AGAにはノコギリヤシが効果的?薄毛を根本的に改善する方法
AGAは男性に見られる代表的な薄毛の1つですが、その改善にノコギリヤシが効果的という説があり、実際にノコギリヤシを配合したサプリメントがいろいろなメーカーから販売されています。
では、ノコギリヤシを摂取することで、本当にAGAを改善することができるのでしょうか。
薄毛を根本的に改善する方法と併せて解説してきたいと思います。
— 目次 —
- ノコギリヤシとは?
- ノコギリヤシでAGAは改善できる?
- ノコギリヤシとAGAの関係
- ノコギリヤシのサプリを使用するときの注意点
- ノコギリヤシと亜鉛を同時に摂取すると効果的?
- ノコギリヤシ以外のAGA改善法
- 薄毛を根本的に改善するなら専門のクリニックがおすすめ
- まとめ
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ノコギリヤシとは?
ノコギリヤシは、ヤシ科の植物の一種です。葉柄にノコギリのような小さくて鋭いトゲがあることからその名前が付けられています。
ノコギリヤシの葉は扇状に広がっていることから、ソウパルメットと呼ばれることもあります。
ノコギリヤシは、北米の南東部に自生しており、現地では古くから先住民によって薬草として用いられてきました。また、ノコギリヤシの果実は、先住民の食料としても重宝されたそうです。
後述するように、最近では男性に見られるAGAの改善効果も期待できることが分かってきており、サプリメントや育毛剤に用いられています。
- ノコギリヤシは北米の南東部に自生するヤシ科の植物。
- ノコギリヤシは先住民によって民間薬として用いられてきた。
- ノコギリヤシにはAGAの改善効果が期待できる成分が含まれている。
ノコギリヤシでAGAは改善できる?
それでは早速ですが、今回のテーマでもあるノコギリヤシでAGAの改善は可能なのかどうかについてみていきたいと思います。
ノコギリヤシとは
ノコギリヤシはアメリカの南西部に自生するヤシ科の植物で、ノコギリパルメットやソウパルメットと呼ばれることもあります。
非常に長寿な品種で、樹齢500年以上とされる個体も存在しています。
ノコギリヤシに期待されている効果
ノコギリヤシから抽出したエキスを配合したサプリメントなどには、大きく分けて次の2つの効果が期待されています。
前立腺肥大症の改善効果
そもそもノコギリヤシが注目されるようになったのは、男性に見られる前立腺肥大の改善効果を期待できることが分かってきたからです。
ノコギリヤシは冬になると2センチメートルから3センチメートルほどの小さな果樹を付けるのですが、この果樹に含まれるフィトステロールや脂肪酸といった成分に、前立腺肥大の症状を抑える作用が期待されており、前立腺肥大症の治療薬として研究が進んでいます。
薄毛の改善効果
ノコギリヤシが注目されるようになったもう1つの理由が、男性に見られる代表的な薄毛の1つである、AGA(Androgenetic Alopecia:男性型脱毛症)の改善効果が期待されるようになってきたからです。
実際に、AGAの改善をサポートする目的でノコギリヤシ抽出エキスを配合したサプリメントや育毛剤、お茶などが販売されています。
ただし、ノコギリヤシに薄毛の改善効果があるというエビデンス(医学的根拠)はありません。
その点に関しては後ほど詳しく紹介します。
ノコギリヤシの副作用は?
ノコギリヤシ抽出エキスは天然由来であるため、化学的に製造された医薬品のような目立った副作用はありません。
ただ、人によっては体質に合わなくてアレルギー反応が出たり、胃の不調を訴えたりするケースがあります。
また、過剰に摂取すると副作用のリスクを増すこととなります。
ノコギリヤシとAGAの関係
ノコギリヤシ抽出エキスにはAGAの改善効果も期待できるということですが、実際のところはどうなのでしょうか。
AGAのメカニズム
ノコギリヤシとAGAとの関係について理解するためには、そもそもなぜAGAを発症してしまうのか、そのメカニズムについて知っておくことが重要です。
ジヒドロテストステロンによって抜け毛が増える
AGAの発症には、ジヒドロテストステロン(DHT)が深くかかわっています。
ジヒドロテストステロンは男性ホルモンであるテストステロンがより強力になったものです。
ジヒドロテストステロンは、男性ホルモン受容器であるアンドロゲンレセプターと結合し、抜け毛の元となるTGF-βと呼ばれるサイトカインを産生します。
TGF-βにはヘアサイクルを乱し、髪の毛が成長しきらないうちに抜け落ちさせる作用があるため、そのような毛穴が増えることで、徐々にAGAが進行するのです。
ジヒドロテストステロンの産生には5α-リダクターゼが関与
男性ホルモンの一種であるテストステロンがジヒドロテストステロンへと変化する際に、重要な働きをするのが5α-リダクターゼです。
5α-リダクターゼは体内に無数に存在する酵素の1つで、テストステロンがジヒドロテストステロンへと変化するときに、触媒として働きます。
つまり、遺伝的に5α-リダクターゼが活発に働く遺伝子を持っている場合、ジヒドロテストステロンが産生されやすくなり、AGA発症のリスクが増すのです。
ノコギリヤシのAGAに対する効果
ノコギリヤシの抽出エキスにAGAを改善する働きが期待できる理由として、ノコギリヤシに5α-リダクターゼの働きを邪魔する作用のあることがあげられています。
そもそも、AGAによる抜け毛はジヒドロテストステロンとアンドロゲンレセプターが結合することで起こるため、ジヒドロテストステロンの産生を阻害すれば、AGA発症のリスクも下がるというわけです。
ノコギリヤシがAGAに効くというエビデンスはない?
ジヒドロテストステロンの産生を抑制すれば、理論上、AGA発症のリスクを下げられることは間違いないのですが、AGAだけでなく、前立腺肥大症の改善に関しても「明らかに改善が見られる」という有意なデータは存在しないのが現状です。
ノコギリヤシのサプリを使用する際の注意点
ノコギリヤシのサプリは天然由来の成分から作られており、比較的安心して摂取することができます。ただ、使用する際には、いくつかの注意点があります。
摂取量を守る
ノコギリヤシを服用する際には、摂取量を守るようにしましょう。ノコギリヤシの1日の摂取量はおよそ200ミリグラムから300ミリグラムが適正量とされています。
ノコギリヤシのサプリメントを過剰に摂取した場合、吐き気や嘔吐がみられたり、便秘や下痢といった排便障害がみられたりする可能性があります。
また、ノコギリヤシのサプリには、亜鉛を配合しているものも多くあります。亜鉛は髪の毛を作る際に重要な働きをするため、サプリにも配合されています。ただ、亜鉛を過剰に摂取した場合も、貧血や胃の不調を招く可能性があるため、注意が必要です。
継続して服用する
ノコギリヤシのサプリを使用する際の注意点として、一定の期間、継続して服用するということも挙げられます。
ノコギリヤシの成分には、AGAの原因となる5α-リダクターゼの働きを阻害する作用があるとされますが、AGAの治療に使われているプロペシアやザガーロと比べた場合、その作用は劣るでしょう。
AGAの治療薬は発毛剤ともいえますが、ノコギリヤシのサプリはどちらかというと育毛剤に近いです。髪の毛を新たに生えさせるのではなく、今生えている髪の毛を強く育てることが、ノコギリヤシのサプリに期待されることです。そのため、ノコギリヤシのサプリの効果が実感できるまで、継続して服用することが重要です。
別の医薬品と安易に併用しない
ノコギリヤシのサプリには5α-リダクターゼの働きを阻害する作用があるため、同様の作用を持つ医薬品や、医薬品を使用している場合、医師に相談する事が必要となるでしょう。
- ノコギリヤシのサプリは摂取量を守って服用することが大切。
- すぐに効果が出るわけではないため、継続して服用する必要がある。
- 医薬品を服用している場合は、医師に相談することが重要。
ノコギリヤシと亜鉛を同時に摂取すると効果的?
亜鉛は、ノコギリヤシと同時に摂取すると効果的と言われていますが、亜鉛とノコギリヤシを同時に摂取したからといって、発毛効果が増すというわけではありません。単に亜鉛とノコギリヤシでは、発毛に対するアプローチが異なるというだけのことです。
亜鉛は、体内に存在する酵素を正常に働かせるために必須のミネラルです。私たちが摂取したタンパク質は、酵素によってアミノ酸に分解されますが、亜鉛が不足すると、タンパク質を分解することができなくなるのです。
また、亜鉛には分解したアミノ酸を再合成して、髪の毛の元となるケラチンに作り替える働きもあります。そのため、亜鉛は発毛に効果的とされているのです。
普段の食事から摂取される亜鉛の量であれば、過剰摂取する可能性は低いですが、サプリで亜鉛を摂取する際には注意が必要です。
先述したように、亜鉛を過剰摂取してしまうと、胃の不調や貧血を招く可能性があります。1日当たりの摂取目安量はおよそ40ミリグラムから45ミリグラム(女性の場合は35ミリグラム)とされています。
- ノコギリヤシと亜鉛を同時に摂取したことが理由で、発毛効果が増すわけではない。
- 亜鉛には髪の毛の元となるケラチンを再合成する作用がある。
- 日常の食事で不足する分だけサプリで補うと良い。
ノコギリヤシ以外のAGA改善法
ノコギリヤシは、将来の薄毛を予防する目的で摂取するならいいかもしれませんが、現にAGAによる薄毛が進行している場合、その他の改善策を講じることが重要です。
抗アンドロゲン薬
AGAはジヒドロテストステロンの産生によって発症リスクを増すということでしたが、抗アンドロゲン薬には5α-リダクターゼの働きを阻害し、ジヒドロテストステロンの産生を抑止する作用があります。
日本ではフィナステリドとデュタステリドにその作用があると認められています。
代表的なフィナステリド錠としてはプロペシアが、デュタステリド錠としてはザガーロがよく知られています。
ミノキシジル
ミノキシジルは、フィナステリド、デュタステリドと並び、厚生労働省によって発毛効果が認められている数少ない有効成分の1つです。
ミノキシジルには血管を拡張し、血液の循環を促進する作用があります。
そのため、抗アンドロゲン薬とミノキシジルを併用することで、さらに発毛効果をアップさせることが期待できます。
メソセラピー
メソセラピーとは、皮下に有効成分を注入する治療法のことを意味します。
AGAに対しては毛髪再生メソセラピーなどと呼ばれる治療法がおこなわれます。
頭皮下に髪の毛の成長にとって有効な成長因子(グロースファクター)を注入することで、高い発毛効果を実現しています。
薄毛を根本的に改善するなら専門のクリニックがおすすめ
脱毛症にはいろいろな種類がありますが、中でもAGAを発症した場合、速やかに専門のクリニックを受診するのがおすすめです。
クリニックでのAGA治療がおすすめの理由
AGA治療なら専門のクリニックを受診するのがおすすめの理由としては、当たり前といえば当たり前なのですが、AGA治療の専門医が在籍していることがあげられます。
AGA治療専門のクリニックには、AGA治療に特化した医師が在籍しているため、最大限に効率を追求した治療が受けられるのです。
当院でも投薬治療だけで600パターン以上の治療法を用意していますし、メソセラピーや自毛植毛、サプリメントやオリジナル育毛剤など、いろいろな方法を駆使して薄毛のお悩みにお応えしています。
受診するメリット
AGAは進行型の脱毛症であり、早めに対処しないと取り返しがつかなくなります。
ただ、AGAの原因は人に寄った実にさまざまなので、専門医による診断が不可欠なのです。
専門医の診断を受ければ、何が原因で薄毛になっているのかが判別しますし、AGAが原因ということになれば、すぐにエビデンスのある治療を開始できるというメリットがあります。
まとめ
ノコギリヤシには、AGA治療薬であるプロペシアやザガーロと同じく、AGAを引き起こす危険因子である5α-リダクターゼの働きを阻害する作用が期待されています。
ただ、プロペシアやザガーロと比べた場合、その作用は劣ると言わざるを得ませんし、現在のところ、ノコギリヤシに薄毛の改善効果があるという医学的根拠はありません。
髪の毛の成長をサポートしたり、頭皮環境を良好に保ったりする目的であれば、ノコギリヤシのサプリも効果的かもしれません。
ただ、明らかに抜け毛の量が増えている場合や、地肌が透けて見えている場合は、ノコギリヤシのサプリだけでは、対策として不十分でしょう。
男性にみられる薄毛の代表でもあるAGAには、進行型という特徴があるため、対策が遅れると薄毛が徐々にかつ確実に進行してしまいます。
駅前AGAクリニックでは、600パターンにも及ぶ治療薬の組み合わせで、1人1人に合ったオーダーメイド治療を行っています。
また、当院では無料カウンセリングも行っていますので、薄毛に関するお悩みや治療に対する疑問など、お気軽にご相談ください。