薄毛は漢方で治療できる?漢方の薄毛治療法とは
薄毛に悩まされている方の中には、漢方の治療を検討されている方もいらっしゃることと思います。では、薄毛に対して漢方治療や漢方薬は効果があるのでしょうか。
また、漢方治療はどのようなことをおこなうのでしょうか。今回の記事では、薄毛の原因と漢方治療の関係について説明するとともに、薄毛の改善なら専門のクリニックに相談することがおすすめの理由をご紹介します。
— 目次 —
漢方は薄毛に効くの?
薄毛の治療や主に西洋医学の病院やクリニックでおこなわれることが多いですが、普段、漢方治療を受けている方の場合、漢方で改善したいという方もいらっしゃることと思います。では、漢方は薄毛に対しても有効なのでしょうか。
漢方とは
薄毛と漢方との関係についてご紹介する前に、そもそも漢方とは何なのか、簡単に説明したいと思います。漢方というと「中国の医療法」と思われている方も多いでしょうが、実は、漢方は日本生まれの伝統医療です。
奈良時代から平安時代にかけて中国から日本へと入ってきた中医学が、日本で独自の進化を遂げ、漢方として確立されました。
そもそも漢方という言い方は江戸末期になって現れたもので、それまで日本における医学といえば、当たり前に漢方のことを指していました。
江戸末期になり、オランダから蘭学が伝わり、オランダ流の医療を蘭方と呼ぶようになりました。そのため、蘭方と区別するため日本古来の医療を漢方と呼ぶように至ったのです。
漢方と薄毛の関係
薄毛に漢方が効くのかどうかは、薄毛の原因によると申し上げるほかありません。血液の循環が悪くなることで、髪の毛の成長が阻害されているようであれば、血液の循環を促す漢方薬を服用することで、発毛効果が期待できることもあるでしょう。
逆に、男性にみられるAGA(男性型脱毛症)のように、遺伝的要因によって薄毛が起こっている場合は、漢方薬よりも西洋医学の治療薬の方が効果的です。いずれにせよ、まずは薄毛の原因を探ることが重要です。
- 漢方は中医学が日本で独自の進化を遂げた日本古来の伝統医療を意味する
- 漢方薬が薄毛に効くかどうかは薄毛の原因による
- 薄毛を改善するためにはまず薄毛の原因を特定することが重要
東洋医学での抜け毛の原因とは?
東洋医学の世界では、私たちの体内に「気(き)」・「血(けつ)」・「水(すい)」がめぐっているとされています。そして、そのバランスが崩れることで、身体にさまざまな不調をきたすと考えられています。
東洋医学では、1人1人が持つ体質や症状などを「証(しょう)」で表しますが、薄毛になる原因としては、次のような証があげられています。
腎虚(じんきょ)
腎というと、一般的には腎臓のことをイメージしますが、東洋医学における腎は、簡単にいうと元気の源を意味します。つまり、腎虚とは身体のエネルギー状態が低下していることを意味します。
髪の毛が育つのにもエネルギーが必要となるため、腎虚の状態に陥ると、白髪や薄毛が目立つようになりがちです。その他の症状としては、口の渇きやのぼせなどがあげられます。
血虚(けっきょ)
東洋医学には私たちに耳なじみのない言葉がよく出てきますが、血(けつ)に関しては、血液だと考えてそれほど問題ありません。
つまり、血虚とは血液が不足している状態と考えてよいでしょう。私たちの身体にはくまなく血管が張り巡らされており、血液が循環することで、全身に栄養や酸素が送り届けられています。
髪の毛も、毛細血管から栄養を受け取った毛母細胞が分裂することで成長します。ところが、血虚の状態に陥ると、髪の毛が育つための栄養が不足してしまい、結果として薄毛のリスクを増すこととなります。
薄毛は男性だけでなく、女性にとってもデリケートな悩みですが、特に冷えや血行不良がみられやすい女性の場合、血虚が原因となって薄毛を発症している可能性があります。
湿熱(しつねつ)
湿熱は身体の中に余計な湿気や熱(エネルギー)が滞っている状態を意味します。腎虚とは反対に、どちらかというとエネルギーの有り余っている方に多くみられます。
また、湿熱の方には水分だけでなく、皮脂の過剰な分泌もみられます。それによって頭皮の状態が悪化すると、やはり薄毛のリスクが増すこととなります。
原因としては脂っこい食事や、カロリーの摂りすぎといった食習慣があげられます。比較的男性に多くみられる証ともいえます。
瘀血(おけつ)
東洋医学の世界には、「瘀血(おけつ)は万病のもと」という考え方があります。血虚が血液の量が少なくなる状態であるのに対し、瘀血は血液の量は足りているものの、血行が悪くなっている状態を意味します。
分かりやすくいうと、いわゆるドロドロ血液が瘀血の状態といえるでしょう。運動不足や水分不足、塩分の過剰摂取、生活習慣病、ストレスなど、さまざまなことが瘀血の原因となります。
- 東洋医学では身体の状態や症状を証で表す
- 血液量の減少や血行不良によって薄毛のリスクが増す
- 薄毛を改善するためには生活習慣の見直しも重要
薄毛治療によく使われる漢方
漢方というと、漢方薬を服用する治療法と思われがちですが、実はそうではありません。身体が持つ自然治癒力を高めることが漢方の目的であり、漢方薬はその手段の1つに過ぎません。そこで、薄毛治療によく使われる漢方薬と、その他の漢方治療についてご紹介します。
当帰芍薬散
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は、婦人科系の疾患に用いられる三大漢方薬の1つで、不足した血液を補ったり、血液の循環を促したりする働きが期待されています。
証でいうと、血虚の方や瘀血の方に特におすすめの漢方薬となっています。東洋医学には髪は血の余りという考え方があります。
つまり、血液が不足すれば髪の毛の不足しがちになるし、血液の量が潤沢であれば、髪の毛も増えるというわけです。女性は毎月の生理で血を失いがちなので、当帰芍薬散によって血を補ってあげることが重要だということです。
補中益気湯
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)は、胃腸の機能を強化し、身体の元気を取り戻す目的でよく用いられる漢方薬です。特に身体の元気が損なわれた状態の腎虚に対して効果的とされています。
西洋医学的な視点でとらえた場合、腸には身体の免疫を司る細胞が集中しています。そのため、腸の機能を強化するということは、免疫機能を高めることにもつながると考えられます。
黄連解毒湯
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)は、身体にこもってしまった熱を取り除き、体内の毒を体外へと排出する目的で用いられます。証の中では湿熱の方におすすめの漢方薬です。
その他の漢方治療
漢方薬以外の漢方治療としては、鍼灸や整体、薬膳、気功、養生などいろいろな方法があげられます。例えば、足の裏には湧泉(ゆうせん)というツボがあります。
湧泉は腎経に属するツボであり、この場所で気が滞ってしまうと、身体全体の元気が損なわれると考えられています。
湧泉に滞った気を流してあげるには、ツボを刺激する鍼灸や整体の施術、青竹踏み、入浴などが効果的です。また、体質を改善するための薬膳などもおすすめです。
- 血液の流れや不足を改善するには当帰芍薬散がおすすめ
- 身体の元気が損なわれているときには補中益気湯が効果的
- 湿熱の方には黄連解毒湯がおすすめ
漢方薬の使用は漢方医に相談しよう
漢方薬は、西洋医学で用いられる治療薬に比べ、副作用のリスクが低いとされています。とはいうものの漢方薬も薬である以上、副作用のリスクが全くないわけではありません。
また、漢方薬は西洋医学で用いられる治療薬のような即効性がありません。そのため、薄毛に対する漢方の効能に詳しい漢方医に相談することが重要です。
漢方薬はAGAの治療薬などとは異なり、あくまでも体質を改善することが目的となっています。そのため、薄毛の改善も長期にわたって取り組む必要があります。
POINT
・漢方薬にも副作用のリスクがある
・薄毛を改善するには経験を積んだ漢方医に頼ることが重要
・漢方は体質を改善することが目的であることを忘れない
薄毛治療専門クリニックにまずは相談
ここまで漢方と薄毛の関係について解説してきましたが、薄毛を根本的に改善したいのであれば、薄毛治療専門のクリニックに相談することもおすすめです。
特に、男性にみられるAGAには、進行型であるという厄介な特徴があります。そのため、治療が遅くなれば遅くなるほど、将来の薄毛のリスクが増してしまうのです。
薄毛治療専門のクリニックでは、薄毛の原因を遺伝子レベルで究明し、その人その人にあった治療薬や治療法を提案しています。
特にAGAの場合、厚生労働省認可の治療薬を用いることで、多くの場合で改善が期待できます。また、当院では男性だけでなく、女性に薄毛も専門的に扱っています。
カウンセリングは無料でおこなっておりますので、薄毛が気になる方は、一度お気軽にご相談頂けますと幸いです。
まとめ
漢方は日本で独自の進化を遂げた日本古来の伝統医療であるため、日本人の体質に比較的合っているといえます。そのため副作用のリスクが少ないのですが、その分、効果も緩やかであることは否定できません。
薄毛にもいろいろな種類がありますが、特に男性にみられるAGAの場合、早く抜け毛の原因を取り除かないと、時間が経てば経つほど薄毛のリスクを増してしまいます。
体質を改善することはもちろんとても重要なのですが、AGAに関していえば、ひとまずAGAの治療薬で薄毛の進行を抑制することも大事だといえます。
駅前AGAクリニックでは、男性だけでなく、女性の薄毛も専門的にみておりますので、薄毛が気になる方は、なるべくお早めにご相談頂くことをおすすめしています。