産後に抜け毛が!?これって分娩後脱毛症?原因や対策について解説!
薄毛に悩む方は男女問わずいらっしゃいます。
薄毛の原因は様々です。
AGAによるものや、円形脱毛症など、人によって異なります。
その中で、出産をきっかけにして薄毛になる女性は非常に多いです。
世間ではこれを分娩後脱毛症と呼ぶことがあります。
出産をきっかけにして始まるこの薄毛の原因はなんなのでしょうか。
予防方法や治療方法はないのでしょうか。
今回は分娩後脱毛症について駅前AGAクリニックの医師が解説します。
— 目次 —
- そもそも分娩後脱毛症ってなに?
- 産後の抜け毛ってなんで起こるの?
- 分娩後脱毛症はいつまで続くの?
- 産後の抜け毛の予防方法は?
- 分娩後脱毛症の治療方法は?
- 【番外編】分娩後脱毛症の研究結果について
- まとめ
そもそも分娩後脱毛症ってなに?
分娩後脱毛症は有名な病気ですが、その存在は証明されていません。
分娩後脱毛症とは、出産後に抜け毛が増えてしまう症状のことを指します。
人によっては前髪の生え際が後退してしまうほどの抜け毛が起こる場合もあります。
実は正確には医学的にはこのような疾患は存在していません。
女性の薄毛のほとんどは女性型脱毛症です。
分娩後脱毛症と言われている薄毛は女性型脱毛症の可能性が高いのです。
― POINT ―
✔︎分娩後脱毛症は、出産をきっかけに抜け毛が起こること
✔︎女性の薄毛のほとんどは女性型脱毛症
産後の抜け毛ってなんで起こるの?
分娩後脱毛症はどのようにして起きると言われているのでしょうか。
ヘアサイクルには毛髪が伸びる成長期、毛包が萎縮する退行期、毛髪が生えてこない休止期と3つの時期があります。
毛髪はこのような状態を繰り返してヘアサイクルというものを作り出しています。
妊娠すると女性の体内の女性ホルモンの分泌量は大きく変動します。
エストロゲンという女性ホルモンには髪の毛の成長期を長くする作用があります。
つまり毛髪を増やす作用があるのです。
出産が近づくとプロゲステロンというホルモンやエストロゲンの分泌量が増えます。
これにより成長期毛が増え脱毛が少なくなります。
出産すると2~4日で本来のホルモンバランスに戻り、成長期毛が一気に抜け落ちて休止期に入ります。
その後はプロラクチンというホルモンが上昇して授乳出来るようになります。
妊娠によるダメージや栄養状態の変化、授乳により母体は消耗します。
そのため母体は栄養を必要とします。
その結果、毛髪に回すべき栄養分は母体に使われてしまいます。
栄養が与えられなくなった毛包はしばらく休止期のままになってしまうのです。
このようなプロセスで分娩後脱毛症になると言われています。
つまり、栄養状態の変化、ホルモンの変化、出産というイベントが重なり合って分娩後脱毛症となっているというのです。
言い換えると低栄養による休止期脱毛症、ホルモン変化によるヘアサイクルのタイミングの一致、消耗性の休止期脱毛症というところでしょうか。
しかし、分娩後脱毛症の多くは女性ホルモンの減少による女性型脱毛症の可能性が高いと私は考えています。
というのは、治療せずに放置していても治る患者が少ないと思われるからです。
これは女性ホルモンが減少して起きた女性型脱毛症と考える方が自然だと思います。
― POINT ―
✔︎分娩後脱毛症の原因はホルモンバランスの乱れ
✔︎ヘアサイクルが乱れることで抜け毛が起こる
✔︎分娩後脱毛症は出産によりFAGAが発症している
分娩後脱毛症はいつまで続くの?
こうした分娩後脱毛症はいつまで続くのでしょうか。
分娩後脱毛症は産後2~3ヶ月ほど症状が続くとされています。
その後、徐々にホルモンバランスが回復し、6ヶ月ほどで毛髪の量が自然に戻っていくと言われています。
しかし、当院を受診される患者さんは、6ヶ月で薄毛が回復しない方がほとんどです。
これは女性型脱毛症が起きていると考えられます。
女性型脱毛症は進行性です。
早めに治療をしないと毛髪を作る毛母細胞が減少していきます。
分娩後の薄毛は分娩後脱毛症なので一時的だと考えると治療の遅れにつながります。
その薄毛はほとんどが女性型脱毛症なのです。
― POINT ―
✔︎分娩後脱毛症はほとんどが女性型脱毛症
✔︎自然回復しない場合がほとんど
✔︎早めのクリニックの受診がおすすめ
産後の抜け毛の予防方法は?
こうした産後の抜け毛をあらかじめ予防できれば、負担も減るかと思います。
そこで出産前からできる薄毛予防について説明します。
バランスの良い食事
妊娠中は、胎児のために栄養を摂取する必要がありますが、自分のためにも摂取する必要があります。
バランスのとれた食事を摂ることで、毛母細胞に栄養が届けられ、薄毛の予防につながります。
睡眠
頭皮環境を整えるのに、睡眠が重要であるという話は有名です。
睡眠をしっかりと摂ることで、成長ホルモンが分泌され、髪の毛の成長が促されます。
また、睡眠は睡眠でも、質の高い睡眠をすることが重要です。
質の高い睡眠をとることで、より多くの成長ホルモンが分泌されます。
サプリメント
髪の毛に必要な栄養素をサプリメントによって摂取することが可能です。
髪の毛に必要な栄養素として、ケラチンを合成するためのタンパク質や、各種ビタミン、ミネラルなどです。
このように栄養を摂取する方法を、オーソモレキュラーと言います。
当院では、オリジナルのサプリメントを開発しました。
詳しくはこちらをご覧ください。
こうしたサプリメントの使用は、妊娠中の服用になるので注意が必要です。
そこで出産前の薄毛の予防については、専門の医師のサポートを受けることをお勧めします。
まずは無料カウンセリングから始めてみてはいかがでしょうか。
― POINT ―
✔︎バランスの良い食事を心がけることが大切
✔︎睡眠の質を高めることで髪の成長を促す
✔︎サプリメントにより栄養素を補うことも可能
分娩後脱毛症の治療方法は?
分娩後脱毛症のほとんどは一過性ではないと考えられます。
つまり、ほとんどの患者さんは出産をきっかけにして女性型脱毛症(FAGA)の症状が出ていると考えられます。
女性型脱毛症の治療をしっかり行うべきでしょう。
治療の流れは以下の通りです。
まず、ヘアサイクルをスピロノラクトンやオーソモレキュラーで正常にします。
その後、毛母細胞をミノキシジルで刺激して発毛させます。
残念ながら自然に治癒すると考えて治療が遅れてしまう患者さんが後を絶ちません。
分娩後脱毛症は6カ月で元に戻ると言われていますが、分娩後脱毛症という疾患が医学的に証明すらされていない現状においては、このような分娩後脱毛症は迷信のような疾患なのです。
したがって自然治癒を待つのではなく、抜け毛が生じた場合すぐにクリニックに相談しましょう。
そうすることでFAGAの早期発見につながるので、治療費が安くなり、治療期間が短くなります。
当院では無料カウンセリングを行なっているので、抜け毛の悩みを抱えている方は無料カウンセリングから始めてみてはいかがでしょうか。
― POINT ―
✔︎まずはヘアサイクルを整える
✔︎その後ミノキシジルで発毛を促す
✔︎すぐにクリニックを受診することがおすすめ
【番外編】分娩後脱毛症の研究結果について
『 Effect of pregnancy on the human hair cycle. J Invest Dermatol.』
『妊娠がヘアサイクルに与える影響』
1960年代にLynfieldが初めて分娩後脱毛症について報告しました。
26人の妊婦を観察して妊娠が毛髪に影響を与えるのかもしれないと問題提起したのです。
その観察は妊婦の毛髪の評価の時期もバラバラでまともに結論を出せるものではありませんでした。
しかし、この発表は初めて妊娠が毛髪に影響を与えるかもしれないと主張した初めての発表であり意義が大きかったと思います。
しかし、妊娠という壮大なテーマにおいて、毛髪は地味であり長らく興味を持つ医師はいませんでした。
その間に分娩後脱毛症という概念が一人歩きして有名になってしまったのです。
分娩後脱毛症の研究は今でもほとんど行われていません。
『 The changes in the hair cycle during gestation and the post-partum period.』
『妊娠中と分娩後でのヘアサイクルの変化』
最近ようやく2013年にEkmekci達が分娩後脱毛症が本当にあるのかどうか調べています。
この研究では116人の妊婦の毛髪を観察しています。
産後4カ月のグラフに注目してください。
青い成長期が減って赤い休止期が長い気がしませんか。
これが分娩後脱毛症なのでしょうか。
しかし、この研究は一人の妊婦の毛髪の変化を,時間をかけて観察したものではありません。
116人の妊婦をその時点で観察して妊娠時期で分けただけの簡易的な観察なのです。
これでは分娩後脱毛症の存在は証明できません。
分娩後脱毛症の証明はこれから時間をかけて行わなければならないのです。
このように分娩後脱毛症の研究はほとんどありません。
まとめ
あなたも分娩後脱毛症という迷信に惑わされてはいないでしょうか。
駅前AGAクリニックは毛髪を総合的に診察できるクリニックです。
男性だけではなく女性の薄毛の悩みも専門的に診察することができます。
AGAやFAGA、円形脱毛症の患者さんが多く通院されています。
完全予約制で他の患者さんとお顔を合わすことはありません。
全国6院、東京新宿、東京北千住、大阪梅田、京都烏丸、岡山、鹿児島のすべてのクリニックで一貫した最新の薄毛治療を行っております。
診察とお見積りのみでも大丈夫ですのでお気軽にご相談ください。