AGAの原因はシャンプー?AGAのメカニズムやシャンプーの選び方
AGAというと遺伝が原因となって発症するイメージがありますが、実は、その他にもいろいろな原因があります。
その1つとして、肌質に合っていないシャンプーがあげられています。
では、なぜ肌質に合わないシャンプーによって、AGA発症のリスクが高くなってしまうのでしょう。
今回の記事では、AGAを発症するメカニズムや、AGAを予防するためのシャンプーの選び方を紹介したいと思います。
— 目次 —
AGAの原因がシャンプーなんてことあるの?
AGAは男性に見られる代表的な薄毛の一種ですが、シャンプーの種類によってAGAになることはあるのでしょうか。
シャンプーだけがAGAの原因となることはない
結論からいうと、シャンプーだけがAGAの原因になることは考えにくいです。
AGAは様々な要因が複雑に絡み合った結果として発症するものであり、シャンプーだけが抜け毛を引き起こすとは考えにくいからです。
シャンプーによって頭皮環境が悪化すると抜け毛のリスクが増える
シャンプーだけがAGAの原因になることは考えにくいですが、頭皮の質にあっていない商品を選択した場合、AGAにともなう抜け毛の量が増える危険性はあるといえます。
シャンプーに含まれているどのような成分が頭皮にとって有害なのかは口述しますが、シャンプーに配合されている有害成分によって肌が荒れる(頭皮環境が悪化する)ことによって、健康な髪の毛の成長を阻害する可能性があります。
シャンプーに含まれる頭皮にとって良くない成分を教えて!
市販のシャンプーに含まれていて、頭皮にとってもっとも良くない成分の1つが、合成界面活性剤です。
合成界面活性剤は食器洗い洗剤や洗濯洗剤にも含まれている洗浄成分で、特に珍しいものではありません。
合成界面活性剤には、油汚れを浮かせる働きがあるため、食器や衣類の頑固な油汚れを洗い流すのには適しています。
ただ、頭皮は汚れた食器や衣類ではありません。
頭皮を洗う時に合成界面活性剤を配合したシャンプーを利用すると、あまりにも強力な洗浄力によって、頭皮にとって必要な皮脂まで洗い流してしまいます。
皮脂というとべたつきの元として敬遠されがちですが、皮脂には頭皮をバリアする保護機能もあります。
そのため、必要以上に皮脂を洗い流してしまうと、頭皮のバリア機能が損なわれ、頭皮環境の悪化を招くのです。
市販のシャンプーに含まれているその他の有害な成分としては、鉱物油やパラベン、合成保存料、合成香料、合成着色料、アルコールなどがあげられます。
- シャンプーだけが原因となってAGAを発症することはない
- シャンプーがAGAによる抜け毛を助長する可能性はある
- 市販のシャンプーには頭皮にとって良くない成分が含まれている
AGAを発症するメカニズムについて
シャンプーだけがAGAの原因になることはないということでしたが、では、そもそもなぜAGAを発症してしまうのでしょうか。
AGA発症のメカニズムについて解説します。
AGAの多くは遺伝的要因によって起こる
AGAの多くは遺伝的要因によって引き起こされることが分かっています。
カギとなるのが、5α-リダクターゼの働きと、アンドロゲンレセプターの感受性です。
5α-リダクターゼの働きが活発な場合
AGAによる抜け毛を引き起こすのは、TGF-βと呼ばれる有害なサイトカインです。
TGF-βは、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンが、アンドロゲンレセプターと呼ばれる男性ホルモン受容器と結合することで産生されます。
ジヒドロテストステロンは、やはり男性ホルモンの一種であるテストステロンがより強力化したものであり、その強力化に際して、5α-リダクターゼと呼ばれる酵素の一種が、触媒として重要な役割を果たします。
5α-リダクターゼには1型と2型の2種類があり、特に2型の5α-リダクターゼは頭頂部や前頭部に多く分布しています。
そのため、遺伝的に2型の5α-リダクターゼが活発に働く人の場合、頭頂部の抜け毛が目立っていわゆる「O字ハゲ」を発症したり、額が後退して「M字ハゲ」を発症したりするリスクが高まるのです。
アンドロゲンレセプターの感受性が高い場合
抜け毛の原因であるTGF-βは、ジヒドロテストステロンとアンドロゲンレセプターが結合することによって産生されるということでしたが、いくらジヒドロテストステロンがたくさん存在しても、アンドロゲンレセプターと結合しなければ、抜け毛は起こらないということでもあります。
そこで重要となってくるのがアンドロゲンレセプターの感受性です。
アンドロゲンレセプターの感受性が高い場合、ジヒドロテストステロンと結合しやすくなるため、AGA発症のリスクが高くなるのです。
シャンプーによってヘアサイクルが乱れることも
シャンプーによってAGAにともなう抜け毛のリスクが増すということでしたが、その原因として、シャンプーによってヘアサイクルが乱されることもあげられます。
ヘアサイクルとは、髪の毛が生えてから抜け落ちるまでの周期を意味します。
ヘアサイクルが順調であれば、毛穴から髪の毛が抜け落ちることには、新しい髪の毛が生えてきていることになります。
ところが、肌質に合わないシャンプーによって頭皮環境が悪化すると、新しい髪の毛の成長を阻害してしまい、髪の毛が抜け落ちる時期になっても、新しい髪の毛が十分に育っていない事態に陥りかねません。
そのような毛穴が増えることで、AGA進行のリスクが増すのです。
AGAのリスクを高めるその他の要因について
先述したように、AGAは単一の原因だけでなく、複数の原因が複雑に絡み合って発症するものです。
そこで、AGAのリスクを高めるその他の要因について見ていきたいと思います。
アルコールやタバコ
酒は百薬の長と言いますが、飲みすぎると体内の水分が奪われ、いわゆる「ドロドロ血液」になります。
ドロドロ血液になると、毛根に十分な血液を届けることが困難になるため、AGAのリスクが高まります。
タバコは百害あって一利なしと言われるように、頭皮や髪の毛にとっても悪影響を与えます。
なぜなら、タバコに含まれるニコチンには血管収縮作用があるからです。
そのため、やはり局所の血行不良が起こるのです。
精神的ストレスや肉体的ストレス
精神的ストレスや肉体的ストレスによって、自律神経のバランスが乱れると、睡眠の質が低下したり、血行不良を招いたりします。
そのため、健康な髪の毛の成長が阻害されるのです。
生活習慣病を引き起こすような食習慣や運動習慣
生活習慣病を引き起こすような食習慣や運動習慣をしていると、動脈硬化の進行が速くなり、血行不良状態に陥ります。
その結果、AGAのリスクも高めてしまいます。
- AGAは遺伝的要因によって発症するケースが多い
- シャンプーによるヘアサイクルの乱れでAGAの進行が早まることもある
- AGAのリスクファクターは多数あり、それらが複雑に絡み合ってAGAの進行を助長する
AGAを予防するためのシャンプーの選び方
AGAの直接的な原因がシャンプーではないにせよ、肌質に合わないシャンプーによって頭皮環境が悪化すれば、抜け毛のリスクが高くなることに変わりありません。
では、AGAを予防するためにはどんなシャンプーがおすすめなのでしょう。
育毛用のアミノ酸系シャンプーにしてみる
AGAを予防するのであれば、スカルプケア用のアミノ酸系シャンプーがおすすめです。
そもそも市販のシャンプーの目的は頭皮や髪の毛の洗浄であって、スカルプケアではありません。
髪の毛がフサフサならそれほど気にする必要はありませんが、薄毛の危惧があるのであれば、スカルプケア用のアミノ酸系シャンプーがおすすめです。
継続して購入可能な価格帯のシャンプーを選ぶ
AGAには進行型という厄介な特徴があるため、いったん発症した場合、生涯にわたって進行を抑制しなければなりません。
そのため、シャンプーも継続して購入できる価格帯のものを選びましょう。
薄毛が進行する場合は専門のクリニックを受診する
いろいろと努力したものの、どうしての抜け毛の量が減らないという場合は、無理をせずに薄毛治療専門のクリニックを受診しましょう。
現代は、薄毛が治療できる時代となっています。
ほとんどのクリニックで無料カウンセリングを行っているので、まずは電話かメールで相談するとよいでしょう。
- AGAの進行を予防するためにはアミノ酸系シャンプーがおすすめ
- AGA治療は計測することが重要なので、シャンプーの価格帯にも注目する
- 抜け毛の量が減らない場合は専門のクリニックに相談することが重要
まとめ
シャンプーは毎日のように使うものなので、有害な成分が含まれていると、知らないうちに頭皮環境を悪化させてしまう可能性があります。
将来の薄毛を予防するためにも、普段から薬用シャンプーや育毛シャンプーを利用し、スカルプケアに取り組みましょう。
それでも薄毛が気になる場合、なるべく早めに専門医を頼りましょう。