AGAにはノコギリヤシが効果的?薄毛を根本的に改善する方法
AGAは男性に見られる代表的な薄毛の1つですが、その改善にノコギリヤシが効果的という説があり、実際にノコギリヤシを配合したサプリメントがいろいろなメーカーから販売されています。
では、ノコギリヤシを摂取することで、本当にAGAを改善することができるのでしょうか。
薄毛を根本的に改善する方法と併せて解説してきたいと思います。
— 目次 —
ノコギリヤシでAGAは改善できる?
それでは早速ですが、今回のテーマでもあるノコギリヤシでAGAの改善は可能なのかどうかについてみていきたいと思います。
ノコギリヤシとは
ノコギリヤシはアメリカの南西部に自生するヤシ科の植物で、ノコギリパルメットやソウパルメットと呼ばれることもあります。
非常に長寿な品種で、樹齢500年以上とされる個体も存在しています。
ノコギリヤシに期待されている効果
ノコギリヤシから抽出したエキスを配合したサプリメントなどには、大きく分けて次の2つの効果が期待されています。
前立腺肥大症の改善効果
そもそもノコギリヤシが注目されるようになったのは、男性に見られる前立腺肥大の改善効果を期待できることが分かってきたからです。
ノコギリヤシは冬になると2センチメートルから3センチメートルほどの小さな果樹を付けるのですが、この果樹に含まれるフィトステロールや脂肪酸といった成分に、前立腺肥大の症状を抑える作用が期待されており、前立腺肥大症の治療薬として研究が進んでいます。
薄毛の改善効果
ノコギリヤシが注目されるようになったもう1つの理由が、男性に見られる代表的な薄毛の1つである、AGA(Androgenetic Alopecia:男性型脱毛症)の改善効果が期待されるようになってきたからです。
実際に、AGAの改善をサポートする目的でノコギリヤシ抽出エキスを配合したサプリメントや育毛剤、お茶などが販売されています。
ただし、ノコギリヤシに薄毛の改善効果があるというエビデンス(医学的根拠)はありません。
その点に関しては後ほど詳しく紹介します。
ノコギリヤシの副作用は?
ノコギリヤシ抽出エキスは天然由来であるため、化学的に製造された医薬品のような目立った副作用はありません。
ただ、人によっては体質に合わなくてアレルギー反応が出たり、胃の不調を訴えたりするケースがあります。
また、過剰に摂取すると副作用のリスクを増すこととなります。
ノコギリヤシとAGAの関係
ノコギリヤシ抽出エキスにはAGAの改善効果も期待できるということですが、実際のところはどうなのでしょうか。
AGAのメカニズム
ノコギリヤシとAGAとの関係について理解するためには、そもそもなぜAGAを発症してしまうのか、そのメカニズムについて知っておくことが重要です。
ジヒドロテストステロンによって抜け毛が増える
AGAの発症には、ジヒドロテストステロン(DHT)が深くかかわっています。
ジヒドロテストステロンは男性ホルモンであるテストステロンがより強力になったものです。
ジヒドロテストステロンは、男性ホルモン受容器であるアンドロゲンレセプターと結合し、抜け毛の元となるTGF-βと呼ばれるサイトカインを産生します。
TGF-βにはヘアサイクルを乱し、髪の毛が成長しきらないうちに抜け落ちさせる作用があるため、そのような毛穴が増えることで、徐々にAGAが進行するのです。
ジヒドロテストステロンの産生には5α-リダクターゼが関与
男性ホルモンの一種であるテストステロンがジヒドロテストステロンへと変化する際に、重要な働きをするのが5α-リダクターゼです。
5α-リダクターゼは体内に無数に存在する酵素の1つで、テストステロンがジヒドロテストステロンへと変化するときに、触媒として働きます。
つまり、遺伝的に5α-リダクターゼが活発に働く遺伝子を持っている場合、ジヒドロテストステロンが産生されやすくなり、AGA発症のリスクが増すのです。
ノコギリヤシのAGAに対する効果
ノコギリヤシの抽出エキスにAGAを改善する働きが期待できる理由として、ノコギリヤシに5α-リダクターゼの働きを邪魔する作用のあることがあげられています。
そもそも、AGAによる抜け毛はジヒドロテストステロンとアンドロゲンレセプターが結合することで起こるため、ジヒドロテストステロンの産生を阻害すれば、AGA発症のリスクも下がるというわけです。
ノコギリヤシがAGAに効くというエビデンスはない?
ジヒドロテストステロンの産生を抑制すれば、理論上、AGA発症のリスクを下げられることは間違いないのですが、AGAだけでなく、前立腺肥大症の改善に関しても「明らかに改善が見られる」という有意なデータは存在しないのが現状です。
ノコギリヤシ以外のAGA改善法
ノコギリヤシは、将来の薄毛を予防する目的で摂取するならいいかもしれませんが、現にAGAによる薄毛が進行している場合、その他の改善策を講じることが重要です。
抗アンドロゲン薬
AGAはジヒドロテストステロンの産生によって発症リスクを増すということでしたが、抗アンドロゲン薬には5α-リダクターゼの働きを阻害し、ジヒドロテストステロンの産生を抑止する作用があります。
日本ではフィナステリドとデュタステリドにその作用があると認められています。
代表的なフィナステリド錠としてはプロペシアが、デュタステリド錠としてはザガーロがよく知られています。
ミノキシジル
ミノキシジルは、フィナステリド、デュタステリドと並び、厚生労働省によって発毛効果が認められている数少ない有効成分の1つです。
ミノキシジルには血管を拡張し、血液の循環を促進する作用があります。
そのため、抗アンドロゲン薬とミノキシジルを併用することで、さらに発毛効果をアップさせることが期待できます。
メソセラピー
メソセラピーとは、皮下に有効成分を注入する治療法のことを意味します。
AGAに対しては毛髪再生メソセラピーなどと呼ばれる治療法がおこなわれます。
頭皮下に髪の毛の成長にとって有効な成長因子(グロースファクター)を注入することで、高い発毛効果を実現しています。
AGA治療なら専門のクリニックがおすすめ
脱毛症にはいろいろな種類がありますが、中でもAGAを発症した場合、速やかに専門のクリニックを受診するのがおすすめです。
クリニックでのAGA治療がおすすめの理由
AGA治療なら専門のクリニックを受診するのがおすすめの理由としては、当たり前といえば当たり前なのですが、AGA治療の専門医が在籍していることがあげられます。
AGA治療専門のクリニックには、AGA治療に特化した医師が在籍しているため、最大限に効率を追求した治療が受けられるのです。
当院でも投薬治療だけで600パターン以上の治療法を用意していますし、メソセラピーや自毛植毛、サプリメントやオリジナル育毛剤など、いろいろな方法を駆使して薄毛のお悩みにお応えしています。
受診するメリット
AGAは進行型の脱毛症であり、早めに対処しないと取り返しがつかなくなります。
ただ、AGAの原因は人に寄った実にさまざまなので、専門医による診断が不可欠なのです。
専門医の診断を受ければ、何が原因で薄毛になっているのかが判別しますし、AGAが原因ということになれば、すぐにエビデンスのある治療を開始できるというメリットがあります。
まとめ
ノコギリヤシの作用についてはいまだ研究途上で、AGA治療薬ほどの効果は得られていないのが現状と言わざるを得ません。
それでなくてもAGAは進行型の脱毛症であるため、発症したらすぐに対処することが求められます。
そのため、薄毛を確実に改善したいという方は、専門のクリニックを受診するのがおすすめです。