プロぺシアは耐性がつくの?10年以上使用すると効かなくなる?
プロペシアを10年間継続して服用するなど、長期的に使用すると耐性がつくという情報を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
プロペシア(フィナステリド)は日本ではMSD株式会社が2001年から臨床試験を始め、2003年に承認申請、2005年に製造販売承認を取得しているAGA治療薬です。
しかし、薬には耐性がつくものもあるため、プロペシア(フィナステリド)も耐性がつくのではないか、と思っている方もいるでしょう。
今回の記事は、プロペシアの服用には本当に耐性があるのかについて、解説します。
— 目次 —
プロペシアは10年使用すると耐性がつく?
プロペシアを10年間服用したからといって、耐性が付くようなことはありません。
プロペシアには有効成分としてフィナステリドが配合されており、AGAによる抜け毛の原因となる、ジヒドロテストステロン(DHT)の産生を抑止する働きがあります。
そして、プロペシアの服用を1年以上に渡って継続した場合、およそ98%に現状維持もしくは発毛効果がみられています。
一方、プロペシアを10年間に渡って服用した場合、耐性が出来るのかというと、そのような報告は行われていません。
ただし、AGAの治療を行う際にプロペシアだけを服用していると、徐々に効果が感じられなくなってくることも事実です。
ただし、これはプロペシアに対する耐性が出来たからではなく、その他の原因によるものです。
ステージによって効果が異なる
プロペシアの服用によって得られる効果は、AGAのステージによって異なります。
AGAの進行度合いを示す指標として、ハミルトン・ノーウッド分類と呼ばれる指標が一般的に用いられています。
ハミルトン・ノーウッド分類については後程ご紹介しますが、ハミルトン・ノーウッド分類のステージが低い人は、毛母細胞が多く残っているため、フィナステリドによる治療の効果が現れやすいと考えられています。
自分のステージを確認する
では、次に自分がどのステージなのか確認するようにしましょう。
以下の図は東京メモリアルクリニック・平山の佐藤明男先生が一般社団法人茨城県保険医協会で2015年に『男性型脱毛症の内科的治療』として発表されたものです。
非常に優れたデータなので一緒に見てみましょう。
その前にハミルトン・ノーウッド分類のステージをイメージしましょう。
- ステージⅠ:AGAの自覚がない程度の本当に初期の患者さんです。
- ステージⅡ:よく見るとAGAだと分かる程度です。
- ステージⅢ:他人から見てもはっきりとAGAだと分かる程度です。
- ステージⅣ:かなり進行してきていて頭部の地肌が見えてきています。
正確ではありませんが、このようなざっくりとしたイメージでいいかと思います。
まずは上の図のステージⅠを追いかけてみましょう。
先ほどお話したようにフィナステリド投与後5年経過しても効果が抜群ですね。
きっと10年経過しても大丈夫です。
同じように追いかけて行くとステージⅠ~Ⅲまでと、びまん性AGA(Diffuse)(※)では5年間の治療効果はかなり高いのが分かります。
※びまん性というのは典型的な局所から進行するAGAではなく頭部全体が薄毛になるタイプです。
ステージⅣだと治療効果が中等度の改善程度まで落ちてきて治療効果は5年後以降にピークを迎えると思われます。
ステージⅤの治療効果は、4年後がピークです。
ステージⅥの治療効果は。3年後がピークです。
ステージⅦの治療効果は、2年後がピークです。
こう見るとAGAの治療に来院されることの多いステージⅡ~Ⅳ程度の患者さんのフィナステリドの治療効果は、噂にあるように10年も経過すれば落ちてくると思われます。
したがって、プロペシアが効きにくくなってしまう前に早めに対策を始めることが大切だとわかっていただけたと思います。
少しでもAGAかなと思った方はお早めに医師に相談しましょう。
医師に相談すれば、治療開始のタイミングについて詳しく教えてくれますし、まだ治療をしなくても大丈夫な場合は、生活習慣の改善だけで、薄毛へのケアができます。
- プロペシアを10年以上服用したからといって耐性が付くようなことはない。
- プロペシアの効果はAGAのステージによって異なる。
- AGAは早期に対策することで、薄毛のリスクを下げることが期待できる。
プロペシアの継続的な使用で効果が感じられなくなる要因
プロペシアを10年以上に渡って服用したからといって、耐性ができて効果がなくなるようなことはありません。
しかし、プロペシアを継続して服用していると、徐々に効果が感じられなくなってくることもあります。
年齢を重ねると毛母細胞が減少する傾向がある
年齢を重ねるごとに毛母細胞が減少すると、プロペシアの効果を実感しにくくなることがあります。
髪の毛は、毛母細胞が分裂することで成長しますが、年齢とともに毛母細胞が衰えてきます。
プロペシアは、毛母細胞を活性化させるような治療薬ではないため、年齢とともに毛母細胞が減少していくと、自然と抜け毛や薄毛が目立つようになります。
このことが、プロペシアの耐性だと誤解されやすいのですが、実際には年齢を重ねていることによる毛母細胞の減少の影響です。
プロペシアは発毛を促進する薬ではない
そもそも、プロペシアは発毛を促進する薬ではありません。
AGAは、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)の産生量が増加することで、発症リスクが高まります。
ジヒドロテストステロンは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが強力化したもので、その際に、体内の酵素である5aリダクターゼが働きます。
プロペシアの有効成分であるフィナステリドには、5αリダクターゼの働きを抑制し、抜け毛を防ぐ効果が期待されています。
つまり、プロペシアはどちらかというと、髪の毛を積極的に増やすというより、現状を維持する目的で使われる医薬品なのです。
- プロペシアを継続して服用していると、効果が実感しづらくなることもある。
- 効果が感じられなくなるのは、毛母細胞の減少が原因の場合もある。
- プロペシアは、脱毛を防ぐ目的で使用する。
プロペシアが効かない人に多いこと
プロペシアを服用することで、抜け毛を予防したり、発毛を促進したりすることが可能です。
しかし、プロペシアの効果が実感できない場合は、以下のような原因が考えられます。
飲酒や喫煙をしている
飲酒や喫煙をしていると、効果を実感できない場合があるかもしれません。
プロペシアはAGAの治療薬であり、AGAの主な原因は遺伝とされています。
しかし、飲酒や喫煙といった生活習慣がある場合、遺伝以外の原因で起こる抜け毛のリスクが高まります。
このため、プロペシアを服用しているのにも関わらず、飲酒や喫煙によってAGAの症状が進行してしまい、効果を実感できなくなる可能性があるのです。
継続して使用していない
プロペシアの効果が感じられないという方に多く見られるケースが、プロペシアの服用を継続していないということです。
AGAの治療薬は、服用したからといってすぐに効果が現れるものではありません。
プロペシアの場合、早い方で服用開始から3ヶ月、平均すると服用開始から6ケ月程度で効果が現れ始めます。
服用を途中でやめてしまう原因の1つが初期脱毛です。
AGA治療薬の使用を開始すると、一時的に抜け毛の量が増える時期があります。
初期脱毛は、問題ないのですが、初期脱毛に関する知識がない場合、慌てて服用をやめてしまうこともあるのです。
使用方法が間違っている
プロペシアの使用方法が間違っている場合、プロペシアの効果を中々実感できない可能性もあります。
プロペシアの効果はおよそ24時間持続するため、1日に1錠服用することが基本です。
しかし、服用する時間がばらばらであったり、飲み忘れがあったりすると、プロペシアの有効成分が体内に存在しない時間が増え、結果として効果を実感しにくくなるのです。
また、海外製のジェネリックなどを個人で輸入している場合、粗悪品を使用していることもあり、効果が実感出来ないケースもあります。
- 飲酒や喫煙習慣があるとAGA以外の抜け毛のリスクが高まり、プロペシアの効果が実感しづらくなる。
- 服用期間が短いことが原因で、プロペシアの効果が実感できないこともある。
- プロペシアの服用方法が誤っていると効果を実感できない可能性が高まる。
プロペシアの効果を高める方法!
プロペシアの耐性の正体について見てきましたが、本当にプロペシアが効きにくい場合はどのようにしたらいいのでしょうか?
ここではプロペシアの服用効果を高める方法を見ていきましょう。
プロペシアと併用すると効果が高まるミノキシジル治療
プロペシアの効果を高める方法としては、併用してミノキシジルを服用することです。
ミノキシジルの主な効果としては、発毛を促進する作用があります。
したがって、プロペシアで薄毛の進行を抑制しながら、強く抜けにくい健康な髪を生やすことが可能になります。
多くの方が、プロペシアで抜け毛を予防して、ミノキシジルで発毛を促進する治療を行っているので、併用を考えてみても良いでしょう。
当院で治療する場合、純正のプロペシアとミノキシジルを合わせて1ヶ月12,000円から治療できます。
また、プロペシアのジェネリックと併用する場合、費用を抑えることができるので、下記から確認してみてください。
プロペシアよりも効果を期待できるザガーロ
デュタステリドという有効成分が含まれているザガーロがプロペシアの代替としておすすめです。
このザガーロは、プロペシアと同じ、AGAの進行を抑制する薬ですが、プロペシアよりも効果が高いと言われています。
まだ若くて先が長いのであればデュタステリドの方が毛母細胞の温存効果が高いです。
20年、30年と治療を続けるつもりならデュタステリドが圧倒的に有利でしょう。
当院の医師は短期的な視点だけでなく、その患者さんが何を望んでいるかをくみ取って長期的な視点も持つように心がけています。
薬価との兼ね合いもあり難しいところですが、長い期間を見通す視点は医師には必須だと思います。
【番外編】究極の治療方法、AGAメソセラピー
また、これでも効果が弱まってきた場合や早くから対策を打つのであれば、最新のAGAメソセラピーが効果的だと注目されています。
これは頭皮に直接薬剤を注入する治療方法です。
特に治療初期のヘアサイクルが短い時にメソセラピーを行うと毛母細胞の温存効果が高いと考えられています。
メソセラピーは初期脱毛を早く乗り越えることが出来て、発毛効果が高いだけではありません。
治療初期に行うことによって毛母細胞の温存効果があり長期的にも発毛力が変わってくると考えられるようになってきています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回の記事はプロペシアの耐性の正体についてみてきました。
AGA治療に効果的と言われるプロペシアですが、人によっては効果が感じにくいこともあります。
AGAの治療方法、対策方法はたくさんあるので、自分の薄毛の進行度やどこまで治療をしたいかによって、治療法を選ぶことが大切です。
当院は、患者さんの希望に合わせてオーダメイドのプランを作成します。
駅前AGAクリニックは全国12院(東京新宿、東京北千住、新潟、金沢、三重四日市、大阪梅田、京都烏丸、岡山、広島、熊本、鹿児島)で男性の薄毛(AGA)や女性の薄毛(FAGA)、円形脱毛症などの毛髪治療の最先端治療からフィナステリドの単剤処方まで幅広く選択肢をご用意しています。
長く毛髪治療を任せて頂けるクリニックになれるようスタッフ一同頑張って行きたいと考えておりますので、まずは一度ご相談ください。