノ酸、皮脂の分泌量をコントロールするビタミンB群などがバランスよく配合されており、髪の毛の健康な成長をサポートする効果が期待できます。


ミノキシジルやスピロノラクトンほどの発毛効果は期待できませんが、サプリメントに近い薬剤のため、副作用のリスクが低い点がメリットの1つです。

薬以外の治療


体質などが原因でFAGAの治療薬を服用できない場合、以下2つの方法で症状の改善を図ります。

  • メソセラピー
  • 低出力レーザー治療

メソセラピー


メソセラピーは注射器などを用いて、皮下に有効成分を注入する治療全般を意味します。FAGAの場合は髪の毛の成長に必要な因子(グロースファクター)を頭皮下に注入するのが一般的です。


髪の毛の成長に必要な因子を直接的に頭皮下へ注入する治療法のため、投薬治療に比べ早期の薄毛改善効果を期待できる点がメリットの1つです。


日本皮膚科学会が策定する「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」では、メソセラピーに関して現在のところはC2ランクの「行わない方がよい治療法」に位置付けています。


しかし、C2ランクの治療法とされているのはメソセラピーの効果がないからではなく、現在のところ十分といえるだけの検証が行われていないためであり、今後が期待される治療法と述べられています。

低出力レーザー治療


低出力レーザー治療は細胞の分裂を促したり、ミトコンドリアを活性化させたり、毛包幹細胞を活性化させたりして、髪の毛の成長を促進する治療法です。


投薬治療に比べて副作用のリスクが低く、アレルギーの方でも安心して治療を受けられる点がメリットとなっています。


日本皮膚科学会のガイドラインでも、低出力レーザー治療は「行うよう勧める」Bランクの治療法に位置付けられています。

女性のFAGA治療の保険適応について


女性のFAGA治療には保険が適応されないため、治療費や医薬品代は全額自己負担が原則です。FAGA治療に健康保険が適用されないのは、治療が審美目的で行われるためです。


FAGA治療に限らず、美容整形や見た目の改善が目的の歯列矯正などに関しては、基本的に健康保険が適用されません。そもそも健康保険制度の目的は、誰でも安心してケガや病気の治療が受けられる点にあります。


FAGAは女性にとってデリケートなお悩みですが、ケガや病気ではないため自由診療が原則です。

AGA治療に関するご相談なら駅前AGAクリニックへ


FAGAは女性に見られる代表的な脱毛症で、更年期以降に多く見られます。発症すると髪の毛が細くなって全体のボリュームが減少し、地肌が透けて見えるようになる点が特徴です。


しかし、遺伝が主な原因の男性の薄毛とは異なり、女性の薄毛は適切な治療や生活習慣の見直しで改善が期待できるケースも多いです。


駅前AGAクリニックでは男性の薄毛だけでなく、女性の薄毛も専門的に治療しています。抜け毛や薄毛が気になる女性の方は、一度、駅前AGAクリニックの無料カウンセリングを受けてみるのがおすすめです。

 


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