毛根鞘と薄毛の関係について!AGA発症時の髪の毛の特徴は?

毛根鞘とは
髪の毛が抜けたときに、毛根部分に白い物体を見かけたことはないでしょうか。

毛根部分が白く見えるのにはいくつかの原因があるのですが、その1つが毛根鞘です。

毛根部分が白くなっていると、「薄毛になるのでは?」と心配される方もいらっしゃることと思います。

では、毛根部分に毛根鞘がついていると、薄毛になるリスクは増すのでしょうか。

今回の記事では、毛根鞘とはどのようなもので、どんな役割があるのかについて解説するとともに、男性に見られる代表的な薄毛であるAGA発症時の髪の毛の特徴を紹介したいと思います。

— 目次 —

毛根鞘とは

毛根鞘(もうこんしょう)と薄毛との関係について解説する前に、そもそも毛根鞘とはなんなのかについて紹介しておきたいと思います。

髪の毛の構成要素の一部

毛根鞘は、ひとことで言うと髪の毛の構成要素の一部です。

髪の毛を構成する要素としては毛乳頭、毛母体などが良く知られていますが、毛根鞘も髪の毛を構成する主要な成分です。

毛根鞘の働きは簡単に説明すると、髪の毛と頭皮をくっつけることにあります。

毛乳頭や毛母体、毛根鞘などは皮膚の下に位置していることから、単に毛根と呼ばれることもあります。

皮膚の上に出ている部分(私たちが一般的に髪の毛と呼んでいる部分)は、専門的には毛幹(もうかん)と呼ばれています。

毛根鞘の種類

毛根鞘というやや聞きなれない髪の毛の構成要素は、さらに外毛根鞘と内毛根鞘の2つに分けられます。

では、それぞれどのような特徴があるのでしょう。

外毛根鞘

外毛根鞘は、立方上皮細胞から構成されており、主に内毛根鞘を守る役割があります。

また、外毛根鞘には毛根幹細胞や色素幹細胞など、髪の毛の成長にとって欠かすことのできないバルジ領域も含まれています。

内毛根鞘

内毛根鞘は、髪の毛と頭皮を直接的に結び付けている組織です。

髪の毛が抜けた時に、毛根部に白い物質が付着しているのを見たことがないでしょうか。

あの白っぽい部分が毛根鞘なのです。

内毛根鞘はヘンレ層、ハクスリー層、および鞘少皮の3つから構成されており、鞘少皮が髪の毛のキューティクルと強固に結合しています。

毛根鞘と皮脂の違いを見分けるには?

抜け落ちた髪の毛の根元に何か付着していると、皮脂が付着していると勘違いしてしまうケースもあります。そこで、毛根稍と皮脂との違いについて紹介します。

粘性があるか

毛根稍と皮脂とを見分ける1つのポイントが、粘性があるかどうかという点です。正常な毛根稍の場合は、抜け落ちた髪の毛の根元がそれほどベタベタしていません(粘性がありません)。

一方、皮脂が付着している場合、髪の毛の根元がベタベタしている傾向があります。もし抜け落ちた髪の毛の根元が衣服などに付着しやすい場合、毛根稍ではなく皮脂である可能性があります。

抜け落ちた髪の毛の根元に粘性がみられる場合、何らかの原因によって、必要以上に皮脂の分泌が起こっている可能性もあります。

塊が大きいか

正常な抜け毛に付着している毛根稍は、米粒のようなきれいな楕円形をしていることが一般的です。ところが、髪の毛の根元に皮脂が付着している場合、楕円形ではなく大きめの円形になることがあります。

ただ、健康な頭皮にも全く皮脂が見られないわけではありません。健康な抜け毛の根元にもある程度の皮脂は見られるのですが、抜け毛の根元に粘性のある塊や、大きすぎる塊がついている場合は、頭皮の環境が良くないことも考えられるのです。

ただ、一般の方にとっては見分けるのが難しいケースも多いため、あまりにも髪の毛の根元にある塊が多い場合、専門家に相談することも有効でしょう。

POINT
  • 抜け落ちた髪の毛の根元がベタベタしている場合、皮脂である可能性が高い。
  • 髪の毛の根元に見られる塊が多い場合も皮脂が付着している可能性がある。
  • 毛根稍と皮脂との判別は難しいため、専門家に相談することが有効である。

毛根鞘を食べてしまう場合は注意が必要

通常、抜け落ちた髪の毛を食べるようなことはありませんが、ストレス等の原因により、抜毛症や食毛症を発症した場合、髪の毛を食べてしまうことがあり、注意が必要とされています。

髪を抜く癖がついてしまう

抜毛症は、トリコチロマニアとも呼ばれています。トリコチロには抜毛という意味があり、マニアには1つのことに執着するといった意味があります。つまり、執拗に髪の毛を抜く病気のことを、トリコチロマニアと呼んでいるのです。

通常、髪の毛を引き抜くことは痛くて不快なものなのですが、抜毛症の方にとっては、その刺激を快感と捉えます。髪の毛を食べること自体が快感というわけではない可能性もありますが、食べる癖がつくと、髪の毛を引き抜く癖を悪化させる可能性があります。

健康を害する可能性がある

毛根稍を食べること自体にはそれほど害がないのですが、髪の毛ごと毛根稍を食べた場合、健康被害を受ける可能性があります。

髪の毛はタンパク質の一種であるケラチンからできていますが、ケラチンは非常に複雑な構造をしているため、胃で消化されることがありません。

また、毛根鞘自体が健康に害を与える可能性は低いのですが、頭皮に雑菌が付着していた場合、健康を害する可能性があります。

POINT
  • 抜毛症と食毛症を併発した場合、髪の毛を食べてしまうことがある。
  • 髪の毛を食べるために抜毛症が悪化する可能性も考えられる。

AGAは毛根鞘ではなく髪の毛の形状をチェック!

男性に見られる代表的な薄毛であるAGAですが、AGAを発症しているかどうかを見分けるためには、毛根鞘を確認するのではなく、抜け毛の状態を確認した方が良いでしょう。

正常な髪の毛の形状

正常な抜け毛は、毛根部が丸みを帯びて膨らんでおり、マッチ棒のような形をしています。

また、抜け毛の量は1日に50本から100本というのが一般的です。

毛根鞘が見られない場合

抜け毛に毛根鞘が見られない場合、髪の毛が弱くなって途中で切れている可能性があります。

そのような状態が続くと、髪の毛全体のボリュームが低下し、薄毛になるリスクを増します。

抜け毛が細い場合

抜け毛が細い場合も要注意です。

もともと髪の毛が細いのであれば問題ないのですが、もともと髪の毛が太かったのに、抜け毛が段々と細くなってきている場合、AGAを発症している可能性があります。

毛根鞘が赤い場合は?

抜け落ちた髪の毛を観察すると、髪の毛の根元に見られる毛根稍が赤くなっているケースもみられます。そのような場合、どのようなことが考えられるのでしょうか。

毛根鞘に血が付着している

抜け落ちた髪の毛の根元に見られる毛根稍が赤くなっている場合、血が付着している可能性も考えられます。

自然に抜け落ちた場合、毛根稍に血が付着するようなことは考えづらいのですが、無理矢理髪の毛を引き抜いたり、衣服などに引っかかったりして髪の毛が抜けた場合、毛穴を傷つけてしまうことがあります。

毛根鞘に血が付着している場合は、毛乳頭にまでダメージが及んでいる可能性もあります。そのため、無理矢理髪の毛を抜くようなことは避けましょう。

また、しばしば毛根稍に血が付着しているようであれば、専門のクリニックを受診して相談することをおすすめします。

毛根に細い毛が付着している場合

毛根に細い毛が付着している場合、新しく生えてくるべき髪の毛が、古くなった髪の毛と一緒に抜け落ちている可能性があります。

なんらかの原因で髪の毛の成長が阻害されているのかもしれません。

髪の毛が棒のようになっている場合

抜け毛が棒のようにまっすぐになっている場合、髪の毛全体に栄養が行きとどいていない可能性があります原因としては偏った食習慣や過度のダイエット、暴飲暴食などがあげられます。

毛根の形に異常が見られる場合

毛根の形がまるっぽくなくて、ギザギザしているような場合、なんらかの原因によって毛根が攻撃されている可能性もあります。

円形脱毛症の方の抜け毛によくみられる現象でもあります。

POINT

正常な抜け毛はマッチ棒のように根本が膨らんでいるが、AGAを発症している場合、髪の毛全体が細くなっていたり、毛根部の形状に異常が見られたりする。

抜け毛を予防する方法

抜け毛の原因は実にさまざまですが、抜け毛の状態や本数が正常であれば、それほど心配する必要はありません。

ただ、抜け毛の本数が異常に多かったり、抜け毛の形状が前述のような状態だったりすれば要注意です

ヘアケアを見直す

抜け毛にともなって頭皮にかゆみがあるような場合、ヘアケアを見直してみましょう。

シャンプーはちゃんと洗い流しているでしょうか。

また、洗髪後はドライヤーで乾かしているでしょうか。

毎日の正しいヘアケアが抜け毛の予防につながります。

食習慣を改善する

髪の毛も食べたものから作られているので、抜け毛を予防するためには、髪の毛を健全に成長させることが必要です。

そのためにも、栄養バランスのとれた食事を摂取しましょう。

決まった時間に睡眠をとる

抜け毛を予防するためには、毎日決まった時間に睡眠をとることも大切です。髪の毛は毛母細胞が分裂することで成長しますが、毛母細胞の分裂は寝ている間に活発化します。

私たちの体内では睡眠中の成長ホルモンが分泌され、細胞の分裂を促します。それにより、身体のダメージを回復させたり、髪の毛や爪を成長させたりするのです。

ところが、睡眠不足になると成長ホルモンの分泌が滞り、髪の毛の成長にも悪影響を及ぼすことになります。そのため、抜け毛を予防するためには、睡眠時間を確保することが必要なのです。

特に、22時〜2時は成長ホルモンがたくさん分泌されるゴールデンタイムとも言われているので、この時間に合わせて睡眠をとることも効果的でしょう。

血行を促進する

髪の毛への栄養は血液によって運ばれます

そのため、日頃から適度に身体を動かしたり、お風呂で身体を温めたりして、血行を促進するよう心がけましょう。

専門クリニックで診てもらう

自分で対策しても抜け毛の量が減らないようであれば、薄毛治療専門のクリニックで見てもらいましょう。

抜け毛を心配していること自体がストレスになるので、早めに解決することが重要です。

まとめ

今回は毛根鞘というあまり耳馴染みのないテーマでお送りしましたが、抜け毛は毛根鞘によってもたらされる訳ではなく、日々の生活習慣や食習慣、ストレスなどさまざまな要因でリスクを増します。

ただ、抜け毛の状態をチェックしても、なかなか一般の方では正しい判断を下すことが出来ないかもしれません。

そんなときには、当院のような専門のクリニックまでご相談ください。

専門のクリニックでは目視だけでなく、ファイバースコープなどを用いて、髪の毛や頭皮の状態を詳しく確認します。

その上で、改善の余地があれば治療をおすすめしています。

決して治療を無理強いすることはありませんのでご安心ください。

まずは無料カウンセリングを受けて頂き、納得してから治療を始められてはいかがでしょうか。

監修者
大藪 顕
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長
多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
資格:日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、日本レーザー医学会認定医

駅前AGAクリニック【全国13院 東京新宿院東京北千住院京都烏丸院大阪梅田院岡山院鹿児島院 など】

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