AGA治療薬のプロペシアって女性は使用できるの?効果や注意点について
薄毛や抜け毛の悩みを抱えている方は多いかと思います。
こうした悩みは男女問わず多いかと思います。
薄毛の原因として多いものが、AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)です。
こうした薄毛を治療する薬の中に、プロペシアがあります。
プロペシアは主にAGAの治療薬として使用されますが、これを女性にも使用してもいいのでしょうか。
一般的には女性の使用は禁忌だと言われていますが、どうなのでしょうか。
駅前AGAクリニックの医師が詳しく説明します。
— 目次 —
- そもそもプロペシアって?どんな効果があるの?
- プロペシアって女性は使ってはいけないの?
- 女性の薄毛に対するプロペシアの効果とは?科学的根拠に基づいて説明します
- 女性に対するプロペシアの副作用は?
- まとめ
▽記事の内容をまとめた動画はこちら▽
そもそもプロペシアって?どんな効果があるの?
女性の使用について説明する前に、プロペシアについて説明します
プロペシアとは、AGA治療に用いられる治療薬です。
フィナステリドという有効成分を含んでいます。
プロペシアの効果について詳しく知るために、AGAの原因について知る必要があります。
AGAの原因について
AGAの原因は、DHTという悪性の男性ホルモンの働きによるヘアサイクルの乱れです。
ヘアサイクルが乱れることにより、髪の毛が成長する前に抜け毛が起きるので、薄毛になるのです。
DHTは、5αリダクターゼという酵素の働きにより、テストステロンという男性ホルモンが変性して生成されます。
これがAGAの原因です。
プロペシアの効果について
ここまででAGAの原因についてはわかったかと思います。
ではAGAに対し、どのような働きをするのでしょうか。
プロペシアは、DHTを生成する要因である5αリダクターゼの働きを阻害します。
これによりDHTが生成されにくくなり、抜け毛を防ぐことが可能です。
プロペシアについて詳しく知りたい方は、下記からご覧ください。
― POINT ―
✔︎AGAはDHTによるヘアサイクルの乱れが原因
✔︎DHTは5αリダクターゼによって生成される
✔︎プロペシアは5αリダクターゼの働きを阻害する
プロペシアって女性は使ってはいけないの?
AGA治療に主に使われるプロペシアですが、女性は使用してはいけないのでしょうか。
女性の脱毛症で圧倒的に多いのは女性型脱毛症(FAGA)です。
FAGAの一番の原因は女性ホルモンが減少することにあります。
そのため男性ホルモンが優位になりヘアサイクルが短くなり薄毛になってしまいます。
FAGAでは男性ホルモン作用を減らすことが出来ればヘアサイクルを正常にすることができます。
このような薬剤として一番多く使われるのが抗男性ホルモン作用を持つスピロノラクトンです。
しかし、スピロノラクトンの作用はそれほど強いものではありません。
例え進行を止めることが出来たとしても増毛までは難しいことが多いです。
では、女性も男性のAGA治療と同じようにプロペシアで治療を行えないのでしょうか。
プロペシアの女性の使用について
日本皮膚科学会の『男性型および女性脱毛症診療ガイドライン2017年版』ではフィナステリドの内服は男性については行うよう強く勧めていますが、女性に関しては行うべきではないとされております。
その理由ですがVera H. Price達によって2000年に行われたランダム化比較試験が根拠となっております。
プロペシアの女性の使用に関する研究結果
『Lack of efficacy of finasteride in postmenopausal women with androgenetic alopecia』
137名の女性患者さんに男性と同様の投与量のフィナステリド1mgを使用したところ効果が認められなかったためです。
デュタステリドに関しても女性に対してのデータがないため、行うべきでないとなっております。
また、5αリダクターゼ阻害薬は男児胎児の生殖器官の発育を阻害する為、むやみに使われることがリスクと捉えております。
これが本当なら効果のない無駄なフィナステリドによる治療は行わない方がいいでしょう。
この研究の結果、女性の薄毛の原因は男性とは違う可能性があると認識されるようになりました。
女性の薄毛には男性のようにホルモンの関わりがそれほど重要ではないかもしれないと考えられたのです。
そのため女性のAGA(Female-AGA)という呼び名は不適切と考えられました。
新しいFemale Pattern Hair Loss(FPHL)という別の概念で捉えた方が良いのではないかという流れが生まれたのです。
― POINT ―
✔︎FAGAは女性ホルモンの減少が原因
✔︎スピロノラクトンなどで治療可能
✔︎プロペシアは効果がないという研究結果
女性の薄毛に対するプロペシアの効果とは?科学的根拠に基づいて説明します
上の研究からかなり時間が経過しましたが、現状はどうなのでしょうか。
現在の日本の脱毛症の治療現場ではガイドラインに沿ってミノキシジルが主に使用されています。
外用ミノキシジルの1%の濃度の処方がメインであり、かなり効果が弱いです。
男性のようにミノキシジルの5%の外用薬も使いませんし、効果の強いミノキシジルの内服は行いません。
これではほとんど治療の効果は期待できないでしょう。
満足の出来るものではないはずです。
そもそもヘアサイクルが短縮することが女性型の脱毛症(FPHL)の一番の原因です。
そこで『オーソモレキュラー(栄養療法)』や『スピロノラクトン』がヘアサイクルを戻すために使われました。
しかし、その治療効果は男性のように絶対的なものではありません。
実はフィナステリドについてはその後も研究が続けられてきました。
投与量を見直して1日1mgでなく2.5mgや5mgでも治療効果がないか研究されていたのです。
研究結果について
『Clinical efficacy of oral administration of finasteride at a dose of 2.5 mg/day in women with female pattern hair loss』
この研究ではYong‐Yon Won達が544人の女性患者さんで試験を行っています。
その結果は本当に驚くべきものでした。
女性患者さんの65.2%でかなりの改善、29.5%で少しの改善がみられたというのです。
1日1mgではほとんど効果がなかったのですが、2.5mgではほとんどの患者さんに治療効果があったのです。
しかも、この治療成績は男性のものよりも効果的だったという内容でした。
『Finasteride 5 mg/day Treatment of Patterned Hair Loss in Normo-androgenetic Postmenopausal Women』
これは2013年にR Oliveira-Soares達によって発表された1日5mgでの研究です。
40人と症例数が少ないのですが、22人(55%)がかなりの改善、12人(30%)が改善、6人(15%)が改善しなかったというものです。
女性では1mgでは効果がないものの2.5mgや5mgではかなり効果的に薄毛の治療が可能だったのです。
上の研究を比較すると2.5mgと5mgでは治療成績が変わらないようです。
女性の適正なフィナステリドは2.5mgで十分なのかもしれません。
女性の場合は男性と同じ投与量の1日1mgが少なすぎたという事が分かります。
フィナステリドは女性のAGAに効果があることが判明したのです。
― POINT ―
✔︎外用ミノキシジルはそれほど効果がない
✔︎フィナステリドは女性の効果的!
✔︎使用量に注意が必要
女性に対するプロペシアの副作用は?
FAGAにフィナステリドが効果的だったと分かれば次は副作用についてです。
副作用に関してはどうなのでしょうか。
これに関しても数々の研究で検討されています。
『Side Effects Related to 5 α-Reductase Inhibitor Treatment of Hair Loss in Women: A Review』
この文献はLauren R. Seale BS達が2016年に発表したものです。
女性に対してフィナステリドを使用した20の文献について考察して副作用はないと結論づけています。
しかし、注意点もあります。
それは、妊娠中の女性は絶対に服用してはいけないという点です。
妊娠する可能性のある女性も同様です。
理由としては、胎児に影響を及ぼすからです。
胎児が男の子だった場合、胎児の男性機能の発達に支障をきたす可能性があるからです。
実際に海外でフィナステリドを投与している際に妊娠してしまった例もありました。
フィナステリドは1日ほどで分解されるためかと考えられます。
この例では偶然何事もありませんでしたが、十分な注意が必要です。
以上の研究結果から今後の女性型脱毛症においてフィナステリドが積極的に使われていくことになると考えられます。
時代の最先端の治療は女性にもフィナステリドを使用する流れになると思われます。
今後はもう一つのAGA治療薬のデュタステリドについても研究データが出てくると思います。
きっといい結果が出てくると予想しますが、慎重に今後の情勢を観察して行きたいと思います。
プロペシアの女性の治療には注意点も多いため、個人で治療するのは安全性にかけるかっと思います。
より安全な治療と、より効果的な治療を求める場合、クリニックでの治療がオススメです。
当院では無料でカウンセリングを行なっているので、治療を検討中の方はお気軽のご相談ください。
― POINT ―
✔︎副作用は基本的にない
✔︎妊娠中の使用は禁止
✔︎クリニックを受診することで安全に治療可能
まとめ
いかがでしたか?
危険とされているプロペシアも、専門家の指導の元、服用量を守って治療を行えば安全かつより高い効果が期待できます。
妊娠する可能性のある女性に5αリダクターゼ阻害薬が使われることは避けなければなりませんので、当院では年齢制限を設けております。
50歳以上ならフィナステリドは安全に使用出来ると考えております。
ヘアサイクルを正常化する薬剤にはスピロノラクトンや駅前AGAクリニックオリジナルサプリメントがあります。
これにプロペシアを加えることにより、より高い効果が期待できます。
いくつかのを組み合わせることで圧倒的な治療効率が実現出来ると考えられます。
女性も男性のように薄毛を治すことが出来るのです。
駅前AGAクリニックは全ての脱毛症のプロとしてガイドラインを超えた時代の最先端の治療を行っております。
ネット上にはガイドラインに準拠してプロペシアは女性に効果がないという情報や男児胎児の生殖器官の発育を阻害するため禁忌と書いてある場合があります。
当院では妊娠可能性のあるFAGAの女性にはプロペシアを処方しませんのでご安心下さい。
また、プロペシアを使用する事について不安に思われる場合はご相談下さい。
駅前AGAクリニックでは全国6院、東京新宿、東京北千住、大阪梅田、京都烏丸、岡山、鹿児島のすべてのクリニックで一貫した最新の薄毛治療を行っております。
他院で結果が乏しかった患者さんもあきらめずにご相談ください。