育毛剤と発毛剤を比較!薄毛の改善におすすめなのは?
育毛剤と発毛剤はしばしば混同されがちですが、薄毛を改善するにはどちらがおすすめなのでしょう。
今回は、育毛剤や発毛剤に含まれる主な成分を紹介するとともに、薄毛の改善法について解説したいと思います。
— 目次 —
育毛剤の成分や特徴
育毛剤と発毛剤の違いについて理解するためには、それぞれの特徴を知るのが一番です。
まず、育毛剤についてその成分や特徴を紹介したいと思います。
育毛剤とは?
育毛剤はその名のとおり、髪の毛を育む(はぐくむ)ためのものです。
現在生えている髪の毛が強く、太く成長するようにサポートするのが目的となっています。
育毛剤の主な成分
育毛剤には男性用と女性用がありますが、男性用の育毛剤に特徴的な成分と女性の育毛剤に特徴的な成分、および両者に共通の成分があります。
ノコギリヤシエキス
ノコギリヤシはアメリカの東部が原産のヤシの一種で、古くから民間療法や伝統療法に用いられてきた歴史があります。
男性に見られる薄毛の1つに男性型脱毛症(AGA)がありますが、AGAの原因としてジヒドロテストステロン(DHT)の存在があげられています。
ジヒドロテストステロンは、男性ホルモンであるテストステロンがより強力化したもので、男性ホルモン受容器と結合することで、抜け毛の元となる有害なサイトカインを産生します。
テストステロがジヒドロテストステロンへと変化する際、触媒として重要な働きをするのが5α-リダクターゼと呼ばれる酵素の一種です。
ノコギリヤシエキスには5α-リダクターゼの働きを阻害する作用があるため、ジヒドロテストステロンの産生を抑止し、抜け毛の予防効果が期待されているのです。
海藻エキス
海藻には髪の毛の成長にとって有益な成分が多く含まれています。
そのため、男性用・女性用を問わず、多くの育毛剤に配合されています。
イソフラボン
イソフラボンは大豆に含まれていることでよく知られている成分で、女性ホルモンの一種であるエストロゲンと似た働きを持つことが分かっています。
女性に見られる薄毛の原因の1つとして、加齢によるエストロゲンの分泌量減少があげられています。
エストロゲンはいわゆる「女性らしさ」を具現化するホルモンであり、女性に髪の毛が豊かでつややかなのもエストロゲンの働きによります。
そのため、育毛剤にイソフラボンを配合することで、女性らしい、豊かでつややかな髪の毛を取り戻すことが期待できるのです。
育毛剤のメリットとデメリット
何事にもメリットがあればデメリットがあるものですが、育毛剤に関しても例外ではありません。
では、育毛剤にはどんなメリットとデメリットがあるのでしょう。
メリット
育毛剤の最大のメリットが、副作用のリスクが少ないという点です。
育毛剤のほとんどが天然由来の成分から作られているため、化学的に製造された医薬品のような副作用の心配がありません。
デメリット
育毛剤のデメリットとしては、それほど発毛効果が高くないことがあげられます。
育毛剤の目的は髪の毛を育てることであり、新しく髪の毛をはやすことではありません。
そのため、発毛剤ほど積極的な発毛効果は期待できません。
育毛剤は髪の毛を強くするもので発毛効果は少なく、副作用のリスクがあまりない!
発毛剤の主な成分
発毛剤は育毛剤とは異なり、化学的に製造された医薬品です。
では、発毛剤にはどんな成分が含まれているのでしょう。
フィナステリドやデュタステリド
男性型脱毛症を改善する場合、フィナステリドやデュタステリドを配合した医薬品が処方されます。
なぜなら、フィナステリドやデュタステリドには、男性型脱毛症の原因である5α-リダクターゼの働きを阻害する作用があるからです。
フィナステリドを配合した治療薬としてはプロペシアがよく知られており、デュタステリドを配合した治療薬としてはザガーロがよく知られています。
プロペシアに関しては国内での特許期間を過ぎているため、安価なジェネリックも購入できるようになっています。
ザガーロは2016年に販売された比較的新しい治療薬なので、まだジェネリックがありません。
ミノキシジル
ミノキシジルは、フィナステリドやデュタステリドと並んで、厚生労働省によって発毛効果が認められた数少ない有効成分の1つです。
ミノキシジルには血管を拡張し、血液の循環を促進する作用があります。
日本で認可されているミノキシジルは塗り薬タイプのみですが、頭皮にミノキシジルを塗布することで、髪の毛の成長を促す効果が期待できます。
ミノキシジルを配合した商品としては大塚製薬のリアップシリーズが有名ですが、当院でもミノキシジルをオーダーメイド処方しています。
発毛剤のメリットとデメリット
化学的に製造された発毛剤にも、メリットとデメリットがあります。
特に育毛剤よりもデメリットに気を付けることが重要です。
メリット
発毛剤のメリットとしては、発毛効果の高いことがあげられます。
最近は薄毛も専門のクリニックで治療できる時代となっていますが、多くのクリニックで発毛剤を利用した薄毛治療をおこなっています。
デメリット
発毛剤のデメリットとしては、副作用のリスクがあげられます。
フィナステリドやデュタステリドには、男性機能を低下させる可能性があります。
また、フィナステリドやデュタステリドに関しては錠剤タイプが認可されていますが、医薬品を内服すると肝臓への負担が増します。
そのため、フィナステリド錠やデュタステリド錠を服用した人の中には、肝機能障害を発症した例もあります。
ただし国内での発症例は報告されておらず、発症頻度も不明ということです。
塗り薬タイプのミノキシジルには、副作用のリスクがそれほどありませんが、非認可のミノキシジル錠を服用した場合、心臓への負担を増す可能性があります。
発毛剤は高い発毛効果が期待でき、AGAの改善に用いられる。発毛剤の場合、副作用のリスクがある。
育毛剤と発毛剤の使い分け方
育毛剤と発毛剤には明確な違いがあることをご理解いただけたことと思います。
では、両者をどのように使い分けるのが正解なのでしょうか。
予防目的なら育毛剤も効果的
将来の薄毛を予防する目的であれば、育毛剤の利用がおすすめです。
また、それほど進行していない薄毛や、抜け毛の量が気になりだしたようなときにも、まずは育毛剤を利用してみるのが良いでしょう。
薄毛が進行したら発毛剤
ある程度薄毛が目立ってきたり、抜け毛の量が減らなくなってきたりしたら、発毛剤を利用するのがおすすめです。
発毛剤は専門のクリニックに相談して利用する
最近は海外製のジェネリック発毛剤が安価で購入できるようになっていますが、自己判断で服用した場合、国の救済措置が受けられませんし、粗悪品をつかまされる可能性もあります。
また、先述したように発毛剤のような医薬品には肝機能障害のリスクもあるので、必ず専門医の指導下で服用するよう心がけましょう。
まとめ
育毛剤はどちらかというと将来の薄毛を予防するものであるのに対し、発毛剤は積極的に発毛を促すものです。
どちらにも一長一短あるので、自分の頭皮や毛髪の状態を確認したうえで利用するのが重要です。
どちらを使えばいいのか分からないという方は、ぜひ一度、当院のカウンセリングをお試しください。
お問い合わせは電話かメールで承っております.