トリコチロマニア(抜毛症)って何?脱毛症との違いを解説!
トリコチロマニアは、かつては幼少期や思春期の子供、特に女性に多くみられる病気とされていました。ところが最近では、成人した男性にみられるケースもあるようです。
ではトリコチロマニアと、AGAなどの脱毛症にはどのような違いがあるのでしょうか。トリコチロマニアの原因や治療法について紹介するとともに、脱毛症が疑われる場合の対処法について解説します。
— 目次 —
- トリコチロマニア(抜毛症)とは?
- トリコチロマニア(抜毛症)の原因
- トリコチロマニア(抜毛症)はどうやって治す?
- トリコチロマニア(抜毛症)と脱毛症のチェック方法
- 脱毛症の場合は当院へご相談ください
- まとめ
トリコチロマニア(抜毛症)とは?
それではまず、トリコチロマニアとはどのような病気なのか、詳しくみていきたいと思います。脱毛症とはどのような違いがあるのでしょうか。
トリコチロマニア(抜毛症)とは
薄毛をともなう一般的な疾患が脱毛症と呼ばれるのに対し、トリコチロマニアは抜毛症と呼ばれています。
簡単にいうと、自分で自分の髪の毛や体毛を引き抜いてしまう病気のことです。
基本的には幼少期や思春期にみられることが多く、女性にみられるケースが9割を占めるとされています。ただ、中には成人男性にみられるケースもあるということです。
トリコチロマニアの種類
自分で自分の髪の毛や体毛を引き抜いてしまうトリコチロマニアですが、大きく分けると次の2つの型に分類されます。
焦点化型
焦点化型のトリコチロマニアの場合、髪の毛や体毛を引き抜くときの感覚を求めるという特徴があります。
自分で自分の髪の毛や体毛を引き抜いてしまうことを自覚しているものの、やめられないケースが多いようです。
自動化型
自動化型のトリコチロマニアは、焦点化型のトリコチロマニアとは異なり、無意識に毛髪や体毛を引き抜くという特徴があります。
脱毛症との違い
トリコチロマニアと脱毛症の最大の違いは、自分で髪の毛を引き抜くかどうかです。一般的な脱毛症の場合、自分の意思で髪の毛を引き抜くようなことはありません。
例えば男性に多くみられる脱毛症であるAGA(男性型脱毛症)の場合、その多くは遺伝によって起こります。
また、女性に多くみられる脱毛症であるFAGA(女性型脱毛症)の場合、ホルモンバランスの変化が主要な原因とされています。
一方、トリコチロマニアの場合、意識的であるか無意識であるかはさておき、自分の手で髪の毛や体毛を引き抜くという特徴があります。
- トリコチロマニアは無意識に毛髪や体毛を引き抜いてしまう疾患
- トリコチロマニアは小学生から中学生に多く見られる
- 自分で毛髪や体毛を引き抜く点が脱毛症とは異なる
トリコチロマニア(抜毛症)の原因
トリコチロマニアは、自分で自分の髪の毛や体毛を引き抜いてしまう病気ということですが、なぜそのようなことが起こるのでしょうか。
はっきりとした原因は分かっていない
トリコチロマニアの原因については、医学や科学が進歩した現在に至るも、はっきりとしたことがよく分かっていません。
ストレスが引き金となるケースもある
幼少期にみられるトリコチロマニアの場合、周囲の環境に対するストレスによって、毛髪や体毛を引き抜くケースがみられます。
親の期待にこたえなければならないという強迫観念、両親の不和などの家庭内トラブル、学校での人間関係に対する悩みなどから、トリコチロマニアを発症するケースが多いと考えられています。
トリコチロマニアを発症する人の特徴
長年の研究により、トリコチロマニアを発症する人には、いくつかの特徴があることが分かってきました。代表的な特徴についてご紹介します。
母親との関係がうまくいっていない
特に女児の場合、母親との関係がうまくいっていないことで、女性へと成長することを拒否し、女性の象徴ともいえる髪の毛を抜いてしまう傾向があります。
トランスジェンダーの悩みを抱えている
戸籍上の性別と、自分が感じている性別が一致しないことをトランスジェンダーといいますが、そのような悩みを抱えている場合、トリコチロマニアを発症することがあります。
自分に対する罰として抜毛する
ストレスや不安を感じたときに、周囲の環境や他人のせいにできず、自分で抱え込んでしまうような場合、自分を罰する目的でトリコチロマニアを発症することがあります。
- トリコチロマニアのはっきりとした原因は分かっていない
- イライラや不安など精神的なストレスによって抜毛するケースがみられる
- 毛髪や体毛を引き抜くことがクセになっている場合もみられる
トリコチロマニア(抜毛症)はどうやって治す?
トリコチロマニアに関する基本的な情報を知っていただいたところで、次に、トリコチロマニアの治療法についてみていきたいと思います。
薬物療法
トリコチロマニアが何らかの精神疾患(強迫性障害や不安神経症など)からもたらされている場合、抗不安薬や向精神薬などを処方するケースがあります。
心理療法
トリコチロマニアに対しては、絵画療法や箱庭療法といった自分の内面を表現するための心理療法が採られることもあります。
トリコチロマニアを発症している人が、何をどのように表現するのかによって、患者の心理状態を把握することが目的となっています。
行動療法
無意識に自分の髪の毛や体毛を引き抜いてしまう、自動化型のトリコチロマニアに対しては、行動療法が採られます。行動療法ではまず、無意識におこなっている抜毛を意識化させることから始めます。
抜毛を意識させることができたら、毛髪や体毛を引き抜きたい衝動を意識しつつ、抜毛しなくてもいいように意識を変えていきます。
ウイッグ
脱毛部位が気になる場合や、恥ずかしく感じる場合、かつらやウィッグを利用することもあります。
クリニックでの発毛療法
抜毛行動が落ち着いてきたところで、毛髪専門クリニックでの発毛療法が大きな効果をもたらします。しかし経過が長い場合は、瘢痕化を起こしてお治療反応が悪い場合もあります。
- 精神疾患をともなう場合は薬物療法をおこなうことがある
- 抜毛を根本から改善するため心理療法をおこなう
- 次善の策としてかつらやウィッグを利用することもある
- 抜毛行動が落ち着いてからの発毛療法が効果的
トリコチロマニア(抜毛症)と脱毛症のチェック方法
抜毛症と脱毛症は混同されがちですが、両者にはちょっとした違いがあります。そこで、抜毛症と脱毛症のチェック方法についてご紹介します。
髪の毛の状態を確認する
抜毛症と脱毛症とでは、髪の毛の状態が異なります。
抜毛症の場合、明らかに引きちぎられたような痕跡が髪の毛に残されるのに対し、脱毛症にともなう抜け毛にはそのような痕跡がありません。
頭皮の状態をチェックする
脱毛症を起こしている場合、頭皮が荒れていたり、皮脂が目立ったりします。
抜毛症の場合は牽引力によって炎症を起こしていることがあります。判断が難しい場合は、専門医に相談することが重要です。
脱毛部位を確認する
トリコチロマニアを発症している場合、利き腕側に脱毛部位が目立つという特徴もあります。
脱毛症の場合、利き腕側だけに抜け毛が目立つようなことはありません。
- トリコチロマニアの場合は引きちぎったような髪の毛が目立つ
- 脱毛症の場合は頭皮が荒れていたり、皮脂が目立ったりする
- トリコチロマニアの場合、利き腕側に脱毛部位が目立つ
抜毛症も当院へご相談ください
トリコチロマニアは、心理的な要因で発症するものなので、まずは心療内科を受診することとなります。抜毛行動が落ち着いてきたところで、当院での医学発毛療法が効果を発揮してきます。
当院は抜毛症の患者様の症例も多数経験しており、良好な結果を認めています。
薄毛治療を専門としているクリニックには、男性にみられる薄毛であるAGAしか取り扱っていないところも多くはないのですが、当院では女性の薄毛も抜毛症も専門としています。
また、皮膚科で多く扱われている円形脱毛症に関しても、当院で治療することが可能です。
駅前AGAクリニックでは、すべての毛髪のお悩みに結果でお答えします。
まとめ
自分で自分の髪の毛や体毛を引き抜いてしまう病気であるトリコチロマニア(抜毛症)は、原因がよく分かっておらず、まずはには心療内科で治療することとなります。
抜毛行動が落ち着いてきたところで、毛髪治療のクリニックでの治療開始が効果的です。
脱毛症に関しては原因が分かっていることも多く、専門のクリニックで治療できる時代となっています。特に男性にみられる代表的な薄毛であるAGAは、放置すると確実に進行してしまいます。
自分の薄毛がなぜ起こっているのか分からない場合、当院の無料カウンセリングをぜひご利用ください。治療を強制することはありませんので、なんでもお気軽にご相談頂けますと幸いです。