出産をきっかけにして髪が薄くなりました。これは分娩後脱毛症??
出産をきっかけにして薄毛になる女性は非常に多いです。
世間ではこれを分娩後脱毛症と呼ぶことがあります。
しかし、女性の薄毛のほとんどは女性型脱毛症(FAGA)なのです。
出産をきっかけにして始まるこの薄毛の正体はなんなのでしょうか。
今回は分娩後脱毛症について駅前AGAクリニックの医師が解説します。
分娩後脱毛症(産後脱毛症)ってあるの?
分娩後脱毛症とはなんなのでしょうか。
実は医学的にこのような疾患は存在していません。
名前からすると分娩後に起きる薄毛のことのようです。
分娩後に薄毛になればどのような薄毛でも分娩後脱毛症と言えそうですね。
女性の薄毛のほとんどは女性型脱毛症です。
では、分娩後脱毛症と女性型脱毛症に違いはあるのでしょうか。
分娩後脱毛症はどうして起きるの??
ヘアサイクルには毛髪が伸びる成長期、毛包が萎縮する退行期、毛髪が生えてこない休止期と3つの時期があります。
毛髪はこのように生えては抜けてを繰り返しているのです。
妊娠をきっかけに女性ホルモンの分泌量は大きく変動します。
エストロゲンには成長期を長くする作用があります。
つまり毛髪を増やす作用があるのです。
出産が近づくとプロゲステロンとエストロゲンの分泌量が増えます。
これにより成長期毛が増え脱毛が少なくなります。
出産すると2~4日で本来のホルモンバランスに戻り、成長期毛が一気に抜け落ちて休止期に入ります。
その後はプロラクチンが上昇して授乳出来るようになります。
妊娠によるダメージや栄養状態の変化、授乳により母体は消耗します。
そのため母体は栄養を必要とします。
その結果、毛髪に回すべき栄養分は母体に使われてしまいます。
栄養がこなくなった毛包はしばらく休止期のままになってしまうのです。
分娩後脱毛症は出産後2~3カ月で薄毛になり6カ月程度で回復すると言われています。
まとめ・・・
①エストロゲンによって増えていた毛髪が抜けて元に戻る
②ヘアサイクルがそろって休止期に入る
③母体が栄養を必要とするため毛髪に栄養が回らない
④出産後2~3カ月で薄毛になり6カ月頃で回復する
以上の話には科学的な根拠は全くありません。
これは全て想像の話で医学的には根拠がないのです。
分娩後脱毛症という迷信ができた理由とは?
『Effect of pregnancy on the human hair cycle. J Invest Dermatol.』
『妊娠がヘアサイクルに与える影響』
1960年代にLynfieldが初めて分娩後脱毛症について報告しました。
26人の妊婦を観察して妊娠が毛髪に影響を与えるのかもしれないと問題提起したのです。
その観察は妊婦の毛髪の評価の時期もバラバラでまともに結論を出せるものではありませんでした。
しかし、この発表は初めて妊娠が毛髪に影響を与えるかもしれないと主張した初めての発表であり意義が大きかったと思います。
しかし、妊娠という壮大なテーマにおいて毛髪は地味であり長らく興味を持つ医師はいませんでした。
その間に分娩後脱毛症という概念が一人歩きして有名になってしまったのです。
分娩後脱毛症の研究は今でもほとんど行われていません。
『The changes in the hair cycle during gestation and the post-partum period.』
『妊娠中と分娩後でのヘアサイクルの変化』
最近ようやく2013年にEkmekci達が分娩後脱毛症が本当にあるのかどうか調べています。
この研究では116人の妊婦の毛髪を観察しています。
産後4カ月のグラフに注目してください。
青い成長期が減って赤い休止期が長い気がしませんか。
これが分娩後脱毛症なのでしょうか。
しかし、この研究は一人の妊婦の毛髪の変化を時間をかけて観察したものではありません。
116人の妊婦をその時点で観察して妊娠時期で分けただけの簡易的な観察なのです。
これでは分娩後脱毛症の存在は証明できません。
分娩後脱毛症の証明はこれから時間をかけて行わなければならないのです。
このように分娩後脱毛症の研究はほとんどありません。
医学的にはその存在を証明することから始まります。
もし、分娩後脱毛症が本当にあるのなら知りたいことが沢山あります。
どのくらいの患者さんがいるのでしょうか。
どのような症状が出るのでしょうか。
どのようなメカニズムで発症するのでしょうか。
本当に6カ月で元に戻るのでしょうか。
ようやく医学はこれからその正体に挑んで行くことになります。
出産をきっかけにして薄毛になりました。これは分娩後脱毛症?
出産をきっかけにして薄毛になった患者さんが多くクリニックを訪れます。
ほとんどの患者さんは6カ月で元に戻りません。
やはり出産をきっかけにして女性ホルモンの分泌が減るのでしょう。
ほとんどの患者さんは出産をきっかけにして女性型脱毛症(FAGA)の症状が出ているようです。
行うべき治療は女性型脱毛症の治療です。
ヘアサイクルをスピロノラクトンやオーソモレキュラーで正常にします。
毛母細胞をミノキシジルで刺激して発毛させます。
これが行うべき治療なのです。
分娩後脱毛症の原因がエストロゲンや休止期脱毛、毛周期の一致によるものとするとエストロゲンの部分は女性型脱毛症ということです。
休止期脱毛にはオーソモレキュラーです。
毛周期の一致に対しては待つことやミノキシジルで刺激することが治療です。
この中のどの成分が強いかで行うべき治療の強弱はあってもいいのかもしれません。
しかし、行っていることは女性型脱毛症の治療です。
残念ながら自然に治癒すると考えて治療が遅れてしまう患者さんが後を絶ちません。
分娩後脱毛症は6カ月で元に戻る。
分娩後脱毛症という疾患が医学的に証明すらされていない現状においては、このような分娩後脱毛症は迷信のような疾患なのです。
あなたも分娩後脱毛症という迷信に惑わされてはいないでしょうか。
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AGAやFAGA、円形脱毛症の患者さんが多く通院されています。
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