フィナステリド・デュタステリドの正しい飲み方について/血漿中濃度から考察
薬剤には正しい飲み方があります。
内服するタイミングや飲み合わせなど気になりますね。
今回はフィナステリドとデュタステリドについて駅前AGAクリニック大阪梅田院の院長が詳しく解説します。
— 目次 —
フィナステリド・デュタステリドの飲み合わせについて
フィナステリドはプロペシアが有名です。
デュタステリドはザガーロが有名ですね。
それぞれ、他の薬との飲み合わせはどうなのか見ていきたいと思います。
薬剤によっては食事のタイミングや食べ合わせと関係が深いものがあります。
では、プロペシアとザガーロにもそういった飲み合わせはあるのでしょうか。
プロペシア・ザガーロの飲み合わせと併用薬について
プロペシアを製造販売しているMSDやザガーロを製造販売しているGSKは日頃から多くの実験を行っています。
もちろん、このAGA治療薬の飲み合わせに関する実験も行っています。
その実験からプロペシアもザガーロも他の薬剤の影響は無視できると考えられています。
また、食事による影響もありません。
つまり風邪薬を同時に内服しても安全ですし、食前に内服しても食後に内服しても大丈夫なのです。
以下、詳しく知りたい方のためにザガーロを製造販売しているGSKのデータの一部をご紹介します。
『デュタステリドのクリアランスはカルシウム拮抗薬との併用で36%低下した。
また、デュタステリドのクリアランスはベラパミルの併用で37%低下、ジルチアゼムの併用で44%低下、アムロジピンの併用で7%上昇した。体重1kgの分布容積に与える影響は1.7%と推定された。また、デュタステリドはCYP3A4/5で代謝されたことから、CYP3A4阻害作用を有する薬剤(ベラパミル、ジルチアゼムなど)との併用でデュタステリドの血中濃度が上昇する可能性があり、体重で血中濃度が変化する可能性があるものの、これらの因子による血中濃度の変化はDHT濃度の変化に影響を及ぼさないと考えられる。』
つまり、カルシウム拮抗薬を併用しているとデュタステリドの排泄が悪くなって多少血中濃度が上がりますが、それでAGAに影響が出ることはないということです。
プロペシアとザガーロは、他の薬と併用可能です。
ただし、プロペシアとザガーロ両方とも効能が似ているので、これらを同時には服用しないでください。
フィナステリドとデュタステリドの服用方法
AGA阻害薬(プロペシア・ザガーロ)の服用上の注意
最低半年は継続的に服用すること
プロペシアもザガーロも効果を感じるまで6ヶ月以上は毎日服用する必要があります。
飲んだらすぐに毛髪が増えるわけではありません。
半年程度続けて初めて効果が分かるとお考え下さい。
抜け毛が抑制されてからも飲み続けてください
プロペシアとザガーロは、どちらも抜け毛を抑制してくれる効果を持つ治療薬です。
半年程度で目に見える効果が出てくることがほとんどです。
しかし、毛髪が増えたからといって、服用を止めてしまうとこの効果は持続しません。
すぐに毛が抜けて来るでしょう。
基本的に一生付き合っていく薬だと考えたほうが良いのです。
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AGA阻害薬を服用するタイミングとは?
プロペシアの飲む(服用)タイミングについて
この図はプロペシアの製造販売元のMSD株式会社が作成しているインタビューフォームの一部を改訂して引用したものです。
服用から24時間の体内におけるフィナステリド(プロペシアの主成分)の濃度変化です。
普段からプロペシアを服用している患者さんがフィナステリド1mgを摂取すると上記グラフのように体内の血中濃度が変化していきます。
服用したタイミングで血漿中濃度が高くなり、時間が経つにつれて徐々に減っていっています。
24時間経つと血漿中にはほとんど残っていません。
※血漿とは、血液から血球を除いた成分です。
毎日決まった時間に飲むのが理想的です。
また、多少前後しても体に対しての影響は少ないでしょう。
内服してから12時間以上経過すると血漿中にフィナステリドはほとんど残っていません。
代謝も早いので血漿中のフィナステリド濃度が上がりすぎることはないでしょう。
飲み忘れた場合は直ぐに内服することをお勧めします。
ザガーロの飲む(服用)タイミングについて
次に、ザガーロの飲むタイミングについて解説していきます。
この図を見て下さい。
これはザガーロの製造販売元のグラクソ・スミスクライン株式会社が出しているインタビューフォームの中の図の一つです。
デュタステリド(ザガーロの主成分)を内服した時の血清中の濃度変化を表しています。
内服後24時間の時点でもデュタステリドは体内からなくなっていないことがわかります。
これがプロペシアとは大きく異なる点です。
内服後24時間から72時間での変化はそれほど大きくはない。
デュタステリドはフィナステリドよりかなり長く効く薬剤なのです。
これは多少飲み忘れしてしまってもフィナステリドのようにAGAが進行する可能性は低いということを意味しています。
AGAの治療を行っていく上で薬を飲み忘れることは多いと思います。
ザガーロは、プロペシアよりも1.5倍ほど治療効果が高いと言われていますが、飲み忘れにも強いと言えます。
デュタステリドもフィナステリドと同様に内服時間がずれてしまっても血清中の濃度変化はそれ程ありません。
内服時間が多少は前後しても体に負担がかかることもありません。
飲み忘れた場合も気づいた時に内服して次回からはいつもの時間に内服すれば問題ありません。
ザガーロも決まった時間に飲むのが理想的
飲み忘れてもAGAが進行しにくい。
飲み忘れた場合は直ぐに内服すれば大丈夫。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回の記事はプロペシアとザガーロの飲み方について紹介してきました。
プロペシアとザガーロも飲み合わせについて問題になることはありませんので風邪薬などの薬剤も安心して内服できます。
そして、どちらの薬剤も重要なのは毎日内服することです。
また、飲むタイミングは、朝でも昼でも夜でも問題ありません。
では、実際に服用された患者さんの声をあげておきます。
参考にしてください。
・プロペシアとザガーロは、飲み合わせによくない食事はない
・また、他の薬剤と併用しても問題ない
一番多いのは夜派
『夜が一番落ち着いて時間もあり飲み忘れしないです。』
『他にも夜に飲むお薬があるので一緒に飲みます。』
『でも、夜だとお酒を飲みに行くと忘れてしまいます。』
次に多いのは朝派
『朝が一番時間が読めて飲み忘れしないです。』
『朝ごはんと一緒に飲みます。』
『朝は忙しいですけどミノキシジルを朝に飲みたいので。』
少ないのは昼派
『会社の引き出しに薬を置いてるんで取り出すのが楽なんです。』
『家に帰ると他に忙しいので会社で内服したいです。』
『でも、会社が休みの日は忘れやすいです。』
当院は、プロペシアとザガーロをどちらも処方しています。
治療費は以下の通りです。
治療薬 | 価格 |
---|---|
フィナテリド(ジェネリック品) | 1,800円(初月) |
プロペシア | 7,000円 |
ザガーロ | 10,000円 |
当院は、カウンセリングや相談を経て、患者様に合う治療薬をご提案させていただいています。
現在、無料でカウンセリングや相談を実施しているので、お気軽に申し込みください。