抜け毛から考えられる脱毛症と内臓の病気とは?|原因と治療法を解説

髪の毛 抜ける 病気健康な方であっても、毎日ある程度の抜け毛が見られるのは普通のことです。

しかし、あまりにも抜け毛の本数が多い場合や抜け毛の多い日が続く場合、心配になることもあるのではないでしょうか。

抜け毛の量が多い場合や毎日のようにたくさんの髪の毛が抜ける場合、何らかの脱毛症や内臓の病気を発症している可能性も疑われます。

今回の記事では抜け毛から考えられる脱毛症および内臓の病気の可能性について解説しています。薄毛が気になり始めた方や病気が心配な方は参考になさって下さい。

— 目次 —

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男性に多い2つの脱毛症

抜け毛は男性にも女性にも共通して見られるデリケートなお悩みの1つです。

まずは、男性に多く見られる2つの脱毛症についてご紹介します。

AGA

男性に見られる代表的な脱毛症としてAGAの存在が挙げられます。AGAはAndeogenetic Alopeciaを略したもので、日本では男性型脱毛症と呼ばれています。

男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインによると、AGAは思春期以降に発症する進行型の脱毛症といった定義があります。

適切な措置を講じないと確実に薄毛が進行する厄介な脱毛症であるため、発症が疑われる場合はなるべく早めに治療を介する必要があります。

脂漏性(しろうせい)脱毛症

脂漏性脱毛症は、炎症性の皮膚疾患である脂漏性皮膚炎に伴う脱毛症のことを意味します。脂漏性皮膚炎はどちらかというと男性に多く見られる皮膚炎で、男女比はおよそ2:1となっています。

私たちの皮膚には常在菌が棲みついているのですが、常在菌の一種であるマラセチアが異常繁殖することで脂漏性皮膚炎の発症リスクが高くなります。

マラセチアは皮脂をエサとしているため、皮脂の分泌量が多い頭皮に脂漏性脱毛症を発症しやすいのです。

POINT
  • 男性が発症することの多い2種類の脱毛症を紹介。
  • 1つ目は、AGA。思春期以降に発症する進行型の脱毛症であるため、早めの治療が必要。
  • 2つ目は、脂漏性脱毛症。皮脂を餌とする常在菌が引き起こす脂漏性皮膚炎に伴い発症する。

女性に多い5つの脱毛症

男性に見られる代表的な脱毛症としては、AGAと脂漏性脱毛症が挙げられていました。

次に、女性にみられる代表的な脱毛症について見ていきましょう。男性と比べた場合、女性は様々な理由で薄毛になるリスクがあると考えられています。

FAGA

FAGAはFemale Andeogenetic Alopeciaを略したもので、日本では女性男性型脱毛症と呼ばれたり単に女性型脱毛症と呼ばれたりしています。

女性は生涯の内で何度かのホルモンバランスの大きな変化に見舞われます。女性ホルモンの一種であるエストロゲンには、女性の豊かで艶やかな髪の毛を保つ働きがあります。

ところが、更年期などに女性ホルモンのバランスが大きく乱れると抜け毛を引き起こすリスクが高くなると考えられているのです。

びまん性毛症

びまん性脱毛症は女性に特徴的な脱毛症として知られています。男性に見られるAGAの場合には発症すると前頭部の生え際が後退したり、つむじまわりがはげ上がったりします。

女性の場合に局所がはげ上がるようなことはありません。髪の毛全体のボリュームが減少し、地肌が見えるようなるといった薄毛の様相を呈します。

びまん性脱毛症の原因としては、極端なダイエットにともなう栄養不足やストレス、ホルモンバランスの変化など様々なことが挙げられています。

分娩後脱毛症

分娩後脱毛症はその名の通り、出産後の女性に多く見られる脱毛症です。出産後には、妊娠中に盛んに分泌されていた女性ホルモンの量が激減します。そのため、FAGAの場合と同様、抜け毛を引き起こすリスクが高くなるのです。

また、新生児を育てるストレスや睡眠不足、疲労なども抜け毛のリスクを高めると考えられています。分娩後脱毛症はAGAなどとは異なり、通常は半年から1年もすれば元通りになるのが一般的です。

卵巣機能や甲状腺機能の低下

女性に特有の卵巣機能の低下を引き起こした場合、抜け毛のリスクを高めることがあります。卵巣は女性ホルモンの分泌を司る箇所であるため、機能が低下することで髪の毛の成長を阻害するのです。

また、甲状腺機能の異常によって新陳代謝が過度に活発化した場合に抜け毛のリスクを高めることが分かっています。反対に、甲状腺の機能が低下することでも、抜け毛を引き起こすことがあります。

粃糠性(ひこうせい)脱毛症

粃糠性脱毛症も女性に多く見られるタイプの脱毛症です。過度に発生したフケが毛穴に詰まり、炎症を起こすことで、頭皮環境の悪化に伴う抜け毛のリスクが高くなります。

粃糠性脱毛症の原因としては、ヘアカラーやパーマなどによる頭皮へのダメージ、肌質に合っていないシャンプーやトリートメント、極端なダイエットに伴う栄養不足、慢性的なストレスなどが挙げられています。

POINT
  • 女性にみられる代表的な脱毛症について紹介。
  • 1つ目は、FAGA。更年期などに女性ホルモンのバランスが大きく乱れる際に、抜け毛を誘発する。
  • 2つ目は、びまん性毛症。極端なダイエットにともなう栄養不足やストレスによって髪の毛全体のボリュームが減少する。
  • 3つ目は、分娩後脱毛症。女性ホルモンの量が激減する出産後に発症する。半年から1年もすれば元通りになるのが一般的。
  • 4つ目は、卵巣機能や甲状腺機能の低下による脱毛。女性ホルモンの分泌を司る卵巣の機能が低下することで発症する。甲状腺機能の異常によって新陳代謝が過度に活発化した場合にも発症することがある。
  • 5つ目は、粃糠性(ひこうせい)脱毛症。間違ったヘアケアによって頭皮環境が悪化すると発症する。

その他4つの脱毛症

ここまで男性と女性に特徴的な脱毛症について見てきましたが、男女を問わず発症するタイプの脱毛症もあります。ここでは、男女ともに見られる4つの脱毛症についてご紹介しています。

円形脱毛症

円形脱毛症は男女だけでなく、年齢も問わず、誰にでも発症する可能性がある脱毛症として知られています。10円ハゲと呼ばれることもありますが、実際にはコインよりも広い範囲で薄毛を引き起こすこともあります。

コイン程度の円形脱毛症であれば、7割から8割が自然治癒するとも言われますが、薄毛の範囲が広くなればなるほど、回復にかかる時間が長くなり、完治が困難となります。

かつてはストレスが円形脱毛症の主要な原因だと考えられていましたが、現在では、円形脱毛症が自己免疫疾患の一種として分類されるようになっています。

薬剤性脱毛症

薬剤性脱毛症は、何らかの医薬品の服用にともなって起こる脱毛症のことを意味します。有名なところでは、抗がん剤の副作用にともなう脱毛症がよく知られているのではないでしょうか。

抗がん剤には、がん細胞の分裂を抑える役割があります。しかし、がん細胞以外の分裂も抑えてしまうため、毛母細胞の分裂が抑えられることで抜け毛を引き起こす結果となるのです。

脱毛症を引き起こす医薬品には抗がん剤以外にも高血圧や脂質異常症といった生活習慣病の治療薬、ホルモン剤、インターフェロン、甲状腺の治療薬など様々な医薬品があります。

栄養障害による脱毛症

栄養障害による脱毛症も老若男女を問わずに見られる脱毛症です。簡単に言うと、髪の毛が成長するための栄養が不足することで起こる脱毛症とも言えます。

分かりやすい例が極端なダイエットによる若い女性の女性の薄毛です。ダイエットも程度が過ぎると髪の毛の成長に悪影響を及ぼす結果となり、薄毛のリスクが高くなるのです。

また、過食症にともなう低栄養だけでなく拒食症にともなう栄養過多が抜け毛を引き起こすこともあります。

抜毛症(トリコチロマニー、トリコチロマニア)

抜毛症(ばつもうしょう)はトリコチロマニー、トリコチロマニアとも呼ばれる疾患で、主に精神的な要因によって、自分で自分の髪の毛を引き抜くことが特徴です。

抜いてしまうのは髪の毛とは限らず、眉毛やその他の体毛を引き抜くケースもあります。髪の毛を抜くことで開放感や快感を覚えるため、やめようと思っても中々やめられないのが厄介な点です。

小学校の低学年から中学校にかけて多く見られる疾患で、家庭環境や性格がかかわっているとされます。成人に関しては女性に多く発症例が見られるとされます。

POINT
  • 円形脱毛症は、自己免疫疾患の一種と考えられている
  • 薬剤性脱毛症は、何らかの医薬品の服用にともなって起こる脱毛症
  • 栄養障害による脱毛症は、拒食症にともなう栄養過多が抜け毛を引き起こすことが原因
  • 抜毛症(トリコチロマニー)とは、主に精神的な要因によって、自分で自分の髪の毛を引き抜くことが特徴

「抜け毛」と3つの「内臓の病気」との関連性

抜け毛の多くは脱毛症によってもたらされますが、場合によっては内臓の病気が疑われることもあります。そこで、抜け毛を引き起こす可能性がある3つの病気についてご紹介します。

膠原病

膠原病(こうげんびょう)は特定の病気を意味する言葉ではなく、いくつかの病気をカテゴライズした言葉として知られています。

例えば肝臓病といった場合、肝機能障害や肝不全、肝臓がんなど様々な病気が含まれます。膠原病には関節リウマチや全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、シェーグレン症候群など様々な病気があります。

これらの膠原病には免疫機能の異常を伴うといった特徴があります。簡単に言うと、自分の免疫系が自分の細胞を攻撃してしまうのです。

仮に自分の免疫系が毛包を攻撃した場合、抜け毛を引き起こす可能性が高くなります。円形脱毛症に伴う抜け毛も、このようなメカニズムで起こると考えられています。

バセドウ病

バセドウ病は、甲状腺機能異常症の一種です。バセドウ病を発症した場合、甲状腺の働きが異常に活発化することから、甲状腺機能亢進症とも呼ばれています。

どちらかというと女性に多く見られる病気で、男女比はおよそ1:5とされています。日本人の1000人に2人から6人が発症するとされており、それほど珍しい病気というわけではありません。

甲状腺機能亢進症の特徴が、新陳代謝が異常に活発化するという点です。そのため、発症すると異常な発汗や倦怠感、微熱といった症状が現れます。また、抜け毛の量が増えるケースもあります。

しかし、AGAや円形脱毛症のように薄毛部位がハッキリと目立つようなことはありません。

梅毒(性感染)

性感染症の一種である梅毒(ばいどく)を発症した場合、抜け毛のリスクを高めることが分かっています。梅毒というと昔の病気のように思われる傾向もありますが、2010年代半ばから増加傾向にあるとされています。

梅毒の直接的な原因となるのは、梅毒トレポネーマと呼ばれる細菌の一種です。性的な接触によって感染することが一般的ですが、現代では早期発見による完治が期待されています。

梅毒の初期には感染部位に腫れやしこりが見られます。進行するにつれて赤い発疹が全身に広がり、数年が経過すると皮膚や筋肉などにゴム腫を生じるようになります。発疹に伴う頭皮環境の悪化が、抜け毛を引き起こすこともあります。

POINT
  • 抜け毛と関連する3つの病気を紹介
  • 1つ目は、膠原病。自分の免疫系が毛包を攻撃した場合、抜け毛を引き起こす可能性がある。
  • 2つ目は、バセドウ病。甲状腺機能異常症の一種で、異常な発汗や倦怠感、微熱に加え抜け毛が増えるといった症状が現れる。
  • 3つ目は、梅毒(性感染)。性感染症の一種である梅毒(ばいどく)を発症した場合、抜け毛のリスクを高める。

「抜け毛」の対処法

抜け毛を引き起こす脱毛症や病気には様々な種類があります。いずれにせよ、抜け毛の量が増えているようであれば速やかに対処することが求められます

ここでは、抜け毛への対処法をご紹介しています。

日頃できるケア

特に体調不良もないのに抜け毛の量が増えている場合、誤ったヘアケアや乱れた生活習慣が原因の可能性があります。そこで、日頃から自分でできるケアについてご紹介します。

生活習慣の改善

抜け毛の量が増えている場合、生活習慣を改善することが重要です。特に食習慣が乱れていると、髪の毛の成長を促すためのエネルギーが不足してしまいます。

髪の毛が成長するためには、髪の毛の元となるタンパク質の摂取が欠かせません。また、体内でアミノ酸に分解されたタンパク質を、髪の毛として合成するためには亜鉛の摂取も必要となります。

また、頭皮環境を良好に保ち、血行を促進するためには、ビタミンやミネラルも必要です。特定の栄養素を摂取すれば良いという問題ではなく、バランスよく栄養を摂ることが求められます。

その他、睡眠や運動習慣を見直し、飲酒や喫煙を控え、ストレスを発散することも求められます。

ヘアケアの見直し・改善

毎日ちゃんとシャンプーをしているのに抜け毛が増えるような場合、ヘアケアの見直しや改善も必要です。

例えば洗浄力の強すぎるシャンプーを使っていると、頭皮のバリア機能が損なわれ、抜け毛のリスクが高くなります。洗髪後に頭皮が痒くなるようであれば、アミノ酸系の薬用シャンプーや育毛用シャンプーに替え、頭皮環境の改善に取り組みましょう。

また、頭皮を洗うときには38度程度のぬるま湯にして、必要以上に皮脂を洗い流さないことも重要です。洗髪後はドライヤーで頭皮や髪の毛を乾かし、頭皮用の保湿剤で潤いを与えましょう。

病院・クリニックを受診

セルフケアをしても抜け毛の量が減らない場合や、頭皮のかゆみが治まらない場合には、病院やクリニックを受診するとよいでしょう。

皮膚科・内科

抜け毛に限ったことではありませんが、どの診療科を受診して良いのか分からない場合には内科を受診しましょう。内科で問診や検査を行い、適切な診療科の受診が推奨されます。

抜け毛の場合は、主に皮膚科を受診することが一般的です。皮膚科では主に、投薬治療によって頭皮環境を改善し、抜け毛の予防を図っています。

AGA専門クリニック

抜け毛が気になる場合、AGA専門クリニックを受診するのも1つの手です。特にAGAやFAGAが疑われる場合、皮膚科を受診するよりAGA専門クリニックを受診した方が幅広い治療が受けられます。

AGA専門クリニックでは投薬治療だけでなく発毛を促すメソセラピーや女性に薄毛に特化したサプリメントの提供などを行い、すべての薄毛の改善に取り組んでいます。

POINT
  • 抜け毛の対処法には、「自分でできるケア」と「専門クリニックでの治療」の2つがある。
  • 自分でできるケアは、生活習慣の改善や、適切なヘアケアが考えられる。
  • 専門クリニックでの治療には、皮膚科・内科の受診や、AGA専門クリニックの受診が考えられる。

AGA治療に関するご相談なら

抜け毛を引き起こす脱毛症や病気には様々な種類があります。そのため、まずは抜け毛の原因を特定し、適切な治療を受けることが重要です。

もし抜け毛にともなって体調不良があるのならまずは内科を受診する必要があります。健康状態には問題がないのに、抜け毛が増えている場合はAGA専門クリニックを受診するとよいでしょう。

駅前AGAクリニックでは男性の薄毛はもちろんのこと、女性にみられるFAGAやびまん性脱毛症、男女を問わず見られる円形脱毛症などすべての脱毛症の治療を行っています。

治療パターンは600種類以上あるので、どのような薄毛にも対応可能となっています。カウンセリングは無料で行っていますので、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。

監修者
大藪 顕
平成14年 大阪医科大学卒業
平成14年 大阪医科大学形成外科
平成16年 城山病院形成外科・美容外科
平成17年 大阪医科大学救急医療部(形成外科より出向)
平成18年 大手美容外科形成外科部長
多数の美容外科、形成外科で毛髪治療、植毛治療を経験
平成28年 新宿AGAクリニック院長
資格:日本美容外科学会専門医、日本麻酔科学会認定医、日本レーザー医学会認定医

駅前AGAクリニック【全国13院 東京新宿院東京北千住院京都烏丸院大阪梅田院岡山院鹿児島院 など】

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